会長挨拶
第36回日本肝胆膵外科学会学術集会
会長 大段 秀樹
(広島大学病院 消化器外科 教授)
この度、第36回日本肝胆膵外科学会学術総会を2024年6月28(金)-29日(土)に広島国際会議場において開催させていただくことになり、光栄に存じております。会の開催に際し、ご指導とご支援を賜ります会員の皆様に熱く御礼申し上げます。
本会のテーマは、Finding Harmony between Science and Art in HBP Surgery 〜科学と技術の調和を求めて〜と致しました。バイオテクノロジーが深化を極めたポストゲノム時代において、肝胆膵外科医が「科学に裏付けられた専門性」を養うために、生命科学と医療技術にいかなる調和を持って対峙するべきなのかは、百人百様のお考えがあると思います。高度な技術を習得し、長時間の手術や急変に対応しなければならない外科を志望する若手医師自体が減少している現状において、生命科学への貢献をも志すことは空理空論なのでしょうか。しかし、病気に直面し患者が必要とする治療手段を最もよく知る外科医が、困難な臨床状況を切り抜ける手段を見つけ出す術を身につけるには、科学と技術の調和の中に身を置かなければなりません。
日本肝胆膵外科学会は、1989年に日本肝胆膵外科フォーラムとして発足し、1993年に日本肝胆膵外科学会となりました。発足以来、ArtとScienceが学会の運営ならびに行動目標として掲げられています。名誉創立者 高田 忠敬先生、名誉理事長 宮崎 勝先生、前理事長 山本 雅一先生、現理事長 遠藤 格先生は、一貫して『日本で創出された科学的エビデンスを医療技術として世界に向けて発信する』ことの重要性を説き導いてこられました。このような学会理念を背景にしてScientific Committee委員会にご指導を頂き、基礎研究や臨床研究の体制や活動の実例などをお示しいただくセッションや、著しく発展する低侵襲治療や肝胆膵悪性疾患に対する集学的治療に関するするセッションなど、様々な企画を致しました。
2024年には、新型コロナウイルスの影響も収束することを願っております。そして、国内外から多くの肝胆膵外科医に、平和を希求する都市 広島にご参集いただき、熱い議論を交わすとともに、親交を深めていただきたく存じます。皆様にとって、実り多き学術集会となりますよう、鋭意準備を進めて参りますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。