近年、交通事故の減少や自動車の安全装具の進歩により、交通外傷による死亡は減少しておりますが、それでも幼少期から青壮年期においては、不慮の事故が死亡原因の上位に位置しています。また、労災事故や自殺、高齢者の軽微な外力により発生する重症外傷など、外傷形態は多様化しており、加えて近年の広域災害の増加やテロなどへの対応を考えますと、まだまだ、ベーシックな学問としての外傷学の進歩、臨床上の外傷診療の発展は欠かせません。
本学術集会では、これまでに明らかにされた知見を実践に生かし、また実践から新たな知見を収集することによって、「外傷診療の未来を切り拓く」ための『知』と『実践』の懸け橋となる、トランスレーショナルな学術集会を目指します。そこでそのような思いを込めて、テーマを「外傷診療の未来を切り拓く『知と実践』」としました。
また、重症外傷患者を救命して社会復帰させるためには、多くの専門領域の医師を始め多部署の看護師や医療技術職の方々が加わったチーム医療の実践が不可欠です。本学術集会では、多専門領域の医師、看護師およびその他の医療技術職の方々に関連した教育講演やセッションを準備しました。様々な領域の専門職の方々に参加して頂いて、夫々の専門性を高めるとともに、チーム医療の在り方についても様々な視点からの議論が展開されることを期待しております。
皆様からの多数の演題登録を宜しくお願いします。