会長挨拶
第68回日本形成外科学会総会・学術集会
会長 櫻井裕之(東京女子医科大学形成外科学 教授・基幹分野長)
このたび、2025年4月16日(水)から18日(金)の3日間、ホテルニューオータニにおいて、第68回日本形成外科学会総会・学術集会開催を担当させていただくこととなりました東京女子医科大学の櫻井裕之です。開催にあたり、様々な方面よりご支援を賜りました会員諸氏および関連各位に、厚く御礼申し上げます。当教室が本学術集会を担当させていただくのは、第33回(平山峻会長)、第47回(野﨑幹弘会長)に次いで 3回目となり、大変な名誉であるとともに身が引き締まる思いです。同門、教室の力を結集して、皆様をお迎えする準備を進めて参ります。
本邦における”Plastic Surgery”は、外科、皮膚科、整形外科、耳鼻咽喉科、など異なる領域から分派した創始者達が、各々の得意分野で刮目すべき治療成績を示しながら、「形成外科」という名のもとに集結したことに始まります。そして現在の日本形成外科学会の発展は、先人達が様々な技術を開発し、それを他分野にも移入しつつ、輪郭の定まらない“形成外科学”を希求し続けた成果です。だからこそ、臓器別に専門性を高め発展した外科系の他診療科とは異なった視点で、形成外科の将来を展望するべきだと考えます。
一方で近年、医師の働き方改革、新専門医制度下での指導医不足、多様な診療分野から美容医療への偏向、地域格差、学会員の内向き志向と国民の認知不足、など、本学会の将来に対する不安につながる問題点も顕在化しつつあります。これらの課題に対しても、学会員自らがその解消に向けて真剣に議論する場が必要です。本学術集会のテーマ”Beyond The Horizon”は、発足以来60余年を経過した日本形成外科学会が、成熟した基本診療科としての更なる発展のために、様々な問題解決の端緒となる議論が展開されることを祈念して掲げさせていただきました。多くの会員諸氏にとって実りある学術集会となるよう、最善を尽くす所存です。皆様におかれましては、更なるご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
2024年4月吉日