ご挨拶
第70回日本手外科学会学術集会
会長 村瀬 剛
(ベルランド総合病院副院長・ハンドセンター長、大阪大学招へい教授)

このたび、第70回日本手外科学会学術集会を、2027年4月22日(木)・23日(金)の2日間、大阪・うめきたの地に位置するコングレコンベンションセンターにて開催させていただく運びとなりました。本学会は1957年の創設以来、わが国の手外科における学術・診療の発展を力強く牽引してまいりました。この記念すべき第70回という大きな節目を、私ども大阪大学手外科グループが担当させていただきますことを、心より嬉しく存じます。
本学会の歩みと重なるように、大阪大学手外科グループも約70年の歴史を刻んでまいりました。先天異常、腕神経叢損傷、リウマチ手、スポーツ上肢障害、人工関節、そして近年では三次元動態解析といった広範な分野において、先達の足跡を辿りつつ、日々研鑽を積んでまいりました。こうした歴史の中で、本学術集会を当グループとして初めて主催させていただく機会を得ましたことに大きな慶びを感じておりますとともに、その責任の重さを改めて実感しております。この歴史的な重みを真摯に受け止め、実り多き会となるよう準備を進めております。
今回のテーマは「手外科のアート&サイエンス(Hand Surgery as Art and Science)」といたしました。手外科は、微細な解剖構造をミリ単位で扱う精緻な手技、機能回復のみならず整容的な美しさをも追求する「Art(芸術・技)」としての側面を色濃く持っています。一方で、コンピューター支援手術、再生医療、ロボティクス、さらにはAIによる診療支援など、日進月歩の「Science(科学)」の恩恵を最も受けている領域の一つでもあります。先人が磨き上げてきた究極の「技(Art)」と、次世代を切り拓く「科学(Science)」が高い次元で融合した姿こそが、手外科における真の「最先端」であると確信しております。本学術集会では、この「アート」と「サイエンス」の両側面から手外科の現在地を見つめ直し、未来への指針を皆様と共有したいと考えております。
本会では、専門医の皆様による円熟した議論はもとより、次世代を担う若手医師たちが手外科の深遠なる魅力に触れ、明日からの臨床への情熱を新たにする場を提供することを目指します。会場となる大阪・うめきたエリアでは、ちょうど本学術集会の開催時期に「グラングリーン大阪」が全体まちびらきを迎え、緑豊かな都市公園と最先端のイノベーション拠点が融合する新しい街へと進化を遂げます。この歴史的な転換点にある大阪の地で、全国から集う会員の皆様と対面で深く語り合えることは、大きな喜びでございます。また、開催翌月の2027年5月には、韓国でAPFSSH(アジア太平洋手外科学会)が開催されます。本会が、アジア、そして世界へとつながる発信の拠点となるよう、国際的な視野を取り入れたプログラムも準備しております。
春爛漫の大阪にて、皆様の温かいご支援を賜りながら、手外科のさらなる発展に寄与できるよう精一杯努めてまいります。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。