拝啓 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より格別のご高配を賜りまして、厚く御礼申し上げます。第2回日本腎不全合併症医学会学術集会・総会の会長を務めさせていただくにあたり,ご挨拶を申し上げます。
腎不全合併症は,貧血・CKD-MBD・電解質異常・心血管系合併症,高血圧,高尿酸血症,易感染症・透析アミロイド症・閉塞性動脈硬化症等など多岐にわたり慢性腎臓病患者の生命予後やADL・QOLに大きな影響を与えます。これら合併症治療は医療従事者や企業の皆様の御努力によって画期的な新薬や新しいデバイスの開発に伴い飛躍的な進歩を遂げています。更に多くの腎不全合併症に関連したガイドラインが発表され,明確な管理指針も示されています。一方で近年の研究によって腎不全合併症の中には発症・進展の過程において独立しているものばかりではなく,相互的な影響を与えながら,悪化し慢性腎臓病患者のADL・QOLの低下や生命予後の悪化に繋がっているものが存在している事も明らかになっています。よってこれから腎不全合併症も単一の疾患概念に囚われず俯瞰的に管理する事が求められます。本大会ではそれぞれの分野において第1人者の先生方の御講演,パネルディスカッション,一般演題を通じて腎不全合併症治療の最先端の知識を共有するとともに,今後の腎不全合併症の理想的な管理のあり方を議論できれば幸いです。末筆ながら,皆さまの益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。