第63回日本糖尿病学会年次学術集会

会長特別企画・緊急特別シンポジウムの概要

会長特別企画1

SGLT2 阻害薬が臨床にもたらしたもの

糖尿病は、古く紀元前から、多尿を呈し、身と骨が尿に溶け出す病態として記載が残されています。この疾患では、尿が甘くなること、その甘さの原因が糖であることが明らかとされたのは1600-1700年代であり、当時、糖尿病の首座は腎臓にあると考えられていました。その後、糖尿病研究・診療の中心は膵、肝、筋、脂肪といった代謝臓器に移りましたが、SGLT2阻害薬の登場と共に、今再び糖尿病と腎臓の関係に注目がよせられています。さて、近年登場したSGLT2阻害薬には、尿糖排泄促進による血糖降下作用を超えた臓器保護作用が存在する可能性が示され、今後の糖尿病診療、糖尿病合併症診療に大きな期待が寄せられています。そこで、SGLT2阻害薬に関するこれまでの知見を包括的に議論する場を、会長特別企画1「SGLT2阻害薬が臨床にもたらしたもの」として企画いたしました。シンポジウムでは、国内外の6名の演者の先生より、主にSGLT2阻害薬の臨床的知見についてご講演頂く予定です。

座 長: 羽田勝計(旭川医科大学/(医)共創会)
小田原雅人(東京医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科)
演 者: Peter J. Grant(Clarendon Way University of Leeds)
Carol Pollock(The University of Sydney School of Medicine)
絹川弘一郎(富山大学 循環器内科・腎高血圧内科)
古家大祐(金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学講座)
荒木厚(東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科)
加来浩平(川崎医科大学 内科学)

会長特別企画2

生活と人生の質の医療学-チーム医療と糖尿病のトータルケア

治療薬という科学的手法だけでは克服することが困難な糖尿病診療の中で、心理的アプローチの重要性を4名の先生にお話しいただくと共に、特別演者として作家の柳田邦男氏を迎え、ご講演いただきます。

座長からの言葉

糖尿病学における科学的進歩は著しいものがある。一方で、病気をもつひとのこころは時代を経てもかわらない悩みや苦しみ、当惑を抱えている。それが患う(わずらう)ことであり、ヒポクラテスがpathema、sufferingと表現したものである。したがって、医療は身体的苦痛の除去、疾病の進展過程の制御とともにこころの苦悩に応えていく必要がある。それは医学的な論理や根拠だけでは対応できない、病者の信念や経験、生活や人生に根差すものであり、こころは一人ひとり異なっている。このような個人の病の体験のケアは医療者にとって必須の役割であり、学会タイトルであるトータルケアに包括されている。ただ、医学的な事実と異なり、こころのケアは医療者のアートに依存し、記述として残されることが少なく、体系化がなされてこなかった。糖尿病医療におけるアートの部分を医療者がつなぎ、手渡していくためにはその体系としての医療学が必要である。本シンポジウムは、その全体像を明らかにすることを目的とする。

座  長: 石井均(奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座)
皆藤章(奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座)
演  者: 門脇孝(虎の門病院)
臼井玲華(京都保健会 総合ケアステーションわかば 訪問看護 訪 問看護科)
皆藤章(奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座)
石井均(奈良県立医科大学 医師・患者関係学講座)
特別公演: 柳田邦男(ノンフィクション作家)

会長特別企画3

The eve of the 100th anniversary of insulin discovery
~医学・医療に果たしたインスリンの偉大な功績を讃えて~

1921年、バンティング博士とベスト博士の2名によりインスリンは発見されました。この発見は、それまで治療法のなかったインスリン依存型糖尿病患者さんの生命に希望の光を与えました。そしてその翌年、この功績に対してノーベル医学生理学賞が授与されました。その後、インスリンが、1型、2型を問わず、多くの糖尿病患者さんの生命予後、健康予後の改善に貢献したことは言うまでもありません。本会が、この重大な発見からちょうど100年となる2021年の前年に開催されることから、『The eve of the100th anniversary of insulin discovery ~医学・医療に果たしたインスリンの偉大な功績を讃えて~』と題したシンポジウムを会長特別企画の一つとして予定しました。シンポジウムでは、国内外の6名の演者の先生より、インスリン発見から現在に至る糖尿病診療の歴史的変遷に加え、糖尿病診療の未来について、それぞれの先生の視点からご講演頂く予定です。

座 長: 河盛隆造(順天堂大学)
加来浩平(川崎医科大学 内科学)
演 者: 陣内秀昭(医療法人社団陣内会 陣内病院)
内潟安子(東京女子医科大学東医療センター)
横山宏樹(医療法人社団横山内科クリニック)
George King(Joslin Diabetes Center Professor of Medicine and Ophthalmology, Harvard Medical School)
Harris Stewart(Department of Family Medicine Department of Epidemiology and Biostatistics Division of Endocrinology and Metabolism The University of Western Ontario, London, Ontario)
河盛隆造(順天堂大学)

緊急特別シンポジウム

COVID-19 〜我が国の現状と糖尿病診療との関わり〜

昨年末に中国で初めて確認されたCOVID-19感染は、瞬く間に世界中に拡大し、2020年8月時点で、感染者数は2,500万人、死者数は84万人を上回り、今もなお世界中で猛威を奮っています。糖尿病はCOVID-19感染に伴う死亡リスクとなることが示されており、糖尿病診療に携わる医療人にとっても大きな脅威となっています。そこで、我が国のCOVID-19の現状、糖尿病診療との関わり、そして未来について包括的に議論する場を、緊急特別シンポジウム『COVID-19 〜我が国の現状と糖尿病診療との関わり〜』として企画しました。シンポジウムでは、4名の先生より、糖尿病診療に携わる者が知っておくべきCOVID-19に関する知見を、それぞれの先生の視点から解説いただきます。

座 長: 門脇孝(虎の門病院)
前川聡(滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科)
演 者: 大曲貴夫(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)
渥美義仁(永寿総合病院 糖尿病臨床研究センター)
山﨑真裕(京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学)
片山和彦(北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学)

事務局

滋賀医科大学 内科学講座 糖尿病内分泌・腎臓内科
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
TEL: 077-548-2222

運営準備室

日本コンベンションサービス株式会社
〒541-0042 大阪市中央区今橋4-4-7京阪神淀屋橋ビル2階
TEL: 06-6221-5933 / FAX: 06-6221-5939
E-mail: 63jds@convention.co.jp

学会に関するお問い合わせについて

新型コロナウイルス感染症の感染防止徹底のため、第63回日本糖尿病学会年次学術集会 事務局ではテレワークを実施しておりE-mailのみでの対応とさせていただきます。
ご不便をおかけしますが、お問い合わせの際は下記E-mailアドレスまでご連絡をお願いいたします。

【第63回日本糖尿病学会年次学術集会学会 運営準備室】

E-mail:63jds@convention.co.jp