肋軟骨移植による小耳症再建法は形成外科の総合力が試される手技である。演者は精密な肋軟骨モデルを1998年に故永田悟先生の下での修行中に、自己トレーニング目的で開発した。自身への効果が実証されたので2000年から四半世紀にわたって次世代教育に世界各地での20ヵ所のワークショップで用いてきた。今回日本形成外科学会で初めて行うワークショップでは、術前計画、手術のデザイン、耳の位置決め、皮弁作成、術後管理などの講義、2-stepの3次元フレームワークの実習を予定している。世界的にみても、小耳症はエキスパートが独占的に手術する傾向にあるが、エキスパートも永遠に手術できるわけではない。小耳症は一回のセッションでマスターできるタイプの手術ではないものの、ある程度経験を積んだ形成外科医が、それなりの結果を出せるようにトレーニングすることがこのワークショップの目的である。