会長挨拶

豊田長興
(関西医科大学 内科学第二講座)

令和6年能登半島地震におきまして被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。又、被災地での復興支援に携わられている医療関係者の皆様には心より感謝申し上げます。私達医療に携わる者が、糖尿病を有する患者さんに、日々の診療において災害時の対応方法を伝えておくことの重要性を再確認致しました。

第61回日本糖尿病学会近畿地方会を、[叡智を結集しチームで拓くDMプラクティス]というテーマで開催させていただきます。日本糖尿病協会 大阪府支部長の權野 博様が世話人を務められます第60回日本糖尿病協会近畿地方会と同時開催となります。糖尿病を有する患者さんの診療に際しては、他の診療科との連携、地域の医療機関との連携、多職種との連携など、それぞれのチームが、各々の叡智を結集して取り組む必要があります。今後ますます増えることが予想される糖尿病を有する高齢の患者さん、独居や老々介護を与儀なくされている患者さんをどのように診療していくのか、チーム一丸となって取り組まないといけない重要な課題です。

一方、糖尿病を持つ患者さんへのステイグマの克服も重要な課題です。私達、医療に携わる者が率先して、糖尿病の患者さんのステイグマを無くす努力をしなければなりません。

近年、SGLT2阻害剤、GLP-1受容体作動薬などの心臓・腎臓に対する有効性に関するいくつものエビデンスが得られるようになり、糖尿病の治療にパラダイムシフトをもたらしました。臨床のエビデンスの持つ影響力を実感する時代でもあります。さらに、持続血糖測定器の登場も、糖尿病診療にパラダイムシフトをもたらしました。いまや、持続血糖測定の結果なくして、安全に治療できない時代になりました。さらに、インスリンポンプ機器も目覚ましく進歩しています。薬剤や機器の進歩が目覚ましい時代ではありますが、食事療法、運動療法が重要であることは言うに及びません。

特別講演、シンポジウム、教育講演、特別企画など皆様に喜んでいただけるプログラムを鋭意作成中です。さまざまな領域の皆さんに参加いただけるような企画を準備しています。

今回の開催日程は、10月26日(土)です。是非、この機会に大阪に足をお運びいただき、学会とともに大阪の街や文化を満喫いただければと思います。多くの方々のご参加を心よりお待ちいたしております。