会長挨拶

第39回日本糖尿病学合併症学会
会長 島野 仁
(筑波大学医学医療系内分泌代謝・糖尿病内科)

この度、第39回日本糖尿病合併症学会を2024年10月4日(金)~5日(土)につくば国際会議場にて開催させていただくことになりました。

昨今の糖尿病や肥満症の診療技術の進歩により、血糖の管理は、量、質とともに良い方向に向かっている印象ですが、果たして患者さんが「血糖などを良好に管理することで、糖尿病の進行や合併症・併存症を予防し、糖尿病のない人と変わらない生活を送れるようにする」という社会目標の達成に向かっているかはこれからの課題です。

糖尿病合併症のメカニズムを解明、重症化、進展を阻止、予防をめざすにあたり、従来の血管リスクに伴う合併症だけでなく、心不全、サルコペニア、フレイル、認知症、うつ、がんなどにも注目し、多職種連携のみならず診療科を超えた連携がこれまで以上に重要になってきております。また、これら合併症・併存症の理解のためには、各臓器や構成細胞の相互作用、ストレス、炎症、発生、分化にまで対象を広げる必要があると考えます。そこで、本学会のテーマを従来の血管合併症からやや視野を広げて「臓器保護の視点からみた糖尿病合併症戦略」といたしました。臓器保護のための治療戦略のアップデートと解決すべき課題について特別講演、シンポジウム、ワークショップを通じて、皆さんとディスカッションができればと考えております。また、第38回大会に引き続き、今大会も糖尿病合併症学会単独での開催になりますが、合同シンポジウムを通じて、内科・眼科連携における課題についても取り上げる予定です。

コロナ禍が与えた影響は、人とひととのコミュニケーションのあり方に大きな影響を与えたと思います。これからの社会に、教育にどのような意味があるのか、その後の経過にある本学会で、皆さんとの触れ合いを通じて一緒に今後の集会のあるべき姿も考えていきたいと思います。また、臓器を守り、心を健やかにして、ひとにとってのwell beingとは何かを未来目線で語り合える場になればとも考えております。かわることをやまぬ学園都市つくばの街の風景の中、つくばらしい学会として、活発なディスカッションや楽しいイベントを用意しております。

スタッフ一同、みなさまの御来筑を心待ちにしております。