会長挨拶

第34回日本糖尿病合併症学会 会長挨拶

第34回日本糖尿病合併症学会
会長 佐々木 秀行
(和歌山県立医科大学 みらい医療推進センター
 サテライト診療所 本町 糖尿病・代謝部門 教授)

この度、2019年9月27日(金)~28日(土)に、大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)におきまして第34回日本糖尿病合併症学会を第25回日本糖尿病眼学会総会と合同で開催させていただくこととなりました。
両学会のメインテーマは、糖尿病眼学会を主宰されます、福井大学医学部眼科学教室の髙村佳弘先生と相談し「糖尿病合併症の根絶をめざして」といたしました。

近年の糖尿病およびその合併症診療の進歩は目覚ましく、2016年の「糖尿病の死因に関する委員会報告」では糖尿病患者の死亡原因に占める血管合併症の割合は、悪性新生物、感染症に次ぐ第3位に下がり、死亡時年齢も着実に高くなっています。また、視覚障害の原因疾患においても糖尿病網膜症は第3位に後退し、血液透析導入の原因疾患の占める糖尿病腎症の割合も横這い状態になるなど重症の糖尿病合併症は減少傾向にあると思われます。しかしながら、糖尿病合併症による死亡や著しいQOL低下に苦しむ患者は後を絶ちません。さらに、高齢糖尿病患者の増加に伴い、癌、認知症、歯周病、サルコペニアなどが新たな糖尿病合併症として認識されるようになり、その克服が重要課題となっております。糖尿病治療の目標「健常人と変わらないQOLを保ち、健常人と変わらない寿命を全うする」を実現するため、糖尿病合併症の根絶をめざして、研究・診療に精進し弛まぬ努力を続けてゆこうという趣旨であります。ポスターには福井、和歌山両県の修行の場である永平寺と高野山、偉大な医学の先人である杉田玄白の解体新書と華岡青洲の像を入れております。
糖尿病合併症は全身のさまざまな臓器に及び、その病態・重症度も多岐にわたります。また、予防・治療の成果を得るには患者自身の行動変容が必須であります。したがって、基礎医学と臨床医学、医師を含むメディカルスタッフ相互の緊密な連携、情報交換が大変重要であります。2019年の本学会では、さまざまな分野の先生方に最新の知見をご発表いただき、知識を共有し討論する場として、また、糖尿病合併症の研究、診療、療養支援に関わる皆様の交流の場としてご活用いただけるよう、特別講演、シンポジウム、教育講演、ワークショップなどの企画を進めております。
日本糖尿病療養指導士認定機構と共同してメディカルスタッフのためのセミナーも予定しております。

ご参加される皆様にとって実り多き会になりますよう、全力で準備しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

平成30年11月吉日

第25回日本糖尿病眼学会総会 会長挨拶

第25回日本糖尿病眼学会総会
会長 高村 佳弘
(福井大学医学部 眼科学教室 准教授)

このたび、第25回日本糖尿病眼学会総会を担当させていただくこととなりました。平成31年9月27日、28日の2日間、大阪国際会議場において、日本糖尿病合併症学会を主宰されます和歌山県立医科大学みらい医療推進センターの佐々木秀行教授とともに合同で開催させていただきます。

特別講演は眼科からは東京医科大学八王子医療センターの志村雅彦教授、内科からは埼玉医科大学の島田朗教授にお願いしております。本総会ではガイドライン、ビッグデータ、神経保護に関する3つのシンポジウムを企画しました。糖尿病網膜症の診断、治療は複雑であり、実臨床においては様々なアプローチが展開されています。しかし選択肢の増加とともに一定の規範が求められ、現在 糖尿病網膜症ガイドラインが作成されつつあります。本シンポジウムにてその全容をお示しする予定ですので、眼科医のみならず糖尿病合併症に携わる全ての方々に周知させていただく良い機会となればと思います。近年は膨大な症例数によるデータを伴った報告が特にアジア諸国から数多く発表されており、日本でもビッグデータに基づいた多施設での解析の重要性が高まっています。研究と取り巻く現状が激変する現状で、臨床研究の今後のひとつの指針となる有意義なシンポジウムとなるでしょう。また血管病変である糖尿病網膜症は神経疾患としての側面も持ち合わせていると考えられます。本シンポジウムを通して、糖尿病網膜症に対する新たな治療戦略が新たに示されるに違いありません。

教育講演は、血糖管理、循環系、腎機能において眼科医が知っておくべき糖尿病全身管理について、そして教育セミナーでは「自科の常識・他科の非常識」と題して内科と眼科、日常臨床に潜む落とし穴についてのレクチャーをいただく企画を設けましたので、特に若い先生方にご参加いただきたいと思います。またメディカルスタッフセッションでは視能訓練士の活躍を取り上げるとともに、今年も一般演題は奨励賞の対象となりますので、多数の演題募集を募りたいと思います。

今回の合同学会の共通テーマは「糖尿病合併症の根絶をめざして」です。糖尿病合併症の根絶を目指してのこれまでの歩みを基に、更なる進化を目指そうという気概を込めました。眼科医と内科医、そしてメディカルスタッフがともにどこまでこの見果てぬ目標に近づけるか、糖尿病合併症の根絶は実現可能な夢であると実感していただけるような、そんな総会にしたいと祈念しております。

本会が、参加される皆様にとって実りあるものになるよう、鋭意準備を致しております。多くの皆様のご参加をお待ち致しております。

平成30年11月吉日