学術会長挨拶

第83回日本癌学会学術総会
学術会長 赤司 浩一
(九州大学第一内科)

2024年9月19日(木)から21日(土)までの3日間、第83回日本癌学会学術総会を福岡国際会議場で開催することになりました。この数年間、Covid-19の影響で学会活動は大きな負のインパクトを受けてきましたが、日本癌学会はその中でも活動力をなんとか保ち、間野会長による第82回学術総会の成功を見て、いよいよ第83回学術総会は本来のパワフルな姿に戻ることができると張り切っております。

日本癌学会は長い歴史と伝統を誇る学会です。その使命は「がんという病態を基礎から掘り進め、基礎と臨床の両領域が連携し、その征圧に向けて新しい知見を世界に発信すること」にあります。がんの基礎的理解は、ゲノミクス、エピゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクスなど、様々なオミクス分野での計測技術の進歩、そして情報科学とAIにおける革新によって急速に進展しています。一方、得られた情報をもとに様々なモダリティを駆使し、臨床現場でがんを制圧するための数々の薬剤開発が急速に進化しています。まさに現在、がんを制御する時代からがんを完全治癒させる時代への大きな転換期を迎えており、今回の学術総会のテーマはシンプルに、「完全治癒を目指すがん研究」とさせて頂きました。

日本では、2019年から固形がん領域で、さらに2024年度には造血器腫瘍領域でも、がん関連の遺伝子配列を解析し治療法を最適化する「がんゲノム医療」が始動する予定です。また、がん幹細胞を標的とする遺伝子変異に依存しない新しい治療法も開発が進んでいます。第83回学術総会では、これらの新しい課題にも注目しながら、計測機器開発や新規薬剤開発に関わる方々、さらにそれらの臨床応用に携わる医療人など、多様な人々が「がんを撲滅する」という使命の下に集まる、楽しく華やかな学術総会にしたいと考えています。福岡での学術総会は約20年ぶりの開催となります。福岡は交通の便が良く、魅力的な街です。会長として、皆様に積極的にご参加いただき、現地で楽しんでいただけることを心より願っております。どうぞ皆様のご参加をよろしくお願い申し上げます。