第35回日本小児救急医学会学術集会第35回日本小児救急医学会学術集会

ご挨拶

第35回日本小児救急医学会学術集会
会長 松裏裕行
(東邦大学医療センター大森病院小児科)

 2022年度の本学会学術集会・総会の会長に指名いただき、大変な名誉に感激するとともに、重責に押し潰されるような思いでおります。幸いなことに本学会は「小児科医・小児外科医・麻酔科医、集中治療医のみならず関連各科、地域医療の担い手である医師・看護師・救急救命士の集う学際的学会」(学会HPより抜粋)ですので、当学会理事であり小児看護学会のリーダー的存在のお一人である白石裕子先生に副会長をお願いすることにいたしました。1987年の第1回(日本小児救急医学研究会:当時)以来、初めてとなる会長―副会長体制でこの大役を無事果たしたいと意気込んでおります。

 さて2020年初頭から新型コロナウイルス感染が猛威を振るっていますが、小児診療に於いてもRSVなど感染症流行パターンの激変、MIS-Cと川崎病の関係に対する懸念、受診患者の激減に伴う小児病棟の縮小/閉鎖、開業小児科医の苦境など急速に変化する情勢に翻弄されたと言っても過言ではありません。SARS-Cov2の蔓延はある種の災害と捉えることができますが、大規模な自然災害をめぐる課題も山積みで、小児に限っても在宅医療を受ける小児や発達障害者/児、在宅人工呼吸器・在宅酸素使用者への対応などは殆ど手付かずではないでしょうか。幸いにも、学会を開催させていただく東京都大田区では数年以上前から、医療関係者(医歯薬看)のみならず、大田区役所・消防・警察などを交えた「大田区災害医療協議会(会長:大田区長)」が継続的にこれらの難問解決に向けて努力を続け、東京都の中でも最も進んでいるとされているようです。一方、東京オリンピック開催に向け、感染症蔓延やテロ・事故などによる大量傷病者に備えることを目的とした学術連合体が結成され、対策が協議されてきました(http://2020ac.com/index.html)。その成果は30年以内に発生する可能性が高いとされる南海トラフ地震など大規模災害にも応用される構想だそうです。第35回学術集会・総会開催時にはワクチン接種も普及しCOVID-19騒動も落ち着いていると期待されますが、このような視点で小児救急医療を正面から見据え、小児医療に携わる私達の責務の意義と今後解決すべき課題を正面から再考したいと考えています。詳細はHP上で順次発表させていただきますが、教育講演に政府分科会メンバーの舘田一博先生(日本感染症学会理事長・東邦大学教授)、災害医療の第一人者である森村尚登先生(東京オリパラコンソーシアム委員長・帝京大学医学部教授)にお願いするなど、様々な企画を準備中です。会員の皆様、どうぞご支援ご指導を宜しくお願いいたします。

第35回日本小児救急医学会学術集会
副会長 白石裕子
(東京工科大学医療保健学部看護学科)

 この度、松裏先生のもと、第35回日本小児救急医学会学術集会の副会長を務めさせていただくことになりました。大変光栄なことであると同時に、責任の重さに身が震える思いでおります。
 今回の学術集会のテーマは「今こそ再考する小児救急医療(こどもたちの未来を紡ぐ)」です。COVID-19の影響で、あらゆる場で様々な変容が迫られています。これをよりよい改革につなげる機会と捉え、こどもたちの未来のため、これからの小児救急医療のあり方について考えていきたいと思います。特に多職種連携については、初めて看護職が副会長を務める学会として、今まで以上に議論が深まることを期待しています。
 本学会のメイン会場はJR蒲田駅のすぐ近くです。蒲田は羽根つき餃子で有名ですが、付近には餃子の他にも下町価格のおいしいお店が多数あります。多くの方が蒲田にいらしていただけるよう、関係者一同、準備を進めてまいります。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。