日程表・プログラム

会長講演

司会 未定
演者 中尾 一彦 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学

理事長講演

司会 小池 和彦 関東中央病院
演者 未定

特別講演

特別講演1
西洋医学伝来史:栄養と消化器病学を中心に

司会 中尾 一彦 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科消化器内科学
演者 相川 忠臣 長崎大学名誉教授

特別講演2
がんゲノム医療(仮)

司会 伊東 文生 聖マリアンナ医科大学消化器内科
演者 間野 博行 国立がん研究センター研究所・C-CAT

特別講演3
医療ビッグデーター(仮)

司会 丹羽 康正 愛知県がんセンター
演者 佐藤 泉美 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床疫学

招聘講演

司会 竹原 徹郎 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
演者 Gregory J. Gores Department of Medicine, Mayo Clinic, U.S.A

特別企画

座談会:COVID-19、3年の総括、これからに向けて

登壇者 脇田 隆字 国立感染症研究所
四柳 宏 東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野
泉川 公一 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科臨床感染症学分野

シンポジウム

シンポジウム1
消化器疾患とサルコペニア・フレイル

司会の言葉
筋肉量が減少し、筋力および身体機能が低下している状態を指すサルコペニアは、一般人のみならず、消化器疾患の病態形成や予後に深く関連することが知られている。消化器臓器は、栄養、代謝、免疫系、神経系等を通して密な臓器相関を形成している。筋肉は代謝やマイオカインの分泌機能などを有することから、1つの臓器として捉えられ始めており、複雑な消化器系の臓器相関に新たな制御因子として役割を担っているといえる。筋肉が病的状態に陥ったサルコペニアでは、当然全ての消化器機能に不安定化を惹起していると考えられるが、影響が多岐に及ぶため全貌を解明するのは困難といえる。そこで本パネルディスカッションにおいては,様々な消化器疾患におけるサルコペニアが病態に与える影響を様々な切り口で紹介いただき、活発な議論することによって全体像を紐解く手がかりを探す場としたい。臨床・基礎・疫学的観点から多数の演題応募をお願いしたい。
司会 中牟田 誠 国立病院機構九州医療センター肝臓センター
穂苅 量太 防衛医科大学校消化器内科

シンポジウム2
消化器診療へのゲノムワイド研究のインパクト

司会の言葉
近年、欧米人を中心に大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)が多く実施され、多因子疾患の病因解明が進んでいるが、最近、日本人21万人のゲノム解析により遺伝子多型(SNP)が検索され、それらの解析結果は、疾患発症予測や治療層別化などの目的で、臨床現場での実用性が示されつつある。消化器領域においても状況は同様でありGWASにより複数のSNPsが同定され、治療反応性や有害事象に関連する遺伝子検査が一部臨床応用されている。一方、疾患との関連が明確なSNPsも複数同定されており,疾患発症に関わる生物学的機序の遺伝子の特定から転写因子レベルでの解明及びハプロタイプ解析に貢献してきた。また、解析対象のサンプルサイズの増加にともなって、複数の表現型や遺伝的変異の間の相関構造を活用したpolygenic risk scoreなどにも活用されている。本シンポジウムでは、次世代シークエンサーをはじめとするゲノムワイド研究のテクノロジーの発展や研究の方向性、さらには消化器領域における社会実装への応用の可能性を議論したい。
司会 金井 隆典 慶應義塾大学医学部消化器内科
田中 靖人 熊本大学消化器内科学講座

シンポジウム3
消化器診療におけるAIの現状と展望

司会の言葉
ビッグデータの収集が可能となり、深層学習が発達し、第三次の人工知能(Artificial Intelligence:AI)ブームが到来した。消化器領域では、内視鏡が社会実装フェーズに入り、病変の検出や鑑別などをリアルタイムに支援することで、内視鏡医療の均てん化が期待されている。肝胆膵領域の画像や病理診断においても、病変の検出や鑑別を担うコンピュータ支援診断(Computer-aided Diagnosis:CAD)などによる、モダリティや疾患に依存しない、新たな統合化CADシステムの構築が期待されている。外科領域では、AIロボットによる手術支援も胃悪性腫瘍に加えて肝門部胆管悪性腫瘍手術が保険適用になった。さらにゲノム解析や新薬開発にもAI活用が期待される。近年、働き方改革関連法が施行され特にAIを使った医療が注目されている。 このように医療におけるAI活用は必要不可欠であるが、最終的診断や治療への責任は医師がおうことは変わりない。医療データは常に個人情報と表裏一体であり、セキュリティ対策も重要な問題点である。地域医療におけるAI導入も医療の均てん化のためには必須であるが、高齢者が取り残されることも懸念されている。 本シンポジウムでは、消化器医療分野における診断や治療におけるAIの活用状況とその実装における問題点を明らかにし、効率的で正確な医療を提供するために、医療現場へのAI導入について多角的に議論したい。
司会 井上 晴洋 昭和大学江東豊洲病院 消化器センター
飯島 尋子 兵庫医科大学消化器内科学

シンポジウム4
消化器疾患とビッグデーター

司会の言葉
我が国が目指すべき未来社会の姿として、仮想(サイバー)空間と現実空間を融合させた人間中心の社会(Society 5.0)が提唱された。そこでは、医療ビッグデータの利活用を促進するICT基盤を構築するために、クラウド基盤の整備とAI解析技術の開発が進められている。画像やゲノムを含めた大容量の医療データは超高速の情報通信ネットワークにより収集され、クラウド基盤の構築に貢献している。集積されたビッグデータは、最先端のICT技術により診断を支援する医療AIの開発などに応用される。消化器疾患におけるビッグデータの利用は、画像・がんゲノム・電カル/DPCなどをもとに内視鏡、病理、放射線、超音波などの画像解析、薬効評価、予後予測などが挙げられる。本シンポジウムでは、広く消化器病診療における内視鏡、画像、病理、薬効評価、等々のビッグデータを用いた研究成果をご紹介頂き、消化器病学の最新知見について討論したい。
司会 高山 哲治 徳島大学消化器内科学
中本 安成 福井大学内科学(2)分野

シンポジウム5
がんゲノム医療の現状と課題

司会の言葉
腫瘍組織あるいは末梢血を用いたがんゲノムプロファイリング検査の保険診療が開始され、消化器がん治療においてもがんゲノム情報を基にした治療が可能となりました。また消化器がんを対象とした全ゲノム解析研究や、大規模コホートの網羅的研究が進められています。この過程で、個々の体細胞遺伝子変異の生物学的意義、遺伝子変異に基づく治療薬の選択とアクセス、さらには二次的所見やリキッドバイオプシーで検出されるクローン性造血など、解明・検討が必要な課題が明らかになってきました。本シンポジウムでは、消化器がんの医療の更なる進歩のために、がんゲノム医療の現状を理解し、その課題を解決するがんゲノム研究の最新知見を共有したいと思います。
司会 榎本 信幸 山梨大学医学部第一内科
馬場 英司 九州大学大学院医学研究院社会環境医学講座連携社会医学分野

シンポジウム6
消化器がん分子標的・免疫療法の新展開

司会の言葉
近年多くの消化器癌で複数の分子標的治療薬および免疫チェックポイント阻害薬が導入され,治療が大きく変化している.胃癌・食道癌では化学療法との併用,肝細胞癌においてはVEGF阻害剤との併用療法が標準治療として確立された.膵・胆道・大腸癌などでも新たな治療プロトコルの標準化に加え,ゲノム情報に基づいた分子標的・免疫療法が導入されている.さらなる治療効果向上を目指した複合免疫療法や,放射線治療,局所療法、IVRとの併用など膨大な数の臨床試験が世界中で進められている.一方,がんゲノム解析,血液中のcell free DNA・エクソソームなどの解析による分子レベルでの解析と実用化がすぐ近くまで来ている.本シンポジウムでは,消化器癌における分子標的・免疫療法の現状を踏まえ,基礎・臨床の両面から臓器横断的な議論を進め,現状の課題と将来展望について知見を深めたい.
司会 坂本 直哉 北海道大学消化器内科学教室
前田 愼 横浜市立大学消化器内科学

シンポジウム7
消化器領域におけるがん微小環境研究の最前線

司会の言葉
がん微小環境には、免疫担当細胞やがん関連線維芽細胞などの細胞成分、血管やリンパ管、および細胞外マトリックスが存在する。これら多彩な構成成分の直接、間接の相互作用に、上皮間葉転換も組み合わさって、がんの進行と治療反応性は大きく影響を受ける。消化器がんの診療においても、血管新生阻害薬のほか、免疫チェックポイント阻害薬の適応が拡大するなど、がん微小環境を標的とする治療の重要性が増している。近年、オミックス解析や疾患モデルの普及に加え、シングルセル解析、細胞動態の可視化技術などが進歩してきたことにより、がん微小環境が持つ時空間的な多様性とダイナミズムが明らかになってきた。本シンポジウムでは、基礎研究から臨床応用にいたるまで幅広く対象を設定し、がん微小環境の視点から新しい消化器がん治療の展望を拓く、意欲的な演題を期待したい。
司会 竹原 徹郎 大阪大学消化器内科学
妹尾 浩 京都大学消化器内科学

シンポジウム8
これからの胃癌診療

司会の言葉
Helicobacter pylori感染率の低下,除菌の普及により,診療の対象となる胃癌の病像や疫学はドラスティックに変化している.これらの背景を鑑み,これからの胃癌診療に有益なEBMに基づく知見を広く募集したい.具体的には,早期診断について,慢性炎症を伴わない胃粘膜から発生する未感染胃癌やA型胃炎に伴う胃癌,除菌後胃癌などを対象に,これらの胃癌に対するバイオマーカーや病理学的特徴,効率のよいスクリーニング内視鏡,最新の質的診断法,AIを用いた内視鏡診断,リキッドバイオプシー,治療については,beyond ESDとしての全層切除,ESDの適応拡大など,最新の診断・治療についての知見を呈示して頂き,これからの胃癌診療を予見するシンポジウムとなることを期待している.奮って応募下さい.
司会 八尾 建史 福岡大学筑紫病院内視鏡部
村上 和成 大分大学消化器内科

シンポジウム9
炎症性腸疾患診療の最前線

司会の言葉
炎症性腸疾患(IBD)の診断と治療は進化を続けている。便中カルプロテクチンやロイシンリッチα2グリコプロテイン(LRG)などの新規バイオマーカーやカプセル内視鏡、MR enterographyなどの新しい画像機器は診断確定や活動性評価の精度向上に寄与している。軽症から中等症の症例では5-ASA製剤、ステロイド、チオプリン製剤の最適化が行われ、難治例には血球成分除去療法、抗TNF-α抗体をはじめとした生物学的製剤やJAK阻害薬などの分子標的治療が登場し治療選択肢が広がっている。時相により異なる目標を設定するTreat to target(T2T)が実践され、その結果IBDの手術率は2000年を境に減少している。しかし、こうした今日のIBD診療においても解決すべき課題やCQは少なくない。本シンポジウムでは、これまでの成果や今後の診療と研究における方向性と展望について幅広く討論したい。診断や治療に関する新たな知見や工夫、AI内視鏡などの次世代モダリティの開発などについての多数の応募を期待する。
司会 平井 郁仁 福岡大学医学部消化器内科学講座
久松 理一 杏林大学医学部消化器内科学

シンポジウム10
好酸球性消化管疾患の診断と治療

司会の言葉
好酸球性消化管疾患(eosinophilic gastrointestinal disorders; EGIDs)は、主に食物抗原に対するアレルギー反応などが誘因となり発症し、多彩な消化器症状や機能異常が認められる。EGIDsは、食道壁に限局して好酸球が浸潤する好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis; EoE)と、全消化管に好酸球浸潤が起こりうる好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis; EGE)に分類される。本邦においてEGIDsは近年増加しており、2020年には厚生労働省研究班から「診療ガイドライン」が公表された。しかし、本邦におけるEGIDsの実態は十分に明らかになっていない。本シンポジウムでは、EGIDsの診断、治療、栄養管理などの臨床面だけでなく、病態に関する研究内容を含めて演題募集し、EGIDsの現状と今後の課題について広く議論したい。
司会 石原 俊治 島根大学内科学講座第二
藤原 靖弘 大阪公立大学消化器内科学

シンポジウム11
胆膵領域におけるIgG4関連疾患診療の進歩と課題

司会の言葉
自己免疫性膵炎の提唱から20年以上が経過し、本疾患は膵臓のみならず全身疾患としての概念が確立されてきた。このうち自己免疫性膵炎とIgG4関連硬化性胆管炎は,それぞれ診断基準が策定され,罹患患者数も増加傾向にある。疾患概念の普及に伴い,それぞれの臨床像も明らかになってきたが,各種画像診断や生検診断を駆使しても,いまだに悪性疾患との鑑別診断に苦慮するケースも多い。さらに,IgG4関連疾患にはステロイドが奏功するが,ステロイドを投与せずに自然寛解する症例から,ステロイド治療後に再燃を繰り返す症例や発癌する症例まで,その臨床経過はさまざまである。また,胆管狭窄例ではステント治療も含め,治療法においていまだ未解決の課題も多い。本シンポジウムでは、胆膵領域におけるIgG4関連消化器疾患の診断と治療,その長期経過から新たな知見と課題についてご発表いただき、さらなる診療の進歩につながるような議論をしたい。
司会 植木 敏晴 福岡大学筑紫病院消化器内科
良沢 昭銘 埼玉医科大学国際医療センター 消化器内科

シンポジウム12
肝線維化研究の最前線と治療への展開

司会の言葉
肝線維化進展は原因に関わらずあらゆる慢性肝疾患で生じ、肝硬変さらには肝不全や肝癌の高発生リスクとなる。近年肝線維化の研究は目覚ましい発展を遂げており、シグナル伝達や細胞動態も明らかになりつつある。一方で、未だ臨床で認可された抗肝線維化薬はなく、更なる病態解明と新規治療法開発が求められている。肝線維化進展は星細胞を中心とした線維化に関わる細胞応答のみならず、肝微小環境や遺伝子・エピジェネティック・免疫・腸内細菌・老化・性差・肥満・アルコール・糖尿病を始めとした各種合併症などの複合因子が複雑に絡みあった結果として進展することが明らかにされている。本シンポジウムでは、多方面からの病態解析・再生医療を含めた各種治療法の進歩と共に、新治療法開発に欠かせない各種非侵襲的診断法や新規マーカーなど基礎・臨床両面から多くの演題を頂き、肝線維化研究の最前線と新規治療への展開について討論したい。
司会 河田 則文 大阪公立大学肝胆膵病態内科学
吉治 仁志 奈良県立医科大学消化器代謝内科

シンポジウム13
NASH病態研究、創薬研究の最前線

司会の言葉
NASHは現時点で保険適用となっている薬剤がなく、その病態理解に基づく新たな治療法開発が急務である。NASHの病態進展機序として、生活習慣や肥満・インスリン抵抗性を基盤とした脂肪肝に、過剰な脂質による脂肪毒性、酸化ストレスや小胞体ストレス、遺伝性素因、免疫調節異常、腸内細菌叢変化などの多因子が同時並行的に病態を悪化させていく、“多重並行ヒット仮説”が広く受け入れられている。しかし、これらの因子の重みが個人によって異なり、さらに互いに複雑に絡み合って病態を進展させていくことが、その理解や治療法開発を難しくしている。加えて、初期の脂肪肝と進行したburned-out NASHの脂質代謝動態の変化など、病期による病態の違いも薬剤開発の大きな課題である。そこで本セッションでは、NASHの病態理解や治療法開発に関する最新の知見を基礎・臨床両面から幅広く募り、今後の診療への展開を見据えた議論を行いたい。
司会 池嶋 健一 順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学
中川 勇人 三重大学大学院医学系研究科消化器内科学

シンポジウム14
進行肝癌の治療戦略

司会の言葉
進行肝細胞癌の治癒も夢ではない時代が到来しつつある。進行肝癌は主として切除不能肝癌であり、主に使用される治療法は、免疫チェックポイント阻害薬を含む6種類のレジメンによる薬物療法である。しかしながら、癌の特性、その多様性がゆえに、薬剤不応は、究極的にはほとんどの症例で見られる。より、長い生存を得るために、あるいは、治癒の可能性を得るためには、どのような進行肝癌に、どのような治療法(薬物療法、TACE, 動注療法、重粒子線を含む放射線療法など)あるいは、どの分子標的治療薬剤をどの順序で選択すべきかなどを議論してもらいたい。進行肝細胞癌症例において、集学的治療法によりCancer freeに導けた具体症例を提示しつつ、進行肝癌の治療戦略を議論してもよい。既存の治療法のみならず、近未来において利用されるかも知れない新たな治療法の議論も期待したい。内科のみならず、外科からの公募も歓迎する。
司会 加藤 直也 千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
正木 勉 香川大学消化器・神経内科

パネルディスカッション

パネルディスカッション1
高齢者消化管腫瘍に対する内視鏡治療の現状と予後

司会の言葉
高齢者(65歳以上)が消化管がん患者の75%以上を占める本邦においては、対策型胃がん・大腸がん検診に年齢の上限は設けられていない。しかし、欧米では有効性評価に基づき大腸がん検診に年齢の上限が設けられ、高齢者では大腸内視鏡受診や大腸腫瘍切除の機会も制限される傾向にある。高齢者のうち、前期高齢者(65歳~74歳)では非高齢者と区別なく内視鏡治療が行われることが多いが、後期高齢者(75歳以上)、特に超高齢者(90歳以上)では、暦年齢のみならず生物学的年齢も考慮しながら、各施設の基準で内視鏡治療(内視鏡的切除・焼灼、PDTなど)の適応や内視鏡による非治癒切除後の追加外科切除・放射線照射などの適応が決定されているものと思われる。本主題では、高齢者における内視鏡治療の短期および長期治療成績(できれば5年以上の予後)についてお示しいただき、人生100年時代と言われるようになった時代背景に合わせた高齢者消化管腫瘍に対する内視鏡治療の位置づけ、後期高齢者、特に超高齢者に対する妥当性を含めて問題点についても議論を深めたい。多数の応募を期待する。
司会 藤城 光弘 東京大学消化器内科
山口 直之 長崎大学消化器内科(光学医療診療部)

パネルディスカッション2
高齢者消化器外科治療の現状と予後

司会の言葉
『人生100年時代』と呼ばれる超高齢化社会を迎え、消化器外科治療も大きく変化すべきときである。少子化と生産年齢人口の減少に伴い、高齢者の社会参加を支持するべく外科治療の重要性は、今後ますます増していくと思われる。一方で、積極的な治療介入がかえってQOL低下を招来することも高齢者医療の課題である。術前評価をどうするか、腹腔鏡やロボット手術のいわゆる低侵襲手術により適応は拡大されるのか、進行癌に対する根治切除はどこまで許容されるのか、また化学放射線療法の発展もあり、従来は高齢ということで控えられていた術前後の補助療法についても適応やレジメンを再考すべきか、さらに栄養療法やリハビリテーション、介護支援をどう工夫するかなど、検討すべき課題は多い。本セッションでは、各施設の高齢者消化器外科治療の現状と予後について提示いただき、今後のあり方について議論したい。
司会 七島 篤志 宮崎大学外科学講座肝胆膵外科学分野
高槻 光寿 琉球大学消化器・腫瘍外科

パネルディスカッション3
消化器疾患に対するロボット支援下手術のエビデンスと今後の展望

司会の言葉
本邦における消化器癌に対するロボット支援下手術は、2018年胃癌・直腸癌への保険収載を皮切りに2020年に食道癌・膵癌、2022年に結腸癌・肝癌と保険収載が進み、今後も手術件数は更に増加していくと思われる.更に2022年の改定で胃癌は臨床試験に基づく明確なエビデンスが示されたとのことでロボット支援下手術の加算が認められた。その一方でそれ以外の疾患では未だに加算が認められていない状態であり、ロボット支援下手術の優越性を示すエビデンスが求められる。 本パネルディスカッションでは消化器疾患に対するロボット支援下手術に関する経験,成績をご発表いただくとともに,ロボット手術ならではの優越性を示しうるポイントと今後の展望を各領域で提示していただきたい。
司会 中村 雅史 九州大学臨床・腫瘍外科
野中 隆 長崎大学腫瘍外科

パネルディスカッション4
消化器移植医療の現状と課題

司会の言葉
本邦での消化器の臓器移植としては肝移植、膵移植、小腸移植が施行されている。 世界と比べてもその成績は良好であるが、さらなる成績の向上のため短期的な問題点、長期成績の向上のための課題を明らかにすることが本パネルディスカッションの目的である。 免疫学的問題点、免疫抑制の工夫、血管(脈管)合併症、薬物療法、あるいは長期的には原疾患再発、de novo発癌など、各消化器臓器移植について自施設成績、経験、多施設での共同研究の結果も歓迎する。各種臓器移植固有の問題点、解決策を述べて頂いてもよい。 さらには保険適応となった膵島移植や肝細胞移植など細胞移植についての演題も募集する。 患者さんのWell-beingのために各施設での経験を持ち寄り、未来に向けての提言ができるような機会となれば幸いである。
司会 大段 秀樹 広島大学消化器・移植外科学
江口 晋 長崎大学大学院移植・消化器外科

パネルディスカッション5
食道胃接合部癌の治療戦略

司会の言葉
わが国において近年増加傾向にある食道胃接合部癌は、解剖学的特性による内視鏡観察や超音波内視鏡診断の困難性という診断的課題を有する。また治療面では、ESD困難部位の一つである事、および胸腹二方向へのリンパ流の分水嶺に位置することから、内視鏡治療、手術、集学的治療それぞれにおいて胃癌や食道癌とは異なる治療戦略が求められる。食道胃接合部癌の診断・治療に関する各施設の最新の取り組みと成績を示していただき、治療成績向上のためにどのような治療戦略やブレイクスルーが求められるか、内科、外科双方からの横断的な議論を期待したい。
司会 小山 恒男 佐久医療センター内視鏡内科
竹内 裕也 浜松医科大学外科学第二講座

パネルディスカッション6
十二指腸非乳頭部腫瘍の内視鏡治療

司会の言葉
十二指腸腫瘍は近年その発見頻度が増加しているものの、絶対数が少なく経験も限られているため、未だに治療法が確立されていないのが現状である。また十二指腸ではスコープの操作性が悪い上に壁も薄いため治療の難易度が高く、さらに胆汁や膵液の存在により偶発症のリスクも高くなることが大きな問題点である。しかし通常のEMRに加え、CFPやCSP、Under Water EMR等が登場し、小型の病変をより安全かつ確実に切除する工夫がなされている。一方、大型の病変に関しては、超ハイリスクと言われるESDも様々な工夫により安全に実施できる様になり、完全切除後に切除創を様々な手段で縫縮する方法が報告されている。これに加えて、十二指腸LECSも先進施設を中心に実施されており、侵襲の大きい手術を回避する努力がなされている。本セッションではこれらの治療成績を基に、十二指腸腫瘍に対する内視鏡治療の今後の方向性を議論したい。
司会 道田 知樹 大阪国際がんセンター消化管内科
矢作 直久 慶應義塾大学腫瘍センター

パネルディスカッション7
抗血栓薬内服者に対する消化器内視鏡診療のマネジメント

司会の言葉
消化器内視鏡は「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン」および「直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017」が作成され、消化管出血リスクから休薬に伴う血栓・塞栓症リスクに重点を置いた診療にシフトしてきている。その後も、内視鏡診療の高度化・複雑化とともに新規抗血栓薬の登場や多剤併用などで、ガイドラインではカバーしきれない部分も明らかになってきた。とりわけ、高齢化社会においては予定検査や治療以外でも、潰瘍や憩室出血などの緊急を要する場合や抗血栓薬休薬が困難な場合など、臨床対応に苦慮する症例にもしばしば遭遇する。本セッションでは、臨床現場で苦労した経験や新たなエビデンスなど、内視鏡治療に限らず検査や緊急内視鏡など抗血栓薬服用者に対するマネジメントに関する演題を幅広く募集したい。
司会 春日井 邦夫 愛知医科大学消化管内科
後藤田 卓志 日本大学病院消化器内科

パネルディスカッション8
高齢者炎症性腸疾患における治療選択とリスクマネージメント

司会の言葉
炎症性腸疾患(IBD)の病態解明に伴い、免疫統御療法を中心としたIBDの内科治療は飛躍的に進歩した。一方、本邦IBD患者では長期経過例や高齢発症例が近年増加しており、高齢IBD患者を診療する機会が増えてきた。高齢IBD患者では種々の併存疾患や臓器予備能の低下、COVID-19を含めた感染症のリスクなどへの配慮がより重要となってくることから、免疫統御療法を中心とした薬剤選択や外科治療選択において適切なリスクマネージメントが必要となる。一方、慎重なリスクマネージメントを行なっていても、思わぬ合併症や予後不良な転帰に遭遇する場合もある。本セッションでは、高齢者IBD診療における治療選択やリスクマネージメントに関する各施設の工夫や注意点、COVID-19感染拡大の影響、あるいは注意喚起となるような合併症の経験などをご発表いただき、より適切な高齢者IBD診療体制構築に向けて討論する場としたい。
司会 安藤 朗 滋賀医科大学消化器内科
江﨑 幹宏 佐賀大学医学部内科学講座消化器内科

パネルディスカッション9
Cold polypectomyの現状と課題

司会の言葉
大腸癌の死亡数、罹患数とも未だに上昇傾向にある本邦において、大腸腫瘍性病変に対する早期診断治療は重要なテーマであり、内視鏡診療のもつ役割は大きいと考える。近年は10mm未満の大腸腺腫性病変に対して非通電により切除するCold polypectomyが広く行われるようになっている。その理由として抗血栓薬服薬者も含め後出血率や穿孔のリスクが低いことが挙げられる。さらに手技的にも容易であり、クリニックレベルでも実施が可能である側面も追い風となっており、各学会のガイドラインにも収載されている。 しかし一方で、非適応病変への実施、切除検体の挫滅、病理診断における断端評価の困難さ、遺残のリスクなどの課題も指摘されている。 本セッションでは治療法として本来の目的や歴史的経緯を踏まえた上で、real worldでのCold polypectomyの実態と課題について様々な立場から議論し、明確にしたいと考える。
司会 山野 泰穂 札幌医科大学消化器内科学講座
豊永 高史 神戸大学光学医療診療部

パネルディスカッション10
高齢者膵管内乳頭粘液性腫瘍のマネジメント

司会の言葉
IPMN診療においては、悪性度評価、手術適応、切除範囲と術式決定、併存膵癌の有無の評価が重要であるが、75歳以上の後期高齢者に好発するためマネジメントに苦慮することがある。IPMN国際診療ガイドラインによる悪性度評価では、切除しても病理診断が必ずしも高度異形や浸潤癌でない場合があり、高齢者に対するより慎重な手術適応の再考が必要である。また、外科切除を実施する場合、根治性と安全性を両立させた切除範囲の決定と術式選択が重要であるが、断端陽性の場合の対処や膵全摘の適応については議論あるところである。経過観察については、年齢・基礎疾患の有無を考慮して、その適否あるいは方法が選択される。特に、比較的侵襲度が高いERCP、EUS、造影CTなどを用いた精査・経過観察法、経過観察終了時期についても検討すべき課題がある。本セッションでは、後期高齢者IPMNに対する適切なマネジメント法を探ってみたい。
司会 海野 倫明 東北大学消化器外科学
北野 雅之 和歌山県立医科大学第二内科

パネルディスカッション11
膵癌早期診断の最前線

司会の言葉
罹患数が増加傾向にありながら依然予後不良な膵癌の予後改善に向けて、早期診断法開発は重要な課題である。しかし検診ベースの診断法開発は疾患頻度と費用対効果、画像診断能の問題から現実的ではないと思われる。一方、慢性膵炎やIPMN、糖尿病、膵癌家族歴などの高危険群に対するスクリーニング、簡便な腹部超音波検査で膵嚢胞や膵管拡張などの間接所見の拾い上げ、リキッドバイオプシーによるマーカー探索等から精密検査へつなげる取り組みの成果が報告されるようになってきた。最近では膵癌早期診断の重要な間接所見として限局性の膵実質萎縮が注目され、また腫瘤影のない病変に対する経鼻膵管チューブ留置/連続膵液細胞診の有用性も報告されている。本パネルディスカッションでは各施設での取り組みを基に、膵癌早期診断に関する現状と今後の課題について議論していただきたい。
司会 正宗 淳 東北大学消化器病態学
大塚 隆生 鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科

パネルディスカッション12
Interventional EUSの現状と将来展望

司会の言葉
近年,interventional EUSは急速に発展している手技であり,注目されている.診断では穿刺吸引細胞診や組織診に始まり,遺伝子診断や抗癌剤感受性試験,などが試みられている.治療では膵仮性囊胞ドレナージ術,胆道・膵管ドレナージ術,腹腔神経叢・神経節融解術,膵・膵周囲液体貯留ドレナージ術,腫瘍局注療法,経EUS下吻合部治療,などが行われている.なかでも,治療手技はさらなる展開が期待されているが,高難度手技である点,処置具を含めて標準化されているとは言えない点,専用処置具も少ない点などから,偶発症対策といかに技術を普及させていくかといった教育面が今後の課題である.本パネルディスカッションでは各施設で行われている臨床成績をご発表していただくとともに,それらに基づく手技の工夫,改良や新たな試みについてもご発表していただきたい.そして,現状におけるコンセンサスを得たいと考えている.多数の演題の応募を期待している.
司会 糸井 隆夫 東京医科大学消化器内科
河上 洋 宮崎大学消化器内科学

パネルディスカッション13
C型非代償性肝硬変のDAA治療: 現状と課題

司会の言葉
C型肝炎のDAA治療は非代償性症例も適応となり,ほぼ全例でSVRを達成できるようになった。しかし,SVR後に肝予備能の改善が見られない症例や,門脈圧亢進症関連イベントが増悪する症例が存在する。また,SVR後の肝発癌に関しても,代償性症例と差異が明らかでない。特に,肝不全の高度進行例では,治療の安全性とともに,SVRが予後向上に繋がるかどうかも明確にすべきである。さらに,肝移植症例におけるDAA治療の在り方についてもコンセンサスを得る必要がある。本パネルディスカッションではC型非代償性肝硬変におけるDAA治療の現状を整理し,これらの問題を解決する端緒を得ることを目指す。Point of no returnの存在から,SVR後の症例をどのように管理するのか,その際の病診連携はどうあるべきかまで,幅広く討論したい。
司会 持田 智 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
日浅 陽一 愛媛大学消化器・内分泌・代謝内科学

パネルディスカッション14
脂肪性肝疾患診療の現状と展望

     
司会の言葉
脂肪性肝疾患は,肝硬変や肝がん,心血管疾患や消化器がんの発症に関わる.そのため,脂肪性肝疾患の重要性は広く認知されてきているが,未解決の問題点も多い.脂肪肝の成因は,過食や活動量の低下に加え,飲酒,サルコペニア,腸内細菌叢,微量元素など多岐に渡る.また, Lean-NAFLDや代謝異常を合併するMAFLDなどの新概念も提唱されているが,これらの実態や新概念の意義は未だ明らかでない.さらに,令和4年度診療報酬改定にて保険収載された肝脂肪化定量や肝エラストグラフィの肝外イベント発症予測における有用性も不明である.加えて,糖尿病・高中性脂肪血症・高血圧症・高度肥満などの併存症に対する内科・外科的治療が脂肪性肝疾患におよぼす影響も未だ明らかでない.本シンポジウムでは,脂肪性肝疾患診療の現状について最新の知見を含めて発表頂きたい.その上で,問題点を共有するとともに,今後の展望について議論したい.
司会 上野 義之 山形大学内科学第二講座
川口 巧 久留米大学医学部内科学講座科学 消化器内科部門

ワークショップ

ワークショップ1
消化器疾患の遠隔医療の現状と課題

司会の言葉
遠隔医療とは通信技術を活用した健康増進、医療、介護に資する行為で、2000年代後半以降、通信技術や機器類の発達と共に急速に発展しつつある。遠隔医療は専門医師が他の医師の診療を支援する Doctor to Doctor(D to D)と医師が遠隔地の患者を診療するDoctor to Patient(D to P (with D))に大別され、遠隔医療を必要とする地域の特性等を勘案しながら、運営体制とインフラを整える必要がある。また、令和元年改訂の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、手術を行う現場に医師がいる場合の遠隔手術が新たに追加されたことから、遠隔手術を実際に行うためのガイドラインも作成されている。しかし、新規医療技術である遠隔医療には超低遅延画像転送システムの構築や新たな倫理的問題に加えて、医師法との関係、責任の所在などガイドライン等では解決できない課題も残されている。本ワークショップでは消化器疾患に対する遠隔医療の取り組み、現状について広く演題を募集し、遠隔医療の課題を明らかにすると共にその解決に向けた方策について議論を深めたい。
司会 井戸 章雄 鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学
竹政 伊知朗 札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科

ワークショップ2
消化器診療とliquid biopsy

司会の言葉
Liquid biopsyは血液中に循環している腫瘍のがん細胞や、血液中に存在する腫瘍細胞のDNAを調べるために、血液や体液を採取して行う検査である。一方で、細胞外小胞をターゲットした検査法の開発も進んでいる。これらの検査方法は、組織採取を必要としないことから、患者にとって低侵襲の検査として期待されてきたが、近年、様々な技術革新により実臨床において応用可能となっている。循環がん細胞やがん細胞由来のDNAを解析することによりLiquid biopsyはがんの早期診断はもちろん、病勢の把握、あるいは治療法の選択などがんのprecision medicineの重要な鍵となりつつある。本ワークショップでは消化器診療における現行のliquid biopsy、細胞外小胞を用いた検査法の現状や問題点、さらには今後開発される診断方法に基づいた新しい治療体系などを幅広く討議し、次世代診断方法の可能性と それによってもたらされるパラダイムシフトを予見できるセッションとしたい。意欲的な演題の応募を望みます。
司会 調 憲 群馬大学肝胆膵外科学
寺井 崇二 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野

ワークショップ3
臨床応用を目指した消化器領域の再生医療研究

司会の言葉
疾病によって失われた臓器機能の回復や、難治性疾患の治療を可能とする再生医療はまさに次世代の医療であり患者さんや医療者からの期待も大きい。しかしiPS細胞の開発以来、急速に発展すると思われた再生医療であるが、現状において特に消化器領域で実際に臨床の場で使用できる段階に至ったものはまだ少ない。 一方で、組織臓器再生のメカニズムとして、iPS細胞や幹細胞などの細胞ソースだけでなく、オルガノイド培養、サイトカイン担体としての細胞移植やエクソソームなど、多様な方法論が開発され、着実な進歩を遂げつつある。 このワークショップでは、これら様々な手法を用いた消化器領域における組織臓器の再生とその実用化に向けた今後の展望と克服すべき課題についてご発表いただき、次世代の医療である再生医療開発の現状を近代医学発祥の地である長崎から俯瞰し、今後日本から世界に向けた再生医療の展開について議論したい。
司会 金高 賢悟 長崎大学消化器再生医療学
高見 太郎 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学

ワークショップ4
アルコールと消化器疾患、現状と課題

司会の言葉
我が国全体のアルコール消費量は減少傾向にあるが,多量飲酒者の割合は男女とも改善しておらず,アルコール性消化器疾患の罹患数は増加傾向にあるとされる.主に上部小腸で吸収されたアルコールの直接作用ならびに代謝産物であるアセトアルデヒドが,酸化ストレスやサイトカイン,エンドトキシン等を介して様々な消化器系臓器障害を引き起こし,更には発癌にも大きく関与する.また,性差や遺伝子異常もアルコール性臓器障害に関係している.その治療についても様々な観点から検討されており,薬剤のみならず生活指導の重要性も再認識されている.本ワークショップでは,アルコール性消化器疾患について,臓器障害の病態,各種疾患の診断と治療,生活指導等に関する最新の知見を共有・討議したいと考えている.多くの基礎的・臨床的研究成果の応募を期待している.
司会 伊藤 義人 京都府立医科大学消化器内科学
入澤 篤志 獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座

ワークショップ5
消化器がんのコンバージョン治療戦略

司会の言葉
近年、消化器がんに対する非外科的治療の著しい進歩により、外科治療も含めた集学的治療を駆使した消化器がんの治療成績は向上しつつある。また初診時には、切除不能進行消化器がんと判定された場合でも化学療法、分子標的治療、放射線治療などを駆使して切除可能となる症例も散見される。さらに、近年では免疫チェックポイント阻害薬が進行消化器がん治療に導入されるようになり、切除不能進行消化器がんに対する導入治療が奏効した場合のコンバージョン手術の適応やタイミング、さらには術後補助療法のあり方など多様な治療戦略の策定が求められている。また、一方では手術を回避できる症例の選択や、その経過観察においては様々な新しい診断方法が検討されている。本ワークショップでは各種臓器・領域における今後のコンバージョン治療戦略の展開につき最新のデータを交えて議論していただきたい。
司会 島田 光生 徳島大学消化器・移植外科
北川 雄光 慶應義塾大学外科

ワークショップ6
免疫チェックポイント阻害剤による消化器系臓器障害

司会の言葉
免疫チェックポイント阻害薬は、既存の悪性腫瘍治療薬と異なる作用機序の薬剤であるが、標準治療薬として投与することにより免疫関連有害事象(immune-related adverse events:irAE)に遭遇する機会も増えている。消化器領域では大腸炎などの消化管障害や肝機能障害を認め、有害事象共通用語規準CTCAE (Common Terminology Criteria for Adverse Events) Grade 2以上ではステロイドが必要となる。ステロイド抵抗性の大腸炎ではインフリキシマブなど抗TNF-α抗体の投与も推奨されるが、その対応にはがん専門医のみでなく、他科医師・メディカルスタッフなど病院全体での対策・連携が求められる。そこで本ワークショップでは、各施設の消化器領域に関わるirAEの発生状況、治療法や成績、発症予防や発症後の取り組みなどについて発表頂き、癌免疫療法の将来像を考えたい。
司会 原田 大 産業医科大学第3内科学
猿田 雅之 東京慈恵会医科大学内科学講座 消化器・肝臓内科

ワークショップ7
食道運動障害の最前線

司会の言葉
high-resolution manometry (HRM)、食道インピーダンスpHモニタリングの普及により食道運動障害を詳細に評価することができるようになりexcessive supra-gastric belchingなど新たな病態が注目されている。治療ではper-oral endoscopic myotomy (POEM)が普及しているが、鏡視下手術における様々な工夫がなされ、食道運動障害の治療法は確実に進歩している。一方、強皮症など全身疾患や神経変性疾患に伴う難治病態や小児発症例への対応など克服すべき課題も少なくない。本ワークショップでは、食道運動障害の診断・病態・治療に関する最新の知見、分子生物学的或いは細胞生理学的基礎研究、筋層生検を用いた病態解明や病因に関するトランスレーショナルリサーチの成果などもご応募いただき、多様で活発な議論ができるワークショップとしたい。
司会 永原 章仁 順天堂大学消化器内科学
磯本 一 鳥取大学消化器腎臓内科学

ワークショップ8
難治性消化管疾患の病態解明と治療展開

司会の言葉
難治性消化器疾患には、炎症性腸疾患、chronic enteropathy associated with SLCO2A1 gene、好酸球性消化管疾患、慢性特発性偽性腸閉塞症、クロンカイト・カナダ症候群などが挙げられる。しかしながら、これら疾患の根本的な発症原因は依然として明らかになっていない。各疾患の病態を解明するためには、詳細な臨床データに加えて、検体を用いたゲノム・エピゲノム・マイクロバイオーム・トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボロームなどの解析が必要である。さらに治療展開を考えた場合、「ヒト病態に類似した」疾患モデルを用いた薬効評価が重要となる。今回のワークショップでは、さまざまな難治性消化管疾患の病態解明と新規治療につながる臨床・基礎研究の発表の場としたい。難治性を克服するため、疾患の本質に迫るチャレンジングな演題を期待する。
司会 松本 主之 岩手医科大学消化器内科学
仲瀬 裕志 札幌医科大学医学部消化器内科学

ワークショップ9
大腸鋸歯状病変の病態と診断・治療

司会の言葉
鋸歯状病変に関して、本邦でも以前からlarge hyperplastic polypという概念がありserrated polyposisも癌化高リスクと認識されていた。SSLは、欧米では右半結腸のpost-colonoscopy CRC (PCCRC)のメインルートと認識されているがdysplasia併存率は高くない。JPSの結果からは、PCCRCのメインルートはLST-NGでSSLの関与は低いと推定される。現在の大腸癌取扱い規約とWHO分類で定義が異なることも問題である。近年CSPも普及し、1 cm未満のSSLでも切除する施設も多い。1 cm以上ではEMR、CSPなど様々な手技が適用されているが、2 cm以上でdysplasiaを疑えばESDも適応される。また、SuSAなど新しい概念も提唱されている。本ワークショップでは大腸鋸歯状病変の病態から診断・治療まで幅広い演題を募集する。
司会 田中 信治 広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学
斎藤 豊 国立がん研究センター中央病院 内視鏡科

ワークショップ10
胆膵がん治療の最前線

司会の言葉
膵癌・胆道癌は現在においても最も予後不良な癌種であり、さらなる治療の開発が急務となっている。切除可能例に対する術前化学療法および切除不能例に対する多剤併用療法や集学的治療の導入は、患者の予後を確実に延長させている。また、Conversion surgery や2次治療/3次治療が現実的な選択肢となり、新規治療の開発がさまざまな患者を対象として展開されるようになった。また、ゲノム検査などのバイオマーカー解析結果に基づく分子標的治療や新しいメカニズムを有する薬剤や免疫療法の開発も精力的に続けられ、そのうちのいくつかはすでに大規模臨床試験において有用性が示され、臨床導入が進められている。本セッションではこれらの最新治療の成績や有望な研究結果を報告していただき、本領域における今後の展望についてご議論いただきたい。
司会 竹山 宜典 近畿大学外科
奥坂 拓志 国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科

ワークショップ11
膵神経内分泌腫瘍診療の進歩

司会の言葉
近年、膵神経内分泌腫瘍(panNEN)の診療と基礎研究は格段に進歩している。薬物療法においてはSSA製剤、分子標的薬、細胞障害性治療薬に加えPRRT治療が行えるようになり大きなブレイクスルーがおきている。また、使用可能な薬剤が増えたことに伴い、切除可能な遠隔転移を伴うpanNENに対する手術、切除不能なpanNENに対するconversion surgery、術前/術後補助療法などの集学的治療、10mm以下のpanNETなどの経験は増えたものの依然として科学的根拠は確立していない。基礎研究においては、オミックス解析、PDOなど、本邦から多くのエビデンスが発信され、新しい薬物療法の開発や診療方針を決定するバイオマーカーの創設に貢献している。本セッションでは各施設における治療経験や基礎研究の成果をご発表いただき、今後のpanNEN治療の発展につながるようにしたい。
司会 工藤 篤 東京医科歯科大学肝胆膵外科
肱岡 範 国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科

ワークショップ12
B型肝炎治療の新たな展開

司会の言葉
B型慢性肝炎・肝硬変患者における治療目標は、HBVの複製抑制により肝炎を沈静化し、肝がんの発症を抑止することである。このためには、HBs抗原の陰性化を達成する必要があるが、現在の標準治療ではHBs抗原の陰性化率は十分ではない。副作用が少なく、高率にHBs抗原の陰性化を達成できる新規治療薬の開発が望まれている。HBV生活環の解明が進み、HBVの感染・複製・粒子放出過程の様々なステップを標的とした治療薬が開発されている。また、免疫系を活性化する免疫作動薬やワクチンの開発も精力的に行われている。核酸アナログ、PEG-IFNαとの併用の治験成績等が報告されており、一部の薬剤ではHBs抗原減少効果を認めている。 本ワークショップでは、現在の標準治療による治療成績を総括し、新規治療法の開発に繋がる基礎的、臨床的な研究をご発表いただきたい。B型肝炎の「完全克服」を見据えた意欲的な発表を期待する。
司会 八橋 弘 国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター肝胆膵内科
考藤 達哉 国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター

ワークショップ13
門脈圧亢進症とその合併症に対する新たな治療戦略(門脈血栓症含む)

司会の言葉
本邦における門脈圧亢進症の定義は,消化管から肝臓へ至る門脈の圧が200mmH₂O(14.7mmHg)以上に上昇した疾患群とされ,引き起こされる病態は消化管静脈瘤,腹水,肝性脳症,脾腫に伴う血小板減少症,門脈圧亢進症性肺高血圧症,そして肝臓由来の凝固・抗凝固のインバランスによる門脈血栓症など全身に及んでいる。従って本疾患の治療には,肝臓専門医はもとより消化器科医全体による門脈血行動態を把握した上での創意工夫が必要である。また最近注目されているのは, NASH由来やアルコール性肝疾患由来の門脈亢進症性疾患である。応募していただく演題は,斬新な視点に基づいた治療法であれば,症例数の過少は問わず基礎から臨床まで幅広く採用したい。本ワークショップにおいて、“人生100年時代”を見据えた門脈圧亢進症に対する新たな治療法を熱くディスカッションできれば幸いである。
司会 名越 澄子 埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科
日髙 央 北里大学消化器内科

ワークショップ14
肝硬変に伴う肺高血圧症、肝肺症候群の診断と治療

司会の言葉
門脈圧亢進症に伴う肺高血圧症(PoPH)と肝肺症候群は、肝硬変の重要な合併症である。両病態とも労作時息切れを主訴とするが、肺血管抵抗の上昇・低下を例にとっても両者には相違点も多く、病態生理も十分に解明されていない。両病態の診断には、右心カテーテルや肺血流シンチグラフィなど侵襲的な検査も必要であり、簡便なスクリーニング方法の開発が求められている。また両病態ともその予後は不良であり、早期介入・治療が必要であるが、PoPHの薬物療法には課題が多く、肝肺症候群に対する有用な薬物療法はない。本WSでは、各施設におけるPoPHと肝肺症候群の診断・治療に関する課題・取り組み、特にスクリーニング・拾い上げの方法や、肝硬変の様々な合併症・臓器障害との関連性、治療の現状について幅広く発表・議論いただき、PoPH・肝肺症候群合併肝硬変患者の予後やQOLの改善に繫がるbreakthroughをめざしたい。
司会 黒崎 雅之 武蔵野赤十字病院消化器科
清水 雅仁 岐阜大学大学院消化器内科学

ワークショップ15
自己免疫性肝疾患の長期予後

司会の言葉
自己免疫性肝疾患として、ここでは自己免疫性肝炎(AIH)、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)の3疾患を取り上げる。 これらの疾患に対する治療の最大の目標は何といっても患者の長期予後の改善である。AIH、PBCについての生命予後は比較的良好であるが、PSCについては未だ十分な成績が得られていない。また生命予後が良好であっても、薬剤の長期服用や副作用、併存症などのため生活の質(QOL)に問題がある症例も少なくない。本ワークショップでは、3疾患の生命予後やQOLの維持、肝移植後の長期成績、長期予後予測の手法、併存症の影響など、自己免疫性肝疾患の長期予後に関わる多くの問題を取り上げ、議論したい。全国レベルの大規模レジストリを用いた解析だけではなく、単~複数施設の比較的少数例による検討も歓迎する。多数の意欲的な研究を期待している。
司会 大平 弘正 福島県立医科大学消化器内科
田中 篤 帝京大学内科学講座