未だ終息する気配のない新型コロナウイルス感染症対応のために、昼夜を問わず医療の最前線でご尽力頂いている医療従事者の方々に敬意を表します。
第31回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会は会場での開催準備を進めて参りましたが、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑みまして、2022年5月20・21日のオンラインと6月1日から6月20日までのオンデマンドによる開催へと変更いたしました。
本学術集会のテーマは、「WOC領域のエクセレントサービスをデザインする~患者にデライト(大きな喜び)をもたらすケアとは~」といたしました。エクセレントサービスは、今までのサービスが目標としていた顧客(患者)満足だけではなく、さらに「顧客(患者)のデライト:期待を超えるような大きな喜びや感動」をもたらすことを目標とするものです。私たちが提供するWOC領域のケアによって、患者がより強い幸福感や人生の楽しみ、活き活きと生活できる可能性を感じることを私たちは願っております。
患者がデライトを感じられるように、あらゆる場でのサービス提供の仕組みを模索するために、WOC領域のエクセレントサービスとは何か、そしてこれからデザインしていくエクセレントサービスとは何かを、参加者の皆様と一緒に考えられるように企画いたしました。
特別講演は3人の先生にお願いしております。まず、お一人目は神奈川県立保健福祉大学学長であり、臨床栄養学者の中村丁次先生に「ジャパン・ニュートリションを世界に発信」というテーマで食文化と科学とを融合させた世界に誇れる日本の栄養についてご講演いただきます。お二人目は、新たなデザインを考える際には、異業種から学びを得ることが肝要である考え、サービスのプロフェッショナルとして著明な元リッツカールトーン支社長である高野登氏にサービスとホスピタリティのご講演をお願いしました。最後に、日本における医療人類学の第一人者であり、看護教育にも携わってこられた、波平恵美子先生に「新型コロナ感染症が問いかける看護の本質―医療人類学の立場から」というテーマでお話頂きます。
特別教育講演には、WOC領域の最新の話題として創傷衛生(Wound Hygiene)の概念とアプローチ方法につきまして日本褥瘡学会理事長で形成外科医の館正弘先生に、高齢者便秘症患者の現状と課題につきまして、慢性便秘の診療ガイドラインをはじめ消化器疾患に関わる多数のガイドライン作成に携わってこられた内科医の中島淳先生にお願いいたしました。
シンポジウムではサービスエクセレンス国際標準(ISO/TC 312)の国内審議委員会委員長を努められている水流聡子先生をお迎えして、医療におけるエクセレントサービスを提供する仕組をどのように構築するかについて討議したいと思います。
その他にもここではご紹介しきれない、ワークショップ、企業共催セミナー、一般演題など、皆様にとりまして興味深く、魅力のある企画を沢山準備しております。是非ともオンライン、オンデマンドでご参加いただき、意義な時間をお過ごし頂けたらと思います。
末筆になりましたが、本学術集会開催に向けて多大なるご支援を賜りました、学会理事をはじめ評議員、学会員、プログラム委員、協賛頂きました企業の皆様に心から厚く御礼と感謝を申し上げます。