会長挨拶
第70回日本透析医学会学術集会・総会
会長 猪阪 善隆
大阪大学大学院医学系研究科 腎臓内科学
第70回日本透析医学会学術集会・総会を2025年6月27日(金)から29日(日)にかけて大阪国際会議場を中心に開催させていただくことになりました。本学術集会では、毎年多くの透析医療に関わる国内外の多職種の医療関係者、研究者、企業の方々が一堂に集まっていただき、熱意のこもった議論・意見の交換がなされます。また、透析医療・透析医学について、最新の情報・知識を収集する場でもあります。透析医学会の会員の皆様に広くアンケート調査をさせていただき、会員の皆様のニーズにあった学術集会にしたいと考えております。教育講演に関してはすべてオンデマンド講演とし、多くの会員の先生方にご視聴いただけるようにしたいと考えております。また、海外の著名な先生方のご講演にも多くの会員の皆様に拝聴いただきたいと考え、AIによる同時通訳を導入する予定です。このような重要な学術集会の大会長の任を拝命することは、大変光栄であり、その責任の重さを実感するところであります。
2022 年末における「わが国の慢性透析療法の現況」によりますと、これまで増加していた透析患者総数は、前年から 2,226 人減少し 34 万 7,474 人となりました。一方、透析患者全体の平均年齢は 69.87 歳(前年比 0.2 歳増)と高齢化が続いています。このような状況において、腎代替療法選択におけるshared decision makingや保存的腎臓療法の選択、高齢透析患者さんにおける透析処方や併発症に対するケアなど、わが国の高齢化社会における透析医療にはこれから解決すべきいくつかの問題があります。
2025年には大阪で万博が開催されます。この大阪での万博のテーマに合わせて、今回の学術集会・総会のテーマを「いのち輝く未来社会の透析医療」といたしました。透析医療は腎臓病の患者さんの予後を改善する最も画期的な治療法の一つであり、今回の調査では最長透析歴は52年を超えております。一方、これからの透析医療を考えるうえで、透析患者さんの併発症の克服やQOLの向上、より良い透析医療の提供は重要な課題です。高齢化社会における透析患者さんのwell beingを実現を考えることができるような学術集会にしたいと考えております。
大阪での透析医学会の開催は久しぶりでございます。前述のように、2025年には大阪で万博が開催されます。ぜひ、大阪にお越しいただき、第70回日本透析医学会学術集会・総会にご参加いただくとともに、大阪万博を楽しんでいただければと思います。皆様のふるっての演題の応募をお待ちしております。そして、2025年には大阪で熱い意見交換を行いたいと思います。なにとぞよろしくお願いいたします。