第108回日本消化器病学会総会第108回日本消化器病学会総会

日程表・プログラム

会長講演

司会 田中 雄二郎 東京医科歯科大学
演者 榎本 信幸 山梨大学医学部第一内科

理事長講演

司会 泉 並木 武蔵野赤十字病院消化器科
演者 小池 和彦 日本消化器病学会理事長

特別講演

特別講演1

司会 渡辺 守 東京医科歯科大学
演者 武部 貴則 東京医科歯科大学統合研究機構

特別講演2

司会 島田 眞路 山梨大学
演者 満屋 裕明 国立国際医療研究センター研究所

特別企画

専門医制度に向けて

司会 佐々木 裕 長崎国際大学健康栄養学科
演者 小池 和彦 日本消化器病学会 理事長
井上 晴洋 日本消化器内視鏡学会 理事長
竹原 徹郎 日本肝臓学会 理事長

シンポジウム

シンポジウム1全公募
消化器疾患のAIを含めたIT技術による病態解明

司会の言葉

医学研究におけるIT(information technology)技術の発展はめざましく、従来の仮説駆動型研究に加えて、AIを含めた機械学習や深層学習によるデータ駆動型研究として次世代シーケンサーやイメージング計測技術等が用いられるようになった。前者はバイオインフォマティクス研究として、多量のシーケンスデータから遺伝子やゲノム領域解析、細胞タイピングによる病態解明、新薬候補化合物の選択等に活用されている。後者はシステム生物学の流れを汲んで、目視で行われていた画像データからの細胞形状・動態追跡や病理組織像からの分子イメージング等に応用されている。さらに、両者が融合したシングルセルRNAシーケンシング(scRNA-seq)も積極的に取り入れられている。本シンポジウムでは、消化器疾患の最先端の病態研究や治療開発におけるIT技術の有用性と未来展望に関する幅広い演題を募集する。

司会 高山 哲治 徳島大学消化器内科
中本 安成 福井大学内科学(2)分野

シンポジウム2全公募
ゲノム情報のもたらす消化器病学へのインパクト

司会の言葉

近年、ゲノム情報に基づく病態解明とその臨床応用の進歩が著しい。特に、がん領域ではがん遺伝子パネル検査に基づく診療が広く行われ、リキッドバイオプシーも保険収載となった。また、ゲノム情報はがんに限らずあらゆる消化器疾患におけるリスク評価や早期診断、及び治療反応性や予後予測等にも活用可能である。しかし、ゲノム異常によって惹起される病態は極めて複雑で、宿主や細胞集団の持つゲノム要因と免疫応答などの環境要因が様々に関与するなど、がんや疾病を形成する分子機構の全容解明が課題となる。また、ゲノム上に存在する弱い疾患リスクを有する複数のコモンバリアントも病態リスクを形成するなど、データサイエンスを駆使した臨床応用と個別化対策も必要である。本シンポジウムでは最新の技術を活用した先駆的な研究と診療の取り組みを幅広く討議し、基礎および臨床の両面からゲノム情報がもたらす近未来の消化器病学の姿を浮き彫りとしたい。

司会 朝比奈 靖浩 東京医科歯科大学消化器内科
武藤 学 京都大学腫瘍内科

シンポジウム3全公募
消化器疾患に対する分化・老化・再生研究の展開

司会の言葉

消化器領域における様々な難治性疾患の治療法開発、不可逆的な障害を受けた臓器の機能回復を図るためには、消化器臓器の分化・老化・再生メカニズムを解析し、それをヒトに応用するための新しい知見、手法を蓄積する必要がある。本シンポジウムでは、分化・脱分化・分化転換といった自在に変動する臓器の恒常性維持機構の基礎的解析、間葉系幹細胞や人工多能性幹細胞を用いたヒトへの臨床応用、それらを支える新しい実験手法やマテリアルの開発など、次世代の分化・老化・再生研究を目指した幅広い内容をご発表いただきたい。それらの知見を統合し、激しい国際競争を勝ち抜くための基盤づくり、臨床応用へ向けて解決すべき課題、分化・老化・再生研究と治療応用の今後の方向性など、幅広い議論を期待したい。

司会 寺井 崇二 新潟大学大学院 医歯学総合研究科消化器内科学分野
妹尾 浩 京都大学消化器内科

シンポジウム4全公募
消化器疾患における個別化医療への基礎研究と応用

司会の言葉

近年、生体試料を用いた解析技術の進歩により、同一疾患内における患者間の多様性が明らかとなり、個別化医療の必要性が高まっている。がん診療においてはがん遺伝子パネル検査が2019年に保険収載され、これまでに1万例を超える検査が実施されてきた。しかし実際にがんゲノム異常に基づいて薬剤選択が行われた症例はわずか8%に留まっており、予後改善に向けた課題は未だ多い。一方、NASH、炎症性腸疾患、慢性膵炎などの消化器疾患においても、個々の遺伝的形質や腸内細菌叢の違いは病態発症・進展に関与するが、個別化医療へと発展させるにはさらなる理解を目指した基礎研究が重要である。また、各種生物製剤・分子標的薬などに対するコンパニオン診断薬の開発も個別化医療において重要な課題である。本シンポジウムでは、消化器疾患における個別化医療の実現に向けた基礎的研究や臨床応用への取り組みをご発表頂き、将来展望を議論したい。

司会 竹原 徹郎 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学
若井 俊文 新潟大学消化器・一般外科学分野

シンポジウム5全公募
消化器癌における免疫治療と分子標的治療の基礎研究と臨床

司会の言葉

近年、胃癌、肝癌、大腸癌などの難治消化器癌に対する治療の進歩は著しく、分子標的治療や免疫チェックポイント阻害薬の登場により劇的な変化を遂げつつある。一方でその効果を十分発揮するためにはゲノム医療、臓器特異性、病理組織の特性などを考慮した個別化医療が肝要であるが、未だ十分なものとは言えず、多くの課題を残している。例えば、新たな効果予測マーカーの開発、治療における耐性化メカニズム解析、局所の免疫細胞プロファイルと治療効果との関連性、相乗効果を目指した多剤併用療法など、さまざまな検討と対応が期待されている。また、膵癌や胆道癌のようにアンメットメディカルニーズの高い難治癌も存在し、その解決も必要である。本シンポジウムでは今後画期的展開が期待される分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた治療開発に焦点を当て、基礎的知見から、それに関わる前臨床、臨床成績を示す演題を広く募集する。

司会 加藤 直也 千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
前田 愼 横浜市立大学消化器内科

シンポジウム6全公募
消化管癌の病態解明と治療の展望

司会の言葉

消化管癌(食道癌、胃癌、十二指腸癌、大腸癌)の治療は、原則、ガイドラインに基づいて行われている。しかしながら、現在のガイドラインは、個々の病態に応じたきめ細かな治療選択がなされる段階まで成熟しているとはいえない。裏を返せば、個別化治療を推奨するに足るエビデンスが未だ不十分であるともいえよう。個々の癌には、同じステージであっても、様々な臨床病理学的特徴、ゲノム、エピゲノム異常、さらには癌を取り巻く環境などに違いが存在する。個々の病態の違いを明らかにする手法と、その病態に応じた適切な治療法が確立されれば、個別化治療がガイドラインにも広く取り入れられていくはずである。本シンポジウムでは、各施設が取り組んでいる、消化管癌の病態に基づいた前臨床研究や臨床研究をご披露いただき、消化管癌のおける治療の将来像を考えてみたい。多数の演題応募を期待する。

司会 市川 大輔 山梨大学第一外科
藤城 光弘 名古屋大学消化器内科

シンポジウム7全公募
食道疾患の病態解明と診療の展開

司会の言葉

 近年、内視鏡機器の機能向上はめざましく、通常光のみならず画像強調や拡大内視鏡、超拡大内視鏡の登場により、各種疾患の病態解明が進みつつある。 また、食道の運動機能や24時間pH モニターなどの普及にて食道機能性疾患の病態解明も進みつつある。 さらにはH.pylori感染率の低下や、食事の欧米化、肥満率の増加等にてGERDやBarrett食道、Barrett食道腺癌の頻度も増加傾向にある。
 診療面ではESDの開発から20年が経過し、ESDは食道表在癌治療の第1選択手技となった。また、POEMの開発により粘膜下層を直接観察し、食道疾患の病態に迫ることが可能となった。さらにはPOEM関連手技として食道憩室の内視鏡的治療も実践されつつある。
 本シンポジウムでは、腫瘍、非腫瘍、良性、悪性に限らず、広く食道疾患を取り上げ、病態解明と診療の進歩を問うことで、2022年における食道疾患の現状把握と将来展望を図りたい。

司会 井上 晴洋 昭和大学江東豊洲病院消化器センター
小山 恒男 佐久医療センター内視鏡内科

シンポジウム8一部指定(一部公募)
Helicobacter pylori 除菌後胃癌の病態と対応

司会の言葉

除菌治療が2000年に消化性潰瘍に対して保険適用されて以降、除菌適応の拡大や検診への感染診断の導入により、除菌治療の機会は急速に広まっていった。今日では高齢化も背景に、感染者の多くが除菌という介入を受けて胃癌の好発年齢を迎えていることになる。
除菌による胃内環境の変化は、除菌後胃癌の発症や発育・進展にも影響すると考えられるが、除菌後に診断される胃癌の遺伝学的背景や除菌介入から胃癌診断までの時間経過による違いなど、その病態は十分に解明されているとは言えない。また、除菌後胃癌では病変内に非癌あるいは異形の低い上皮を伴うなど、現感染者に発症する胃癌とは異なる特徴が明らかにされ、拾い上げ診断から治療にも課題が残されている。
 「除菌後胃癌」として一括される本病態の多様性および全体像を、除菌からの期間を踏まえつつ明らかにするとともに、現感染胃癌との病態の異同、効率的かつ精度の高い診断および治療に結び付ける具体的な対策を示す機会としたい。

司会 村上 和成 大分大学消化器内科
佐藤 公 JCHO山梨病院

シンポジウム9全公募
消化管疾患の病態解明・診療展開のための革新的基礎研究

司会の言葉

消化管は単に栄養の消化・吸収を担う場ではなく、全身の免疫・内分泌・神経等の調節を司る場としても重要な機能を担っている。このような多彩な機能を維持するため、もとより極めて精緻でダイナミックな恒常性維持及び組織再生・修復機構を備えているが、これら機構の破綻により炎症性腸疾患・腫瘍性疾患・機能性疾患など消化管を場とした幅広い疾患が発症し、時に難治の経過を辿る。一方、消化管疾患の病態解明に用いられる技術・手法は急速な発展を遂げ、オルガノイド培養・ゲノム編集・シングルセル解析・生体イメージング等の新技術により、これまで全く切り込めなかった疾患・病態等においても、臨床検体や新たな疾患モデルを用いた研究が可能となっている。本セッションは消化管を場とするあらゆる疾患を対象とし、未解決の課題に果敢に取り組み、かつ大胆な発想で病態の理解や治療体系の革新を目指した、意欲的な基礎研究の発表・討論の場としたい。

司会 穂苅 量太 防衛医科大学校消化器内科
岡本 隆一 東京医科歯科大学消化器内科

シンポジウム10 全公募
脂肪肝炎:今後の展開

司会の言葉

元来、脂肪肝炎の典型はアルコール関連肝疾患(ALD)であるが、今日では非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の注目度が高い。ALDとNASHは肝病理像が極似しているが、病態には共通点のみならず相違点も多い。脂肪肝炎の発症には、インスリン抵抗性、PNPLA3等の遺伝的素因、サイトカイン、腸内細菌叢、自然免疫の変調、酸化ストレスなど様々な因子が、複雑なクロストークを形成して関わっている。肝線維化や肝細胞癌のスクリーニングは、わが国のガイドラインでもアルゴリズムが示されたが、依然として問題点も多く、非侵襲的評価法の確立やバイオマーカーの開発などが急務である。また、心血管系疾患の合併など他臓器との連関も注目される。現時点でも、食事・運動療法や種々の薬物療法に加えて手術療法なども検討されているが、いずれもその効果は限定的であり、新規治療法の確立が望まれる。本シンポジウムでは、NASH・ALDの双方の観点から、脂肪肝炎の病態解明と治療戦略に関する最新の知見を踏まえて、今後の展望を議論したい。

司会 徳重 克年 東京女子医科大学消化器内科
池嶋 健一 順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学

シンポジウム11 全公募
B型肝炎:研究と診療の最前線

司会の言葉

B型肝炎ウイルス(HBV)は、1964年Blumbergらによりオーストラリア(Au)抗原として発見された。一方、東大輸血部の大河内は、オクタルロニー法(寒天内沈降反応)により輸血後肝炎症例の血中に新たな蛋白を発見した。この二つは同じ蛋白(HBs抗原)であり、このことからHBVが肝炎ウイルスであることが明らかになった(1968 年)。Dane粒子の発見(1970年)、DNAクローニング(1979)年を経てB型肝炎の病態解析・検査・治療・予防は急速に進歩してきたが、HBVはHCVとは異なり体内から排除することが困難なウイルスとして存在し続けている。
本シンポジウムでは、B 型肝炎の研究と診療の最前線について発表いただく。病態・診断・治療・予防に関する新たな知見を通じて、今から10年後のB型肝炎の未来予想図をシンポジストとともに描きたい。

司会 八橋 弘 国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター肝臓内科
四柳 宏 東京大学医科学研究所先端医療研究センター感染症分野

シンポジウム12 全公募
C型肝炎:今後の課題と対策

司会の言葉

DAA治療の進歩で,C型肝炎はほぼ全例でSVRを達成できるようになった。しかし,ウイルス感染を知らず,未治療の患者も残存している。未受検,未受療者を,いかに治療に導くかは,未だ大きな課題である。一方,SVRを達成した場合でも,非代償性肝硬変も治療対象になったことによって,その後の管理の重要性が増している。肝発癌,門脈圧亢進症などの肝疾患関連イベントのみならず,心血管系,他臓器悪性腫瘍など非関連イベントの実態を明らかにし,その対策法を確立する必要がある。また,わが国の特殊性として,NS5A-P32欠損などの高度耐性株も残されており,その対応も明確にしなければならない。本シンポジウムでは,これらC型肝炎を巡る諸問題を幅広く取り上げて,患者の予後,QOLを向上させるために,今,肝臓専門医は何をすべきかを論じたい。

司会 持田 智 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科
伊藤 義人 京都府立医科大学消化器内科学

シンポジウム13 一部指定(一部公募)
病態からみた肝癌治療アルゴリズムの今後

司会の言葉

肝癌診療ガイドラインの骨子と言うべき治療アルゴリズムは2005年初版以来、簡便さを重視して改訂されてきたが、2017年版(第4版)では治療規定因子に肝外転移と脈管侵襲の有無の2つが追加され、治療選択肢が4つまで採択されるなど、現場のニーズにあわせ大きく変化した。演題募集開始時には2021年版ガイドライン(第5版:2021年11月正式発刊)の素案が公聴会とパブリックコメント公募を介し公表されていると思われるが、治療アルゴリズムは第4版の大枠を踏襲しつつ、新しいエビデンスに基づき部分改訂され、さらに最近の使用可能薬剤の増加に対応して、別途薬物療法アルゴリズムが策定される見込みである。本シンポジウムは第5版正式発刊から約半年後の開催になるが、各施設のデータで第5版アルゴリズムの是非をご検討いただき、また背景肝と薬物療法の選択など新たな課題も含めて、今後の肝癌治療戦略のさらなる改善に役立てたい。

司会 黒崎 雅之 武蔵野赤十字病院消化器科
長谷川 潔 東京大学肝胆膵外科

シンポジウム14 全公募
非代償性肝硬変の病態解明と診療の進歩

司会の言葉

近年、非代償性肝硬変の病態に基づいた様々な新規薬剤の登場によって、ウイルス性肝硬変に対する根本的治療が可能になると共に、エネルギー代謝異常、腹水・浮腫、脳症、消化管静脈瘤、サルコペニア、筋けいれん、掻痒症、門脈血栓、血小板減少症など各種合併症に対する治療も大きな進歩を遂げている。しかし、肝腎症候群、各種肺合併症、ビタミンD欠乏症やアルコール性肝硬変に対する減酒療法など今後エビデンスを蓄積すべき課題も多い。加えて、依然として非代償性肝硬変の病態には未解決の領域も数多く残されている。これら機序の解明と、生活指導、薬物治療、内視鏡治療、IVR治療、外科的治療、肝移植などの各種治療法の現状と解決すべき問題点に加え、腸内細菌叢の制御や再生医療を含めた集学的治療へのアプローチについて発表頂き、非代償性肝硬変の病態解明と診療・研究における今後の方向性について議論したい。

司会 大平 弘正 福島県立医科大学消化器内科
吉治 仁志 奈良県立医科大学消化器・代謝内科

シンポジウム15 全公募
病態に基づく Interventional EUS による診療戦略

司会の言葉

Interventional EUSは、1992年膵仮性嚢胞に対するドレナージとして報告されて30年が、本邦で2012年超音波内視鏡下瘻孔形成術として保険収載されてから10年が経過し、広く普及しつつある。その技術的成功率は90%以上と高い手技成功率が報告されている一方、ERCP・PTBDなど既存治療との選択は明らかにされていない点も多く残されている。十二指腸狭窄・胆管挿管困難例における胆道治療、術後再建腸管例の胆膵疾患に対する治療、急性胆嚢炎に対する経皮的・経乳頭的・経消化管的アプローチなど複数の治療選択が存在する疾患・病態も増えている。また急性膵炎後膵周囲液体貯留に対する超音波内視鏡下ドレナージでは、介入時期、Stentの選択、その後のNecrosectomyまで念頭に置いた治療戦略が重要となる。本シンポジウムでは、多様なInterventional EUSの適応、治療成績を、単に技術的な内容にとどまらず、疾患・病態に基づく最適な診療戦略の観点から発表していただき、Interventional EUSの現状と課題、今後の方向性について議論したい。

司会 糸井 隆夫 東京医科大学消化器内科
中井 陽介 東京大学医学部附属病院光学医療診療部

シンポジウム16 一部指定(一部公募)
膵癌の病態を踏まえた術前治療の意義

司会の言葉

膵癌の治療成績は21世紀になり若干の向上は診られているが、いまだ5年生存率は10%程度と極めて不良である。膵癌の解剖学的特性から早期発見が困難であること、生物学的悪性度が高く増殖能・転移能が高いこと、好発年齢が70歳以上と高齢であること、手術の侵襲により術後補助化学療法の困難例が少なくないこと、などの膵癌特有の病態が治療成績向上の妨げとなっている。近年登場した術前治療戦略は、早期から治療が開始でき、薬剤強度が高い治療が可能で、さらに手術不適例の排除という点からも有用であると考えられている。本シンポジウムでは、膵癌のこのような病態を踏まえ、早期発見・早期治療を可能とする診断アルゴリズム、高齢者膵癌の評価と治療方針、術前治療の工夫やピットフォール、さらなる治療成績向上への試み、などについて内科と外科のクロストークを行いたい。

司会 田邉 稔 東京医科歯科大学大学院肝胆膵外科学分野
海野 倫明 東北大学消化器外科学

パネルディスカッション

パネルディスカッション1 全公募
薬剤性およびアレルギー性消化管疾患の病態と診療

司会の言葉

非ステロイド系抗炎症薬、免疫チェックポイント阻害薬など様々な薬剤が消化管粘膜傷害を惹起する.一方、好酸球性消化管疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、セリアック病などのアレルギー疾患も最近増加傾向にある.これらの疾患は食道、胃、小腸、大腸と全ての消化管に病変が起こりうるが、その病態については十分に解明されていない部分も多い.本パネルディスカッションでは薬剤性およびアレルギー性消化管疾患について、主に病態解明に迫る研究と病態に基づく診療に関する研究を公募します.

司会 藤原 靖弘

大阪市立大学消化器内科学
石原 俊治

島根大学医学部内科学講座(内科学第二)

パネルディスカッション2 一部指定(一部公募)
病態解明による大腸腫瘍診療の新展開

司会の言葉

大腸がんの発がん予防や診断および治療法の確立を目的とした病態解明の研究が日々進められている。最近では、次世代シークエンサーやデジタルPCRの登場による遺伝学・分子生物学的検討が進んでおり、リキッドバイオプシーの臨床応用や腸内細菌と大腸腫瘍の関連性などの研究も活発である。一方で、早期大腸癌の組織発生・浸潤・リンパ節転移や再発について大規模データに基づく臨床病理学的検討結果が報告されるようになり、近年の画像強調や拡大内視鏡を用いた内視鏡診断の進歩は目覚ましく、分子イメージング技術の導入・応用も注目されている。さらには、各方面へのAI支援も大いに期待される。
本パネルディスカッションでは、大腸腺腫/癌に鋸歯状病変や神経内分泌腫瘍なども含めた大腸腫瘍性病変に対する新たな診断や治療に直結するエビデンス創出研究について、基礎および臨床の立場から今後の大腸腫瘍の病態解明とそれに基づく診療に発展する内容を幅広くご発表頂き、活発な議論をお願いしたい。

司会 田中 信治

広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学
浦岡 俊夫

群馬大学 大学院医学系研究科内科学講座消化器・肝臓内科学分野

パネルディスカッション3 全公募
炎症性腸疾患の病態からみた診療を考える

司会の言葉

抗TNF-α抗体製剤が保険適用となり、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease: IBD)治療は大きく変化した。現在、MOAが異なる3つの生物学的製剤ならびにJanus kinase阻害剤が使用可能である。モダリティでは、AI内視鏡、CT&MRI enterography、消化管エコーの開発が進み、便中calprotectin, 血清LRGなどの新たなバイオマーカーが使用可能となっている。これにともないIBDの治療目標もより高いレベルに設定されるようになった。いっぽうで薬剤の使い分け、疾患活動性のモニタリング法は未だ確立されてはおらず、むしろ複雑化しつつある。我々はいま一度IBDの病態、薬剤のMOAを理解し、治療戦略を考える必要がある。このパネルディスカッションでは、病態、薬剤のMOA、モダリティーの特性に基づいた診断・治療戦略について議論したい。

司会 仲瀬 裕志

札幌医科大学医学部消化器内科学講座
久松 理一

杏林大学医学部消化器内科

パネルディスカッション4 一部指定(一部公募)
病態解明に基づく消化管内視鏡の未来

司会の言葉

消化管内視鏡は、腫瘍性疾患の診断と治療を中心に発展してきたが、拡大内視鏡所見が病態を正確に反映することが明らかになり、新たな診断学が確立された。同時に病態に応じた悪性度も明らかになり、大腸鋸歯状病変や表在型十二指腸腫瘍も含めて内視鏡切除の適応が大きく変化した。腫瘍の成因解明も進みつつあり、今後リスクに応じた検査法が普及するものと考えられる。一方、胃食道逆流症やアカラシア等の機能性疾患に対しても、新たな内視鏡治療法が開発された上に、知覚過敏評価法や運動機能評価法等の検討が進んでいる。さらに肥満や糖尿病等の代謝性疾患に対しても、内視鏡的胃形成術やスリーブバイパス術、十二指腸粘膜焼灼術等が注目されている。いずれの分野も急速に進歩しているが、AIの登場もありさらなる発展が期待される。本セッションでは病態解明が何をもたらしたのか、もたらすのかを示してもらい、内視鏡医療の未来がどうなるか議論したい。

司会 岩切 勝彦

日本医科大学消化器内科学
矢作 直久

慶應義塾大学腫瘍センター

パネルディスカッション5 全公募
ウイルス制御時代の肝癌の病態解明と診断治療

司会の言葉

ウイルス性肝疾患に対する治療の進歩により核酸アナログ製剤投与でB型慢性肝炎は高率にコントロールがされ、直接作用型抗ウイルス薬投与によりC型慢性肝炎のほとんどの患者がSVRを達成可能となった。肝炎ウイルスの制御により、肝機能は改善し、発癌しても根治的な治療が選択されるため長期予後が得られ、死亡者数の減少が期待される。しかし、肝炎ウイルスの制御により実際の肝癌発症例数はどれくらい減少しているのか、SVR後発癌の問題もあり、モニタリングの頻度は減らせるのかなど未解決な点が残っている。さらに、糖尿病、アルコール性肝疾患やNASHなどを背景とした肝癌発症例は増加傾向である。本セッションでは、これらの現状に即した肝癌に関する問題点を明らかにし、基礎・臨床両面から幅広くご発表いただき、肝癌診療の現状と今後の展望について議論したい。

司会 梅村 武司

信州大学内科学第二教室(消化器内科)
建石 良介

東京大学消化器内科

パネルディスカッション6 全公募
門脈圧亢進症の今後

司会の言葉

門脈圧亢進症は肝硬変や門脈閉塞に伴いみられる極めて特徴的な病態である。近年、門脈圧亢進症に対して実験動物を用いた様々な基礎医学的アプローチが行われ、複雑な病態が少しずつ明らかになってきた。また、エラストグラフィーなど画像モダリティの発達により、従来難しかった門脈圧のモニタリングも現実的になりつつあり、その結果、門脈圧に基づいた治療法の選択や治療効果の評価が可能になりつつある。さらに門脈圧亢進症に伴う合併症として、静脈瘤、側副血行路、脾腫、腹水、肝性脳症など、治療法および治療薬の選択の幅が広がっている。本セッションではこれらのダイナミックにシフトしている門脈圧亢進症を取り巻く様々なトピックについて、発表していただき、議論したい。

司会 吉田 寛

日本医科大学消化器外科
日浅 陽一

愛媛大学消化器・内分泌・代謝内科学

パネルディスカッション7 全公募
進行肝癌の病態解明と治療の展開

司会の言葉

進行肝癌の病態には多発結節を主体とするものや脈管侵襲を主体とするものなど様々である。一方、進行肝癌に対する薬物治療法は、ソラフェニブにはじまるMulti-MTA(molecular targeted agent)時代を経て、複合免疫療法も第一選択に加わる新たな時代に突入している。進行肝癌に対する治療法に関しては、進行度やその病態によって、肝切除、塞栓療法、肝動注療法、薬物療法など複数存在し、治療法の選択、塞栓療法からの切り替えのタイミング、肝動注化学療法との使い分け、効果的なシーケンシャル治療の導入など解決すべき問題点も多い。さらに切除不能肝がんに対するconversion surgeryも現実的な治療選択肢となってきている。本セッションでは、進行肝癌の病態の解明とその特殊性に応じた最適な治療戦略について最先端の基礎的・臨床的な知見を披露いただき議論したい。

司会 中尾 一彦

長崎大学消化器内科
島田 光生

徳島大学消化器・移植外科

パネルディスカッション8 全公募
肝線維化研究の進展と臨床応用

司会の言葉

肝線維化はあらゆる慢性肝疾患で生じ肝硬変、肝不全や肝がんの母地となる。細胞外マトリックス物質を産生する活性化星細胞が線維化の主役として研究され、分子、(エピ)ジェネティック、シングルセルRNA-seqレベルで解明されてきた。他の肝構成細胞や浸潤免疫・炎症細胞らとの細胞間相互作用を含むより詳細な解析が進行中である。同時に同定された標的を利用する治療法開発とその臨床応用が始動している。これらには星細胞活性化と関連する伝達シグナルを阻害する低分子、ペプチドや抗体、遺伝子治療、細胞死誘導法、間葉系細胞移植などが含まれる。肝再生の観点から肝(幹)細胞に焦点をあてた研究も重要である。一方、新薬開発には肝線維化ステージを正確に反映し、反復評価できる非侵襲的診断法開発が必須である。本パネルディスカッションでは肝線維化に関わる先端研究の進展について、特に臨床応用を前提とする議論を期待する。

司会 河田 則文

大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学
坂本 直哉

北海道大学消化器内科

パネルディスカッション9 全公募
悪性胆道狭窄の病態解明と治療戦略

司会の言葉

悪性胆道狭窄に対しては、原疾患や狭窄部位、切除可能性の有無、非切除例では化学療法の治療ラインなど総合的な病態解明を行った上で治療戦略を検討する必要がある。
近年、病態解明のためのmodalityとしては、MDCT, MRI、ERCPなどの既存の病態解明のみならず、超音波内視鏡やデジタル胆道鏡を用いた手技も、新たな診断技術の潮流となっている。
一方、悪性胆道狭窄の経乳頭なドレナージ治療に関してはPSによるinside留置の他、FCSEMSによるSBS留置、UCSEMSを用いたSBSやPSIS、これらを組み合わせたhybrid法などまさに数多のドレナージ法が存在する。これらドレナージの治療戦略は確立しておらず混沌とした状態にある。またRBO時のリインターベンション治療の方法や開存期間も大きな問題である。
本パネルディスカッションでは、悪性胆道狭窄に対する診断方法、経乳頭的ドレナージやリインターベンションに対する治療戦略や長期成績などを提示していただき、課題と展望について大いに討論をお願いしたい。

司会 伊佐山 浩通

順天堂大学消化器内科
肱岡 範

国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科

パネルディスカッション10全公募
重症急性膵炎の病態解明と治療戦略

司会の言葉

 重症急性膵炎の診療に際しては病態の理解とそれに応じた治療が重要である.発症早期は高サイトカイン血症,全身炎症反応性症候群による臓器虚血や多臓器障害,膵局所の虚血壊死,腸管虚血を呈する.発症後期には壊死部分への腸内細菌移行から,敗血症に移行する.治療戦略は発症早期の大量輸液や持続的血液濾過透析,栄養管理として早期の経腸栄養の有用性などが報告されている.発症後期は膵炎局所合併症に対する治療と感染症対策などの有用性が報告されている.
 本パネルディスカッションでは,治療成績の向上のため,重症化や壊死を予測するバイオマーカーの探索,急性膵炎の重症化の阻止のための発症早期の診断,治療戦略に関する先進的な試みなどの発表を期待する.臨床的アプローチの他,基礎的アプローチに関しても幅広い視点から演題を募集する.多数の応募を期待している.

司会 安田 一朗

富山大学第三内科
河上 洋

宮崎大学 医学部医学科 内科学講座消化器内科学分野

パネルディスカッション11全公募
胆膵結石の病態・治療の課題と展開

司会の言葉

胆石は総胆管、肝内胆管、胆嚢などの胆道に、膵石は主膵管や分枝膵管内に結石が形成される良性疾患である。症状は腹痛や背部痛などが一般的であり、胆石では急性胆道炎、膵石では膵炎や嚢胞形成などを合併し、時に重篤となる。有症状例は治療適応であるが、結石の病態に応じて適切な治療法を選択しなければならない。すなわち結石の存在部位、径、個数、さらには胆道炎や膵炎などの合併、患者の全身状態や抗血栓薬内服の有無、上部消化管手術の既往などを考慮する必要がある。治療法については、ERCPやInterventional EUSによる内視鏡治療が多く施行されているが、外科的手術や経皮的IVR治療でも結石治療は可能であり、それぞれの施設の状況によって選択されている。本パネルディスカッションでは、胆石、膵石に対する内視鏡的結石除去だけではなく、外科的手術や経皮的治療など幅広い分野からの演題を募集し、結石の病態に応じた最適な治療法や現状での課題、今後の展望について討議したい。

司会 潟沼 朗生

手稲渓仁会病院消化器病センター
良沢 昭銘

埼玉医科大学国際医療センター消化器内科

パネルディスカッション12全公募
IPMNの病態解明にもとづくマネージメント

司会の言葉

IPMNのマネージメントにおいては、手術適応の有無の判定、適応例には術式の決定のほか、併存膵癌の有無の評価が重要であり、経過観察例と切除後例に対してもIPMN病変の進展・再発、併存膵癌の出現の監視を行う必要がある。元来IPMNの形態・粘液形質などにより悪性度が評価されてきたが、分子遺伝学的研究により、IPMNの発生と癌化に関与する様々な遺伝子異常が判明し、由来癌・併存癌の発生形式が解明されてきている。また、血清・膵液中バイオマーカー、ノモグラム・人工知能などを用いた評価法や膵管鏡などの有用性も報告されている。さらに、浸潤癌に移行しやすい背景膵、長期間経過観察後の発癌、切除後の再発・発癌例の特徴などの新規知見も得られている。今回は、最近の知見で得られた病態解明により、IPMN診療を見直し、今後の新たなマネージメントの可能性を探ってみたい。多数の応募を期待する。

司会 真口 宏介

手稲渓仁会病院教育研究センター
北野 雅之

和歌山県立医科大学第二内科

パネルディスカッション13全公募
胆膵診療ガイドラインの未解決問題に対する病態解明と戦略

司会の言葉

 近年、本学会を始め消化器関連学会から様々な胆膵疾患の診療ガイドラインが発刊され,定期的に改訂されている.日常診療において疾患の病態把握から診断や治療戦略に応用されているが,これらのガイドラインを用いても診療に迷う症例を経験する.また,各ガイドラインでも未解決な問題が明らかにされている.ガイドラインの改訂に向けて新たなエビデンスの集積は必要であるが,本パネルディスカッションでは,先生方が日々の胆膵疾患診療で抱えておられる問題点や疑問点に関する新知見や、これらの解決に向けての取り組み等について発表頂き、胆膵疾患の病態解明や,診断や治療戦略に繋がるパネルとしたい.多数の演題応募を期待する。

司会 大西 洋英

労働者健康安全機構本部
植木 敏晴

福岡大学筑紫病院消化器内科

ワークショップ

ワークショップ1 全公募
マイクロバイオーム解析による消化器疾患の病態解明と応用

司会の言葉

我々は腸内細菌を利用してさまざまな食物からエネルギーを獲得している。腸内細菌は糖吸収を促がすだけでなく、食物繊維を発酵して脂肪酸を誘導しこれらがエネルギーとして利用される。一方、腸内細菌の存在は複雑な免疫機構の発達を誘導した。腸管は生体内最大のリンパ装置とされ、ここでは腸内細菌や食物抗原に対する免疫誘導と寛容が巧妙にコントロールされ過剰な免疫応答による組織障害が未然に防がれている。このホメオスタシスの乱れが炎症性腸疾患の発症につながる。一方、機能性消化管障害は、腸管運動の機能障害と内臓神経の知覚過敏に起因する疾患と考えられてきた。しかし、最近の研究から機能性消化管障害の病態にも腸内細菌叢の関与が示唆されている。さらに、肝疾患や膵疾患への腸内細菌の関与が報告されている。このワークショップでは、消化器疾患と腸内細菌のかかわり、腸内細菌を標的とした治療の実際についてさまざまな研究の進歩をお示しいただき討論したい。

司会 安藤 朗

滋賀医科大学消化器内科
金井 隆典

慶應義塾大学医学部消化器内科

ワークショップ2 全公募
消化器疾患診療に必要なバイオマーカー開発のための研究

司会の言葉

消化器疾患診療は消化管・肝胆膵と多くの臓器を対象とし、難病、腫瘍、炎症、代謝、感染など多岐にわたる。このような背景から以前より診断・治療選択のために様々なモダリティーが開発され、消化器疾患診療の発展に寄与してきた。一方で、患者への侵襲性、技術の高度化・細分化、医療費の高額化などの問題も生じている。そこで、低侵襲、簡易なバイオマーカーが開発され、これまでのモダリティーの補助のみならず新しいツールとして台頭しつつある。本セッションでは今後消化器疾患診療に必要となるバイオマーカーに関して、基礎からトランスレーショナル研究まで最先端の知見を幅広く募集する。最新の成果を通じて、消化器疾患診療に何が求められているのか?を理解し、バイオマーカーのさらなる将来性を共有するセッションとしたい。

司会 上野 義之

山形大学第二内科
土屋 輝一郎

筑波大学消化器内科

ワークショップ3 全公募
栄養・代謝機能と消化器疾患の病態解明と治療

司会の言葉

消化器各種臓器は食事を消化し、様々な栄養を吸収して膨大な種類の代謝を行っている。食事摂取のかたよりや摂取量の過少が様々な生活習慣病やサルコペニアなどを起こすことがわかってきた。また癌や炎症性疾患も食事により増悪したり予防する可能性も指摘されている。各種栄養素の代謝異常は様々な疾患の発症増悪に関与し、そのメカニズム解明は非常に重要である。近年では食事による腸内細菌の異常や、腸管バリア機能の変化、また胆汁酸の変化や短鎖脂肪酸や各種消化管ホルモン異常などが精力的に研究されている。今回のワークショップでは栄養代謝異常の疫学やメカニズム、さらには治療も含めた基礎臨床様々な角度からのアプローチで解明したこれまでにない新知見の発表を期待する。

司会 中牟田 誠

国立病院機構九州医療センター肝臓センター
中島 淳

横浜市立大学肝胆膵消化器病学教室

ワークショップ4 全公募
自己免疫性肝胆膵疾患の新展開

司会の言葉

このワークショップでは、自己免疫が病態に関与し免疫抑制薬が著効する肝胆膵領域の疾患(自己免疫性肝炎、自己免疫性膵炎、IgG4関連硬化性胆管炎、IgG4関連自己免疫性肝炎)、および、同様に自己免疫が病態に関わっているものの慢性肝内胆汁うっ滞を特徴とし、免疫抑制薬が使用されない疾患(原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎)を対象とする。いずれも国が指定難病としており、発症機序は未だ明らかになっておらず、診断や治療についても未だ課題は多い。本ワークショップではこれらの疾患について、疾患概念、疫学、病因・病態、診断、治療など、幅広い方面からの演題を募集する。病態を明らかにし画期的な治療法の開発につながる基礎的・疫学的な検討、早期の確定診断を可能とするバイオマーカーの確立、長期予後改善をもたらす新規・既存治療など、この分野における今までの業績に捉われない意欲的な演題の応募を期待する。

司会 田中 篤

帝京大学内科
児玉 裕三

神戸大学消化器内科

ワークショップ5 全公募
老化と消化器がんの病態・診療

司会の言葉

本邦では、高齢者人口がますます増加している。消化器は予備的な機能を兼ね備えており、他の臓器に比べ加齢による影響は少ないといわれている。また、胃癌や肝細胞癌ではヘリコバクターピロリやC型肝炎ウイルスの影響が残る高リスク群の高齢化が、加齢に伴う罹患率の上昇の一因とされるが、細胞老化もすべての消化器がんの発生や病態に関与していると考えられる。さらに、加齢とともにあらゆる器官の機能が低下する個体としての老化が消化器がんの病態に関与する可能性もある。一方、高齢者の消化器がん診療では非高齢者と同様の治療が不可能な場合も多く、ガイドラインを遵守するだけではなく、身体機能や認知機能、栄養状態などの低下ならびに合併症を総合的に評価して、治療方針を決めなくてはならない。本セッションでは、老化が消化器がんの病態と診療に及ぼす影響について広く演題を募集したい。

司会 名越 澄子

埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科
後藤田 卓志

日本大学内科学系消化器肝臓内科学分野

ワークショップ6 全公募
十二指腸・小腸疾患の病態解明と診療展開

司会の言葉

検査機器が進歩し深部小腸への直接のアプローチが可能になったことに伴い、様々な小腸疾患や病変の検討が行われている。臨床的機器としては、カプセル内視鏡、バルーン内視鏡といった内視鏡は広く活用されている。さらにCT、MRI、超音波検査といった横断的画像診断の進歩が著しい。こうした様々なモダリティや診断、解析技術の発展、さらに新規治療法の開発により、小腸疾患の病態解明に加え、診療にどのような革新が試みられているか、本ワークショップでは、十二指腸から回腸まで乳頭部の疾患を除き、未完成の進行中の研究も含めて今後の可能性を展望できる演題について検討したい。

司会 山本 博徳

自治医科大学消化器内科
大塚 和朗

東京医科歯科大学光学医療診療部

ワークショップ7 全公募
消化管疾患の遺伝子解析による病態解明・臨床展開

司会の言葉

消化管は粘膜を介した免疫反応を特徴とする臓器であり、腫瘍性疾患、炎症性疾患、機能性疾患のいずれにおいても遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合っている。しかし、消化管ポリポーシスや小児領域の炎症性腸疾患などの一部の消化管疾患は遺伝的要因が病態の大部分を占め、遺伝子解析により臨床診断や病型分類が決定される。近年では成人における炎症性疾患の一部も遺伝子のバリアントによって発症することが示されており、これらの遺伝子を解析することは多因子疾患の病態解明にも寄与すると考えられる。
また、腫瘍性疾患においても、遺伝子解析技術の進歩により、がんゲノム医療をはじめとした治療や発癌メカニズムに関する新たな知見が蓄積されている。そこで、本セッションでは消化管疾患を中心に、遺伝子解析を用いた病態解明や遺伝子診断が臨床に及ぼした影響について討論し、今後の臨床研究の糧としたい。幅広い領域から多くの応募を期待する。

司会 松本 主之

岩手医科大学消化器内科消化管分野
山口 達也

山梨大学第一内科

ワークショップ8 一部指定(一部公募)
機能性消化管疾患の病態解明と診療展開

司会の言葉

機能性消化管疾患の患者数は多く,日常臨床で遭遇する機会は多い.しかし,その病態生理は複雑で未だ解明されていない部分も多い.様々な外的刺激を直接受ける消化管と症状を感じる脳が綿密に連携し生体の恒常性を保っているが,機能性消化管疾患患者では遺伝的素因や生育環境,生活習慣などを背景にストレスによる心理的要因,感染とそれに伴う微小炎症,腸内細菌叢の変化などが脳腸軸のバランスを撹乱することで,様々な症状が発現しているものと考えられている.また,消化管は連続した一つの臓器であるため,同じ病態でも表現型や症状発現部位の違いにより診断が異なり,時間経過の中での疾患の移行やオーバーラップの可能性も高い.このような複雑な疾患の日常診療の補助として診療ガイドラインが作成されている.本ワークショップでは,近年改訂された,IBS,FD,GERDの診療ガイドラインを踏まえて,新たな知見による病態解析やエビデンスに基づいた治療法などについて幅広い議論を行いたい.

司会 春日井 邦夫

愛知医科大学消化管内科
飯島 克則

秋田大学消化器内科

ワークショップ9 全公募
ウイルス肝炎基礎研究の新たな展開

司会の言葉

近年、世界的に非ウイルス性肝癌が増加傾向であるが、ウイルス肝炎による肝疾患関連死は依然として増加傾向であり、その対策は喫緊の課題である。直接型抗ウイルス薬(DAA)の登場によりC型肝炎ウイルス(HCV)の排除(SVR)は可能になったが、SVR後肝発癌、門脈圧亢進症や他臓器疾患の合併が問題視されている。SVR後肝癌の遺伝子異常や微小環境の特徴を明らかにし、高リスク群の囲い込みが重要である。一方、B型肝炎ウイルス(HBV)は一旦感染すると完全排除は困難であるとされてきたが、世界的な創薬研究の進展により、HBV制御から機能的治癒を目指す時代となった。肝癌のみならず他臓器癌に対する分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬の登場によりHBV再活性化の問題も再注目されている。本ワークショップでは肝炎ウイルス研究(経口感染ウイルスも含む)の現在・未来に焦点をあて、そこから得られる知見を統合し、基礎研究から創薬研究、臨床応用へ向けて解決すべき課題、今後の方向性について幅広く議論したい。

司会 考藤 達哉

国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター
田中 靖人 熊本大学消化器内科学

ワークショップ10全公募
肝疾患の遺伝子解析による病態解明と臨床展開

司会の言葉

本セッションでは、“疾患の根本的原因は遺伝子にある”という発想のもと、「遺伝子」をキーワードとして、多様な肝の病態において、遺伝子解析を用いた分子機序の理解を通じて、診断と治療につなげてゆくような研究を広く公募したい。
遺伝子解析といっても扱う内容は幅広く、対象はDNA・RNA・microRNAであったり、内容も変異・発現・エピゲノムなど様々なものが含まれるが、上記のコンセプトに合致する内容であれば内科・外科を問わず、幅広い方面からの応募を期待する。発展途上段階にある研究であっても、本学会のテーマである「消化器病学の夢」に沿うような内容、すなわち今後を担う若い消化器医に夢と希望を与えるような、新しい発想のもとに行われる研究の取り組みなどは大歓迎である。

司会 正木 勉

香川大学消化器・神経内科
前川 伸哉

山梨大学第一内科

ワークショップ11全公募
肝移植適応疾患の病態解明と診療展開

司会の言葉

肝移植の適応となる疾患は肝細胞性(ウイルス、アルコール、NASH等)や胆道関連(PBC,、PSC、BA等)、腫瘍性(HCC, 肝芽腫)、劇症肝炎等広く多種多彩である。その疾患の進行メカニズムは今迄は疾患モデルや日常臨床でのみ解明されてきたものであったが、肝疾患のリセットである肝移植により肝生検も含めた再発の詳細な観察が可能となった。また部分肝移植である生体肝移植では肝再生の関連やドナー、レシピエントのHLAのコンビネーションなどで新しい知見も創出可能である。HBcAb陽性ドナーからの肝移植による免疫抑制剤下のB型肝炎再発はその1例である。

本ワークショップでは肝移植適応疾患の肝移植による病態解明のエビデンスや、その後の治療介入による病態制御の可能性について各施設より紹介して頂き今後の新しい診療・治療の展開について議論いただきたい。
肝移植外科医のみならず、肝臓内科の先生方からの多方向性の御発表を期待する。

司会 副島 雄二

信州大学消化器・移植・小児外科
江口 晋

長崎大学大学院移植・消化器外科

ワークショップ12全公募
肝疾患の画像情報による病態解明と診療応用

司会の言葉

最近の画像情報は単なる診断でなく、種々の臨床情報、分子・病理学的情報などと融合し解析することで画像から病態を非侵襲的に解明し、治療応用にまで発展している。肝細胞癌においては悪性度診断や分子病理学的解明と治療への活用、肝硬変ではEOBMRIやSonazoid造影による機能診断、非アルコール性脂肪性肝疾患では超音波やMRエラストグラフィさらにPDFFによる病態解明、ウイルス性肝炎では、発癌予測、post SVR 後の病態把握や機能診断への応用、門脈圧亢進症では、肝臓や脾臓の評価による静脈瘤の重症度判定などがその証左である。切除不能肝癌に対する分子標的・免疫チェックポイント阻害剤の治療においてもEOBMRI画像が治療薬選択や治療効果予測にも用いられようとしている。本ワークショップでは画像情報による病態解明や診療における画像情報の有用性について多くの知見を提示して頂き、実りある議論を展開したい。

司会 飯島 尋子

兵庫医科大学消化器内科
土谷 薫

武蔵野赤十字病院消化器科

ワークショップ13全公募
病態に基づく肝疾患医療連携の今後

司会の言葉

B型及びC型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬が進歩した現在も、残存する肝炎ウイルス陽性者の拾い上げや受診・受療の勧奨に、行政や健診施設、非専門医や妊婦検診、職域等との連携に課題が残る。近年増加傾向である非ウイルス性肝疾患においては、生活習慣病やアルコール等を背景とする症例に対して一般医や他領域専門医、健診施設等との連携が望ましい。また特に肝硬変・肝癌を合併する場合は栄養状態、新規薬物対応、通院や在宅支援、緩和医療、仕事と治療の両立支援等に対して多職種での連携が必要である。
本セッションではこのような背景での、病態に基づいた肝疾患に関連する医療連携に対する各施設・地域での今後に向けた取り組みを広くディスカッションしたい。

司会 是永 匡紹

国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝炎情報センター
井上 泰輔

山梨大学第一内科

ワークショップ14全公募
切除不能膵癌・胆道癌の病態解明と診療戦略

司会の言葉

切除不能膵癌、胆道癌の治療戦略は、この数年、急速に変貌している。膵癌では、Drug delivery systemを駆使したナノリポソーマルイリノテカンが二次治療以降で承認され、生殖細胞系列のBRCA遺伝子変異に対するオラパリブも、プラチナ製剤による治療後の維持化学療法として承認された。一方,胆道癌では、FGFR融合遺伝子やIDH変異、BRAF V600E変異などに対する薬剤開発が盛んに行われるようになった。膵癌、胆道癌患者においては、技術革新に伴うEUS-FNBの普及と発展により多くの組織検体採取が可能となり,遺伝子パネル検査に基づくPrecision Oncologyなどの新たな可能性が広がってきている。本セッションでは、膵癌・胆道癌のTranslational researchからの病態解明、バイオマーカーの同定、それに基づく診療戦略についてDiscussionしたい。

司会 入澤 篤志

獨協医科大学医学部 内科学(消化器)講座
池田 公史

国立がん研究センター東病院肝胆膵内科

ワークショップ15全公募
膵癌の早期診断を目指した病態解明と診療戦略

司会の言葉

膵癌の予後は極めて不良であるが、Stage 0,Ⅰの早期診断例では良好な成績が報告されており、早期診断体系の確立が求められている。膵癌の高リスク群として、遺伝子異常を含めた家族性膵癌、IPMN/膵嚢胞、慢性膵炎、新規発症糖尿病などの関連が注目されているが、これらの病態から膵癌に至る過程は解明されておらず、さらに囲い込みにより膵癌の予後向上に寄与するかは明らかではない。本ワークショップでは、膵癌を早期診断するための病態解明から新たな診断体系の確立に向けて、新しい診断マーカーの開発、高危険群のサーベイランス法、早期病変を疑う画像所見の解析、地域病診連携による取り組みなど、様々な角度からの最新の知見をご報告いただき、膵癌の早期診断に向けて討論したい。多くの演題応募を期待する。

司会 花田 敬士

JA尾道総合病院消化器内科
深澤 光晴

山梨大学第一内科

ワークショップ16全公募
胆膵疾患の遺伝子解析による病態解明・臨床展開

司会の言葉

近年、その技術開発や低コスト化と相まって、遺伝子解析は研究のみならず、がんゲノム医療をはじめとする日常臨床にも利用されるようになった。解析対象も生殖細胞変異から体細胞変異、コピー数異常やメチル化、マイクロRNAをはじめとするnon-coding RNAと広範となり、切除組織のみならず生検や細胞診検体、血漿・膵液・胆汁などの体液まで利用されている。しかし胆膵疾患の早期診断に有用なバイオマーカー開発や病態解明への展開は容易ではない。本セッションでは遺伝子変異や遺伝子発現変化、RNAまで、胆膵疾患の病態解明や診断法、治療法開発など臨床応用につながる可能性のある演題を広く募集する。新たな疾患関連遺伝子異常のみならず、膨大な遺伝子データと臨床情報を組み合わせる解析手法、臨床検体を使用する際の問題点・克服法などの演題も期待する。

司会 正宗 淳

東北大学消化器内科
高野 伸一

山梨大学第一内科

ワークショップ17一部指定(一部公募)
NETの病態解明と診療戦略の展開

司会の言葉

膵・消化管神経内分泌腫瘍(NEN)は徐々に発生頻度は増加してきている。日本では膵・消化管NEN診療ガイドラインが2019年に改訂され、診断および治療の標準化も進んできました。治療は外科手術が標準であるが、最近の薬物療法の進歩により治療選択肢が増え、さらに局所療法およびペプチド放射線受容体療法(PRRT)を加えた集学的治療が期待されています。一方、今後の展開として、新しい治療標的や病態解明のための基礎的研究も進んできています。腫瘍微小環境に関わるPDO, PDXの解明を筆頭に、血管新生促進因子、セロトニン、CLEC3A、MMP7およびTGFβなどの細胞外マトリックスのリモデリング関連因子の関与、さらには免疫チェックポイント分子の関与などが注目を浴びています。また、バイオインフォマティクスを用いた遺伝子解析および多層オミックス解析はNENの予後予測が可能となりつつあります。以上より、本セッションでは基礎から臨床までの幅広い最新の研究成果を持ち寄り、膵・消化管NENの診療戦略と病態解明ついて討議を行いたいと思います。多くの演題をお待ちしています。

司会 伊藤 鉄英

国際医療福祉大学/福岡山王病院消化器内科/膵臓内科・神経内分泌腫瘍センター
工藤 篤

東京医科歯科大学肝胆膵外科