第46回日本骨・関節感染症学会を2023年6月23日（金）～24日（土）の両日に三重県津市の三重県総合文化センターにおいて開催する運びとなりました。本学会は昭和53年に日本骨・関節感染症研究会として設立されましたが、長い歴史と伝統のある本学会を三重大学整形外科学教室が初めて主催させていただきますことを大変光栄に存じますとともに、関係各位および会員の皆様に心より感謝申し上げます。

学会テーマはシンプルに「骨・関節感染症に勝つ！」と致しました。骨・関節領域の感染症に関する診断・治療は目覚ましい発展を遂げてきましたが、未だに微生物との戦いは続いています。抗微生物薬の不適切使用を背景とする新たな耐性菌の出現と蔓延は世界的な問題となっていますが、日本においても1980年代をピークに新規抗微生物薬の開発は減少傾向にあり、これらの耐性菌に対する武器は少ないのが現状です。手術部位感染対策はエビデンスが蓄積されると情報がアップデートされ、以前の常識が常識ではなくなっていることがあるため、常に最新の知識で武装しておく必要があります。また、人工関節手術や脊椎手術などで用いられる整形外科インプラント周囲感染の治療の際には、インプラント温存は可能か、一期的に入れ替えることは可能か、全抜去が必要かなど緻密な作戦を立てる必要があります。会員の皆様と一緒に、この微生物との戦いを終結へと導く様々な戦略や新たな戦術等について本学会で議論できればと考えています。

津市は三重県の県庁所在地であり、お伊勢さんの玄関口として栄えたため、ご当地グルメがたくさんあります。新型コロナウイルス感染症が収束して参加者が一堂に会し、学会会期中に津ぎょうざ、津のうなぎ、津が発祥の天むすや味噌かつ、伊勢うどん、松阪牛などに舌鼓を打ちながら、津を楽しんでいただけるようになっていることを祈るばかりです。