ご挨拶
第66回日本手外科学会学術集会
会長 佐藤 和毅
慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センター教授
この度、2023 年 4 月20日(木)・21 日(金)の 2 日間、新宿京王プラザホテルにおいて第66回日本手外科学会学術集会を開催させて頂きます。本会開催にあたり関係の皆様に深く感謝致しますとともに、その重責と使命を深く感じております。本学術集会が手外科のさらなる発展に繋がるよう、誠心誠意努力致す所存です。
慶應手外科同門での本学術集会開催は、第3回(1959年岩原寅猪先生)、第20回(1977年池田亀夫先生)、第33回(1990年矢部裕先生)、第52回(2009年堀内行雄先生)、第58回(2015年根本孝一先生)以来6回目、慶應義塾大学としての開催は1990年以来33年振りになります。
本学術集会のテーマは『原点と挑戦』と致しました。手は精妙な構造を持ち巧緻運動を可能にすると同時に繊細な知覚機能を有し、「第2の目」、創造性を支える「魔法の杖」と評されます。このような手がひとたび傷害を受けると、高度な障害を遺残し日常動作に支障をきたします。手に傷害を負った戦傷兵の救済を目的として1946年に米国で発した手外科は手の機能再建学として発展し、その治療対象は外傷のみならず変性疾患やスポーツ障害、先天異常など多岐にわたります。手外科医のすべきことは、傷害を有する手を可能な限り正常な状態に再建して機能・整容の損失を最小限に留めることであり、その責務こそ手外科の『原点』と考えます。
本学術集会では、手外科の原点である手の機能・整容再建の重要性を再認識すると共に、最新の画像診断技術、新しい医療技術や医療材料、再生医療の最前線など、手外科のさらなる高みを目指す『挑戦』にも焦点を当てたいと思います。有益で魅力的な情報を発信するとともに、手外科の未来について議論をしたいと思います。
本会ではアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、韓国から計6名の先生を招聘するほか、香港手外科学会、台湾手外科学会からのtravelling fellowの参加を予定しております。ポストコロナの時代を見据え、国際交流も再び活発化したいと考えております。
本学術集会が、臨床・研究の両面において手外科学のさらなる高みを目指す啓蒙の場になること、そしてご参加頂く先生方にとって実り多い学会になることを願い、慶應義塾大学整形外科上肢班の力を結集して皆様をお迎えする準備を進めております。多くの先生方のご参加を心よりお待ち申しあげます。