日本整形外科学会基礎学術集会は1973年骨・関節の基礎を語る会に始まり、整形外科基礎研究会を経て、1986年第1回本学術集会の開催と諸先輩方のご努力により大きく発展して参りました。我が国の整形外科基礎研究は、臨床の現場で見出した疑問を整形外科医自らが臨床医の視点に基づいて研究を進め、得られた結果を臨床の現場に還元する、あるいは将来の臨床応用へ発展させるという独自の手法を貫いてきました。しかし、近年の社会構造の変化に伴う超高齢社会の到来など、運動器医療を取り巻く環境が大きく変化するとともに解決しなければならない問題も山積しています。鋭い洞察力を持って理論的思考や科学的検証ができる若手医師を育成し、今後の時代が要求する新しい課題に立ち向かうことも本学術集会に課せられた責務であると考えます。