会長挨拶

第 111 回日本泌尿器科学会総会
会長 冨田善彦
新潟大学 医歯学総合病院 病院長 泌尿器科 教授

この度、第 111 回日本泌尿器科学会総会を 2024 年 4 月 25 日(木)~27 日(土)の予定で、パシフィコ横浜を会場として開催させていただきます。このような栄誉ある機会をいただきましたこと、会員の皆様方に心より感謝申し上げます。

総会担当校として立候補するにあたり、2024年は大変革がおきる時期Technological Singularity(技術的特異点)になると申し上げたのが2018年の8月でした。その根幹にはICT、特にArtificial Intelligence (AI) Technologyの進歩であり、医療、介護もそれに沿った変革を迎えるであろう、と考えておりましたが、現在進行形で進む、ChatGPTをはじめとしたAIの社会への実装は、これまでのルーチーンを確実に、しかも、短期間に変えつつあります。医学の歴史上、常に新しい技術を取り入れてきた泌尿器科学も、また一つ技術的限界を超えることになるのかもしれません。

広くDEI(ダイバーシティ、イクイティ、インクルージョン)が社会的に認知され、これまで存在した境界が取り払われた世界になってゆくものであろうと考えます。現在、世界の特定の地域で、大変残念なことが起きてはいますが、Nationをこえた交流も、Interactive Technologyにより、より一層、一般的になることは、すでに必然に思えます。

今回のJUA2024は「Beyond Boundary 領域、境界、限界をこえて…」をテーマにしました。超えるべきBoundaryとその対応は、

Technical limitation 技術の新展開
Rural and Urban divide 地方と都市部の共栄
DEI、Diversity ダイバーシティ受け入れの推進
Nation 国際化
Medical Field 境界領域での協業
Medical professional & Patients and their families 医療者と患者さん・家族との協業
Socio-Academic 産学連携

などが考えられますが、会員の皆様が医療界のなかで先駆けて超えてゆくことをイメージできるようにしたい、と思います。

最後に 2024 年 4 月の開催は、教育講演とプログラムの一部はWebでの対応をする予定ですが、現地での開催を中心とし、横浜での 3 日間が皆様にとって有意義なものになるよう、様々な内容を組み込んでおりますので、多数の皆様のご参加をお願い申し上げます。