第51回日本膵臓学会大会第51回日本膵臓学会大会

会長挨拶

第51回日本膵臓学会大会
会長 竹山 宜典
(近畿大学医学部外科学教室 肝胆膵部門)

 このたび第51回日本膵臓学会大会を、お世話させていただきます近畿大学の竹山です。まず、このたびの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりお亡くなりになられた方々へ謹んで哀悼の意を表します。さて、すでにお知らせいたしました通り、このたびのCOVID-19予防対策として、本来予定しておりました7月の会期・会場を変更し、2021年1月8・9日に神戸国際会議場にて延期して開催させていただくことを、まずご報告させていただきます。そして、世界の膵臓学をリードしてきた伝統ある本学会の年次学術集会を担当させていただくにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 本学会は1970年の春に日本膵臓病研究会として発足以来、50回の学術集会が開催されており、その中で第24回、第27回、第31回大会が日本消化器病週間(JDDW)の参加学会として神戸にて開催されております。日本膵臓学会単独での神戸での開催ははじめてとなります。近畿大学として本学会学術集会を主催させていただくのは初めてのことであり、教室員一同大変光栄に存じております。予定から時期も場所も変更しての開催となりますが、通常開催に負けない内容にするべく、精一杯努力させていただきます。

 本学術集会を主催させていただくに当たり、テーマを「膵臓を究める」とさせていただきました。本学会は、45年前に「膵臓病研究会」から「膵臓学会」へと名称変更しておりますが、それは単に研究会から学会になったというのみならず、膵臓という臓器を疾患という側面からだけではなく、基礎・臨床を含めた多方向から究めることを目指されたものと考えます。本学会が51回という新たな一歩を踏みだすにあたり、学会設立時の心意気に立ち返る意味を込め、膵臓という臓器を究める学術集会にしたいと思います。

 特別講演では、近畿大学水産研究所の家戸敬太郎教授に近畿大学が誇る成果である世界初のクロマグロ完全養殖達成の経緯につきご講演を依頼しています。またもう一つの特別講演として、大阪大学医学部分子病態生化学の菊池章教授に細胞内シグナル伝達から癌治療、特に膵癌治療にアプローチするご講演をいただく予定です。さらに教育講演としては、近畿大学医学部ゲノム生物学の西尾和人教授に膵癌のゲノム医療の最前線につきご講演いただきます。

 COVID-19の今後の動向からどのような形態での開催になるか不確定の部分もありますが、感染対策に留意しつつできる限り通常の形態での開催を目指していく所存です。診療科や職種の垣根を越えてできるだけ多くの皆様に参加していただき、記録にも記憶にも残る学術集会にしたいと祈念しておりますので、奮ってご参加いただきます様お願い申し上げます。