会長挨拶

第69回日本糖尿病学会年次学術集会
会長  下村 伊一郎
(大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授)

この度、第69回日本糖尿病学会年次学術集会をお世話させて頂くことになりました大阪大学内分泌・代謝内科学講座の下村伊一郎です。大阪で糖尿病学会年次学術集会が開催されるのは、2014年に花房俊昭先生が会⾧をされた第57回大会以来12年ぶりとなります。このような大役を頂きまして、教室員一同、非常に身の引き締まる思いです。できる限り実り多い年次学術集会となりますように、教室員で力を合わせて準備を進めて参ります。

2025年開催の大阪・関西万博のメインテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」であることから、本学術集会のテーマは『IMAGINE いのち輝く 糖尿病の医療・医学を共に目指して』とさせていただきました。

私はこれまで糖尿病、特に肥満2型糖尿病の分野で臨床・研究を積み重ねてきました。特に飽食・運動不足の現代の2型糖尿病の病態医学に関して、脂肪組織の機能異常に注目して臨床・研究を行ってきました。最近、日本糖尿病学会は「日本人2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」を新たに作成し、その「Step1」として“肥満と非肥満”に応じた薬剤選択を挙げました。

このように、日本人“肥満と非肥満”糖尿病を持つ人それぞれの成因・病態・予防・診断・合併症対策・適切な血糖マネージメント・薬物治療・チーム医療について、学会員みなが力を合わせて医療・医学を押し進めていくことが今後さらに重要になってくると考えております。

様々な職種の方々、これから糖尿病学・糖尿病診療に携わることを目指す方々、あるいは糖尿病を持つ方、持たない方にとっても、今回の年次学術集会のテーマに込めた思いを共有していただけるよう、様々なセッション・イベントを用意できればと思っております。

現在、教室員が一丸となって、皆さまを大阪の地にお迎えするための準備を行っており、2026年5月にお迎えできることをとても楽しみにしております。できるだけ多くの先生方のご参加、またできるだけ多くのご演題をお待ちしております。どうかよろしくお願い申し上げます。