第53回日本内分泌外科学会学術大会 第53回日本内分泌外科学会学術大会

会長挨拶

 今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の感染拡大により、皆様方におかれましてはご自身の罹患や濃厚接触の不安のなか、厳しい診療業務の状況にあると拝察いたします。心よりお見舞いを申し上げます。出口の見えない状況ですが、この環境の中であるべき学術大会に向けた準備を進めてまいります。開催形態につきましては、皆様が安心・安全と感じていただける方法について知恵を絞りたいと思います。今後ともご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

2020年4月24日

第53回日本内分泌外科学会学術大会
会長 筒井 英光

ご挨拶

第53回日本内分泌外科学会学術大会
会長 筒井 英光
(東京医科大学 呼吸器・甲状腺外科学分野 教授)

 この度、第53回日本内分泌外科学会学術大会を2020年11月26日(木)と27日(金)の2日間、新宿の京王プラザホテルで開催させていただくことになりました。伝統ある本学会を主催できますことは誠に光栄であり、このような機会を与えて下さいました会員の皆様に心より感謝申し上げます。

 学術大会のテーマを「集え、内分泌外科の頂へ」と致しました。甲状腺・副甲状腺や副腎の外科に関して、多くの領域の医師に集まっていただき、お互いをリスペクトしながら、診療科の垣根を越えて最先端の内分泌外科を熱く議論して欲しいという願いを込めています。学会ポスターは各領域の専門家達がベースキャンプに集まり、皆で知恵を出し合って同じ目標に向かって登っていく姿をイメージしています。

 2010年以後、本邦の甲状腺外科診療は大きく変わりました。第一には、わが国独自のガイドラインが発表されたことです。翌年には英訳版が世界に向けて発信されました。その結果、高リスク乳頭癌に対する放射性ヨウ素(RAI)内用療法を前提とした全摘術が増加すると共に、RAI実施環境の整備も進みました。低リスク微小乳頭癌の積極的経過観察は米国のガイドラインにも影響を与えました。ハード面では新しい手術機器が登場し保険加算の適応拡大により、エナジーデバイスや術中神経モニタリングは甲状腺手術に欠かせない存在となりつつあります。根治切除不能の分化型甲状腺癌に対する分子標的薬治療は臨床家に浸透し、その開始タイミングや長期マネージメントの方法についても次第に明らかになってきました。
 この10年間の進歩はとりわけ顕著であり、学ぶべきことが何倍にも増加したと感じられます。本会ではこれら注目すべき研究内容の最先端(頂)を取り上げると共に、会員の皆様の要望を網羅し、プログラム編成にも留意して、参加しやすく満足度の高い学術大会となることを目指します。過去6回にわたり別会期で開催されてきた甲状腺副甲状腺術中神経モニタリング研究会は発展的に解消され、その内容は本学術大会のプログラムに入ります。これまで日程の関係で参加出来なかった皆様には朗報かと存じます。

 本会が参加される皆様にとって実りあるものとなりますよう、万全の準備・運営を進めて参ります。多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。