第36回日本外傷学会総会・学術集会第36回日本外傷学会総会・学術集会

会長挨拶

第36回日本外傷学会総会・学術集会
会長 松岡 哲也
(地方独立行政法人りんくう総合医療センター 
大阪府泉州救命救急センター 病院長)

謹啓

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は、本学会の活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、この度、光栄なことに令和4年度の「第36回日本外傷学会総会・学術集会」の会長を仰せつかり、開催に向けて鋭意準備を進めているところです。

 近年、交通事故の減少や自動車の安全装具の進歩により、交通外傷による死亡は減少しておりますが、それでも幼少期から青壮年期においては、不慮の事故が死亡原因の上位に位置しています。また、労災事故や自殺、高齢者の軽微な外力により発生する重症外傷など、外傷形態は多様化しており、加えて近年の広域災害の増加やテロなどへの対応を考えますと、まだまだ、ベーシックな学問としての外傷学の進歩、臨床上の外傷診療の発展は欠かせません。
 本学術集会では、これまでに明らかにされた知見を実践に生かし、また実践から新たな知見を収集することによって、「外傷診療の未来を切り拓く」ための『知』と『実践』の懸け橋となる、トランスレーショナルな学術集会を目指します。そこでそのような思いを込めて、テーマを「外傷診療の未来を切り拓く『知と実践』」としました。
 また、重症外傷患者を救命して社会復帰させるためには、多くの専門領域の医師を始め多部署の看護師や医療技術職の方々が加わったチーム医療の実践が不可欠です。本学術集会では、多専門領域の医師、看護師およびその他の医療技術職の方々に関連した教育講演やセッションを準備しました。様々な領域の専門職の方々に参加して頂いて、夫々の専門性を高めるとともに、チーム医療の在り方についても様々な視点からの議論が展開されることを期待しております。
 皆様からの多数の演題登録を宜しくお願いします。

 2020年、2021年は、新型コロナウイルスのパンデミックの煽りを受けて活動の自粛を余儀なくされ、第34回、35回の本学術集会もウェブ形式での開催となりました。両会の会長を務めて頂いた東北大学教授・久志本成樹先生、防衛医科大学教授・斎藤大蔵先生におかれましては、慣れない試みに苦心されたことと存じますが、無事成功裏に終えられましたこと、心から感謝申し上げます。
 第36回の総会・学術集会は、2022年6月30日、7月1日に大阪国際会議場において、従来通りの集合形式での開催を予定しております。このコロナ禍がいつまで続くか、まだまだ予断の許さない状況ではありますが、来年にはコロナ禍を終息させて、晴れて予定通りに皆さまにお会いできることを楽しみにしております。
 多くの方々のご参加をお待ちしております。

謹白