抄録
講談看護師「かのう あんばい(加納 塩梅)」です。日本の話芸である落語・講談・浪曲は、大衆演芸として人々の間で楽しまれてきました。講談は喜怒哀楽のすべてを表現し、歴史上の人物のエピソードを語ることが多いのですが、私は看護師として伝えたいテーマをわかりやすくおもしろく楽しめる創作講談として表現し、講談調で語る看護師として活動してきました。その中の一つが「烈女フローレンス・ナイチンゲール」や「日本で最初に看護教育をうけた大関和物語」です。歴史上の人物の実像に迫るだけでなく、今日的なテーマを盛り込みながら語ることで、いつの時代にもある普遍的なテーマを考えることができます。2020年はナイチンゲール生誕200年記念の年でしたが、彼女が残した提言は今日の課題にも光が当たる本質的な進言でした。「烈女フローレンス・ナイチンゲール」といわれる所以のエピソードを盛り込みながら講談仕立てで楽しく語りながら歴史を振り返り、今に通じる看護について考えてみたいと思います。