会長挨拶

日本泌尿器腫瘍学会 第9回学術集会
会長 溝脇 尚志
(京都大学大学院医学研究科 放射線腫瘍学・画像応用治療学 教授)

この度、日本泌尿器腫瘍学会第9回学術集会の会長を務めさせていただくことになりました。本学会は、泌尿器科領域の悪性腫瘍の診療や研究に携わる医師を中心に、泌尿器科、放射線科、腫瘍内科、病理学等診療科の境界を超えた領域横断的な学会として、泌尿器腫瘍の診断・治療においてきわめて重要な存在であります。第9回学術集会は、泌尿器科以外の教室が開催させていただく初めての学術集会であり、このような機会をいただき大変光栄に存じます。会期は、例年どおり第61回日本癌治療学会学術集会(横浜)の最終日より2日間:2023年10月21日(土)、10月22日(日)、会場は第7回学術集会に引き続き、横浜の高島屋ローズホールです。
さて、本学術集会のテーマは、泌尿器腫瘍学の転換点 -点と点から三次元への展開- とさせていただきました。近年、泌尿器腫瘍領域におきましては、新規薬剤や新たな治療アプローチが多数登場して標準治療を変えるエビデンスが続々と報告されており、まさに大きな転換点となっています。しかし、あまりに早く複数の新機軸が登場したために、個々のエビデンスはいわば点の状態で存在しています。すなわち、比較対象の標準治療がもはや過去のものであったり、複数の新規薬剤の使い分けをどうするかなど、実臨床への展開に際して多くの未解決・問題点が残されています。したがって、ばらばらの点として存在するこれらの新知見を線から面へと繋いでゆくことが求められると考え、本学術集会のテーマといたした次第です。さらに、立体(3次元)的な新展開へ繋がる期待も込めさせていただきました。また、放射線科の教室が担当させていただく会ならではの企画も盛り込みたいと考えております。
新型コロナウイルス感染症が今後どのような展開を見せるかは予想困難ではございますが、可能な限り現地主体での開催を目指しております。皆様方のご協力・ご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。