第12回小児脳死判定セミナー
－被虐待児の除外に関する最新知見のアップデート

2010年７月改正臓器移植法の施行に伴い、家族の承諾により小児患者からの脳死下臓器提供が可能となったことを受け、脳死問題検討委員会は、2011年第25回学術集会（会長岩中督先生）において、第一回「小児救急における脳死患者の対応セミナー」を開催し、本年でセミナーの開催も12回目を迎えます。これまで770名の医療従事者の方々に受講して頂き、多くの著名な講師の先生方によるご指導を頂きながら、「子どもの脳死判定」に特化した教育機会として国内外からも高い評価を頂いております。

当セミナーは、①本邦における小児患者からの脳死下臓器提供が先進諸国の実数に遠く及ばない現状であることを受け、体制整備に資する内容とすること、②検討されるべき課題に対して等しく目を向け「脳死について正しく学びたい」という小児救急医療の現場からのニーズに応えること、を方針とした独自の教育機会を目指してきました。

例年、対面型セミナー形式にて、小児シミュレータを用いた脳死判定の実技演習やグループ症例検討など行ってきましたが、COVID-19感染症拡大への懸念を考慮して、本年度も「完全WEB形式」を選択しました。一方、WEB形式の利点として「参加しやすさ」があると思います。この点を生かし、学会参加登録された方は無料、さらにセミナー開催時間中の自由なサインイン・アウトを可能にしました。

さらに、講義に用いられる動画は、日本臓器移植ネットワーク(JOTNW)教育研修部会が監修・作成したeラーニングシステム「J-ELS：JOT Education＆Learning System」のコンテンツを配信します。最後までご参加頂いた方には受講終了証と共に、J-ELSへのアクセスに関するご紹介をいたしますので、繰り返しの視聴も可能となります。

今年は、受講者からの問い合わせが過去最も多かった「被虐待児の除外に関する考え方」をメインテーマに致しました。また、2021年度末に行った日本小児救急医学会会員の「被虐待児からの臓器移植に関する意識」に関する調査結果もこの時間初めて公表します。

「小児脳死下臓器提供を行うに当たり、どのように被虐待児の除外を行えばいいのか」
その疑問に対して、いま国の政策はどのような方向性を以て進んでいるのか、学会の調査結果から、被虐待児からの臓器移植に関する意識はどのように変化しているのか、お知りになりたい方は是非セミナーにご参加ください。また、小児の法的脳死判定を行う上で注意すべきことについて、概要を学びたい方にはJ-ELSは参考となる資料になるでしょう。

7月29日金曜日夕方、PC・タブレット・携帯など端末から、数時間のアクセスで最新の知識を得ることが出来るこの機会を、どうぞご活用ください。

1. ご挨拶　厚生労働省移植医療対策室
2. 小児の臓器提供の現状　JOTNWあっせん事業部
3. 被虐待児除外の新しい考え方について―ガイドライン改正と学会員への意識調査結果よりー
4. J-ELSを用いたeラーニング（ビデオコンテンツ）
   ① 虐待の確認に関する委員会等
   ② 小児（6歳未満）脳死判定の事前準備
   ③ 小児の法的脳死判定：脳幹反射・無呼吸テスト・脳波測定
5. 質疑応答・まとめ
6. ポストテスト

日本小児救急医学会脳死問題検討委員会　小児脳死判定セミナー受講証を発行致します。

また、日本臓器移植ネットワーク院内体制整備支援事業などの情報をご希望の方はhttps://www.jotnw.or.jp/にアクセスしてください。