ご挨拶

当番世話人
神野 浩光
帝京大学医学部外科学講座

この度、2023年10月27日(金)28日(土)の2日間、東京の都市センターホテルにおきまして第25回SNNS (Sentinel Node Navigation Surgery) 研究会を開催させて頂きます。このような貴重な機会を頂きましたことに、名誉代表世話人の愛甲孝先生、代表世話人の井本滋先生、竹内裕也先生をはじめとして、研究会の皆様に心より御礼申し上げます。

その発生から3年以上経過し、なおもその遷延が持続しております新型コロナ感染症(COVID-19)の影響にて多くの研究会や学術集会が中止・延期あるいはweb開催となりました。本研究会におきましても第22回は完全web、第23回は現地とwebのハイブリッド開催となっておりましたが、前回の第24回より再び現地開催となっております。第25回も現地開催を予定しておりますが、COVID-19の状況などにより変更となる可能性もございます。

SNNS研究会はその第1回当番世話人を研究会の創始者であり、私の恩師でもある北島政樹先生が務められております。1999年11月に開催された第1回から四半世紀が経過する節目の年に、第25回SNNS研究会を開催させて頂く事を非常に光栄に存じますとともに身の引き締まる思いで御座います。

乳癌診療におきましては、センチネルリンパ節生検は臨床的腋窩リンパ節転移陰性症例においてはガイドラインで推奨される標準手技となっております。SNNS理論では転移陽性の場合は郭清が原則ですが、薬物療法や放射線治療を活用することで、センチネルリンパ節転移陽性の場合でも郭清省略することが次の標準治療となりつつあります。また、皮膚科領域も悪性黒色腫に対するセンチネルリンパ節生検が標準手技となっております。それ以外の領域におきましても、消化器癌、婦人科癌、頭頚部癌においてSNNSを用いた個別化治療の実現に向けた基礎及び臨床的研究が活発に行われております。

本研究会の素晴らしい点は、リンパ節転移とその制御について、外科系、放射線科、病理診断科、基礎系の研究者らが一同に介して多面的に議論する点にあります。さまざまな意見から次の一手が繰り出される情報交換の場であります。本研究会の歴史として四半世紀を迎える年に、第25回SNNS研究会が実りある有意義な会になりますよう、帝京大学医学部外科学講座(乳腺)全員にて誠心誠意準備致します。
多くの会員の皆様にご参加いただけますようご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。