会長挨拶

第55回日本肝臓学会総会を開催するにあたって

 第55回日本肝臓学会総会の会長を拝命いただき,2019年5月30日(木)および31日(金)に,新宿の京王プラザホテルで学術集会を開催致します。埼玉医科大学による開催は、故・藤原研司先生が1999年に第35回総会の会長を担当して以来20年ぶりで,テーマは「未来につなぐ肝臓学: 20年後を見据えて」としました。私の20年前の経験が,第55回総会の礎です。そこで,第55回総会では若手医師,研究者を登用し,その中から20年後の肝臓学を担う人材が成長することを期待して,テーマを決定しました。

 第55回総会では,ノーベル物理学賞受賞者である梶田隆章先生(東京大学宇宙線研究所)による特別講演をはじめ,計9つの国内,海外研究者による講演,4つの特別企画,25の主題演題を用意しました。主題演題ではその最後に,将来を担う若手医師,研究者に,未来に向けたメッセージを語っていただきます。また,日本肝臓学会の規則を改訂していただき,メディカルスタッフ,行政関係者など非会員による主題演題,さらに,研修医・専修医による症例報告のセクションを企画しました。参加費はメディカルスタッフ,肝炎行政担当者などの非会員は3,000円,研修医,専修医は無料です。研修医・専修医セッションの発表者は評議員等懇親会に招待し,優秀演題の演者を表彰致します。さらに,第55回総会の翌日である6月1日(土)には,午前中に2019年度前期教育講演会を,午後は日本医学会連合後援,日本肝臓学会と日本産業衛生学会の共催で,肝臓病患者の仕事と診療の両立支援および職域肝炎ウイルス検診の促進を目指したパネルディスカッションを開催します。

 第55回総会が肝臓学,肝臓病診療の発展のみならず,わが国における肝炎対策事業の円滑化に繋がり,さらに肝臓学を志す若手医師,研究者の育成に貢献することを期待します。今までにない新たな試みを盛り込んだ総会になります。会員の皆様が多数参加いただき,活発にご討議いただくようお願い申し上げます。

2019年2月1日

第55回日本肝臓学会総会
会長 持田 智
(埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科)