会長挨拶

第37回日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会総会
会長  武中 篤
鳥取大学医学部器官制御外科学講座 腎泌尿器学分野 教授

 この度、第37回日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会総会を2023年11月9日(木)~11日(土)の3日間、米子コンベンションセンター、米子市文化ホール、米子ワシントンホテルプラザにて開催させていただくことになりました。本学会を米子市で主催させていただけることは、我々の教室にとって身に余る光栄であります。
 本総会のテーマは「内視鏡手術の心技体を科学する(Skills, Anatomy and Mentality for sophisticated endourology)」といたしました。言うまでもなく、手術の成功には技(Skill)が必須であります。そして、それを先人や達人からすべての術者に広げること、つまりいかに標準化ができるかが重要であり、そのために必要なものが体(Anatomy)であります。Anatomyはすべての手技を標準化する際の基本言語であると考えています。さらに、十分な体(Anatomy)を持ち合わせていれば、技(Skill)の不足を補うこともできます。加えて、技を安全に実践するためには、心(Mentality)のコントロールが不可欠です。心のトレーニングに標準的プログラムは存在せず、各自が経験的に習得しているのが現状であります。これらを身につける考え方についても、議論してみたいと思います。このように、泌尿器内視鏡手術の「心技体」について科学的な検証を行いたいと思います。体(Anatomy)の特別イベントとして学会翌日ではありますが、骨盤リンパ節郭清のCadaver Surgical Trainingも企画いたしましたので、ぜひご参加ください。
 また、サブテーマとして、「医療安全」と「医工連携による機器開発」を取り上げました。泌尿器科内視鏡手術を推進するうえで「医療安全」への配慮は欠かすことができません。泌尿器科医以外の立場、つまり外科医、医療安全専門家、そしてメディアの立場から、医療安全特別企画として提言をいただくことにいたしました。また、ロボット手術時代における技術認定医制度の在り方についても議論したいと思います。「医工連携」については、基本知識や最前線の情報提供、成功事例の表彰、若手医師によるワークショップ(申込制)などを企画いたしました。多目的ホールにおいては、医工連携展示、ブースプレゼンを行うとともに、鳥取大学医学部附属病院を企業や医師に開放する病院ツアーも企画いたしましたので、ぜひお楽しみください。
 本総会は、米子市での地方開催といたしました。交通や宿泊面ではご不便をおかけするかもしれませんので、早期のご予約をお願いいたします。しかし、食・自然・温泉に恵まれ、ロケーションは最高です。お楽しみ企画として、腹腔鏡折鶴コンテスト、なかうみモーニングラン、スタンプラリー、キッチンカー出店なども準備いたします。当地で、熱い議論と交流を深めていただきたいと思います。