会長挨拶

第77回国立病院総合医学会にむけて


会長 下瀬省二
(国立病院機構 呉医療センター 院長)


副会長 新甲 靖
 (国立病院機構 広島西医療センター 院長)

第77回国立病院総合医学会を2023年10月20日(金)と21日(土)の2日間にわたり、リーガロイヤルホテル広島、広島県立総合体育館、ホテルメルパルク広島にて開催させていただきます。伝統ある本学会を中国四国グループで担当させていただくことを大変光栄に存じます。

大会テーマは「未来へ向かって~日本の医療を支える国立病院機構~」としました。2020年初頭より始まった、新型コロナウイルス感染症の流行によって世界は一変しました。新たな感染症は情報も少なく、人と人との直接の関わりや集団での行動が制限され、どのように対応してよいかわからない状況に陥りました。そのような混乱の中、国立病院機構の各施設は、いち早く新型コロナウイルス感染症の患者の受入れを開始しました。また、わが国最初の新型コロナワクチン導入に中心的な役割を果たし、ワクチン接種の先陣を切りました。さらに、厚生労働省や自治体の要請に対し、多くの職員を派遣することで、日本の医療を支えました。

国立病院機構の病院は、全国的な病院ネットワークを活用しながら、地域の医療機関及び地方公共団体と連携し、急性期医療、救急医療、災害医療を着実に実施するとともに、重症心身障害、神経・筋疾患、筋ジストロフィー、結核、精神科医療など他の設置主体では必ずしも実施されないおそれのある分野(セーフティーネット系)の医療を支えることで、わが国の医療政策の実施や医療水準の向上に貢献し、日本の医療を支えています。

新型コロナウイルス感染症も5月8日には5類となり、集団での活動、経済活動が本格的に再開され、アフターコロナへの道が開かれようとしています。世界で初めて原子爆弾が投下され、廃墟の中から復興を果たした広島の地に集合して、未来へ向かって医療の方向性を語り合えればと考えています。中国四国地方9県に所在する22病院・3療養所からなる中国四国グループの職員約14,400名が一丸となって皆様のご期待に添うべく準備しております。

特別講演として、広島大学の越智光夫学長、PMDAの藤原康弘理事長、スポーツライターの二宮清純氏、教育講演として、慶應義塾大学整形外科の中村雅也教授、大阪大学感染制御学の忽那賢志教授に講演をお願いしています。また、各協議会からのご提案を踏まえ、シンポジウム40、パネルディスカッション5を予定しています。一般演題として、予想を上回る2115題のご応募をいただきました。口演会場として3施設15会場、ポスター会場として県立総合体育館(午前・午後張り替え)で、発表いただくことにしています。全員交流会も企画を考えて準備しておりますので是非ご参加ください。

学会会場は、広島市の中心部に位置しています。世界遺産として、すぐ近くには広島平和記念公園、少し足をのばせば厳島神社(宮島)があります。呉市には大和ミュージアムなどもあり、平和を考える良い機会にもなると思います。多職種の人が一堂に会して語り合えることが、国立病院総合医学会のよいところです。多くの皆さまのご参加をお待ちしております。