演題登録テーマ一覧
教育シンポジウム
Clinical Study Groupからのエビデンス創出(公募・一部指定)
多施設共同で行われる臨床研究は、豊富なサンプルサイズのもと、信頼性の高い結果が期待できる。本シンポジウムでは、さまざまな規模で実施されている多施設共同の中で、密接な施設間連携を特徴とする機動性の高い地域の臨床研究グループから、実施体制の構築や運営、さらに実施された独自性の高い臨床研究例などをご紹介頂き、我が国における今後の多施設共同研究のあり方について議論を深めて頂きたい。
トランスレーショナル・メディシンのすゝめ(公募・一部指定)
肝胆膵領域の外科診療におけるアンメット・メディカル・ニーズの克服に挑み、基礎研究を基盤にして、ゲノム・オミックス医療、免疫療法、再生医療、医工融合イノベーションなどトランスレーショナル・メディシン(探索的医療)を展開する実例をご紹介いただき、外科医固有の洞察を新しい医療に反映させるための術を教示いただきたい。
Modern Surgeon-scientistのすゝめ(公募・一部指定)
日本学術振興会の科研費は、基礎から応用までの研究者の自由な発想に基づく学術研究を発展させることを目的とする「競争的資金」である。日本の研究者は、科研費をベースとして学術活動を行なっており、Surgeon-scientistも例外ではない。本セッションでは、日本学術振興会において学術システム研究センターの主任研究員を経験された先生から、科研費システムの詳細と日本の学術研究の動向についてご講演をいただく。
シンポジウム
肝細胞癌の肝内再発に対する外科治療戦略(公募・一部指定)
肝細胞癌は再発の多い癌であり、再発に対する外科治療の意義が高いことで知られる。肝癌診療ガイドラインでは、「初回治療時の治療アルゴリズムに準ずることを推奨する」とされているが、再発肝癌に対するエビデンスレベルの高い研究報告は限られている。効果の期待できる薬物療法が登場した今、再発例に対する外科治療の適応やタイミングなど、肝切除および肝移植を含めた議論をお願いしたい。
切除不能膵癌に対する治療戦略(公募・一部指定)
切除不能膵癌(UR-LA, UR-M)では化学療法もしくは化学放射線療法後の奏功例にはConversion surgery(CS)による外科的治療の有効性が報告されている。しかし術前治療レジメンと治療期間、CSの適応基準、血管合併切除再建などの安全な手術手技の確立、術後補助療法の導入など課題も多い。本セッションでは各施設におけるUR膵癌に対するCSの適応と成績について提示していただき、進化を遂げる集学的治療について議論いただきたい。
腹腔鏡下解剖学的肝切除の中長期成績(公募・一部指定)
腹腔鏡下解剖学的肝切除が普及し、本邦においても2017年に保健収載されて数年が経過した。これまで安全性を中心に短期成績が報告されてきたが、肝癌の外科治療として根治性が議論され始めている。腹腔鏡下解剖学的肝切除は開腹解剖学的肝切除に劣らないのか、上回ることができるのか、中長期成績を中心に議論していただきたい。
パネルディスカッション
術前治療時代のBiological Borderline Resectable膵癌(公募・一部指定)
膵癌切除可能性分類の定義は、膵を取り囲む主要血管構造に対する腫瘍の位置に焦点を当て、解剖学的に定義されてきた。近年、術前治療が標準的な治療法となり、膵癌に対する我々の理解は、「切除断端陰性による外科的切除が唯一の治癒の可能性をもたらす」という観点から「膵癌を最初から全身疾患として管理する」という観点へと変遷してきた。本セッションでは、血清CA19-9値、PET-CTのSUVmax、Circulating tumor DNAなどの生物学的因子に着目し、Biological Borderline Resectable膵癌について再考いただきたい。
大腸癌肝転移に対する切除可能境界を定義する(公募・一部指定)
切除後の早期再発リスクが高い切除可能境界病変(borderline resectable : BR)の概念が膵癌をはじめとする肝胆膵癌において診療に広く取り入れられている。切除不能な大腸癌肝転移に対するコンバージョン戦略は広く浸透したが、大腸癌肝転移においてもBRに相当する病態が存在する可能性がある。術前化学療法はもとより、術後補助化学療法もまた未確立であり、大腸癌肝転移におけるBRの定義づけについて議論をお願いしたい。
肝門部胆管癌の切除限界への挑戦ー血管合併切除と肝移植ー(公募・一部指定)
肝門部領域胆管癌に対する唯一の根治療法である切除は、血管合併切除を伴う切除範囲の拡大と、門脈血流改変による残肝機能確保という側面で追求されてきた。一方で、全肝摘出を伴う肝移植の良好な成績が欧米で示され、本邦で臨床試験が始まっている。併せて分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など胆道癌に対する薬物療法も進歩しているなかで、肝切除か肝移植か、未来に向けた議論をお願いしたい。
ディベート
解剖学的切除可能膵癌に対する治療戦略:手術先行 vs.術前治療(公募・一部指定)
解剖学的切除可能膵癌に対して、日本のガイドラインでは術前補助療法としてゲムシタビン塩酸塩+S-1併用療法を行うことを提案されている。一方NCCNガイドラインでは、手術先行治療が基本で、ハイリスク患者においては術前治療を考慮するとされる。本ディベートでは、解剖学的切除可能膵癌に対する治療戦略として、手術先行および術前治療先行の立場よりディベートをお願いしたい。
ワークショップ
肝内胆管癌に対する至適な切除術式(公募・一部指定)
肝内胆管癌に対する唯一の根治的治療である外科治療について、依然としてリンパ節郭清の意義や系統的肝切除の意義など、解決できていないテーマを含んでいる。さらに免疫チェックポイント阻害剤や分子標的薬の登場により、進行癌に対する術前治療の可能性が議論されている。本ワークショップでは、会員からのアンケート結果をもとに、肝内胆管癌の術前・術中診断、術式選択、切除適応やタイミングなどについて議論していただきたい。
肝細胞癌に対する切除可能境界を腫瘍因子・肝機能両面から定義する(公募・一部指定)
肝細胞癌に対する薬物療法の進歩は、切除不能進行癌症例に対するコンバージョン療法だけでなく、これまで切除可能とされていた予後不良症例の成績向上をも期待させる。肝癌に対する肝切除適応は、従来は耐術可能か否かという肝機能面で論じられてきたが、切除可能境界は主に腫瘍因子で議論されている。肝癌において切除適応を論じる際には、腫瘍学的および肝機能的な両側面が必要となり、多面的な議論をお願いしたい。
腹腔細胞診陽性膵癌に対する治療戦略(公募・一部指定)
腹腔細胞診陽性(CY+)膵癌は、UICC第8版や膵癌取り扱い規約第8版で遠隔転移と定義されている。しかしCY+症例に対する審査腹腔鏡などの診断方法、診断のタイミング、CY+症例に対する治療戦略などについては、まだ議論の余地が残されている。本セッションでは、CY+膵癌の診断、治療戦略、そしてその治療成績について議論いただきたい。
80歳以上の高齢者膵癌に対する治療戦略 (公募・一部指定)
高齢化社会において、膵癌患者も高齢化の一途を辿っている。高齢者膵癌に対する治療として、高侵襲手術に対する耐術性や、術前・術後補助療法の是非など、問題点が多い。一方、従来、抗癌剤の臨床試験は80歳以上の患者は対象とされておらずエビデンスに乏しい。本ワークショップでは、80歳以上の高齢者膵癌に対する至適治療戦略、各施設の工夫について議論していただきたい。
胆道癌における切除可能境界(BR)および切除不能(UR)を定義する(公募・一部指定)
膵癌において切除可能性分類は広く認知され治療戦略の検討に用いられているが、胆道癌では定義が確立されていない。胆道癌においては、遠隔転移はもとより、水平方向・垂直方向への胆管浸潤、血管浸潤の程度に加えて、残肝容量・機能を考慮に含む必要がある。本セッションでは、各施設におけるborderline resectable (BR)およびunresectable (UR)胆道癌の基準を示していただき、周術期治療戦略とその妥当性および成績についてデータを提示し議論していただきたい。
膵臓移植手術手技の工夫と最新の取り組み(公募・一部指定)
膵臓移植後の手術関連合併症は依然として多く、グラフトロスの一因になりかねない。1型糖尿病に対する内科的治療が発展を遂げている中、根治術としての膵臓移植はより安全で長期的に良好な成績を得ることが求められる。各施設における手術手技の工夫について提示いただき、議論した上で最新の取り組みについて共有したい。
肝細胞癌に対する肝移植における移植前抗腫瘍治療(公募・一部指定)
肝細胞癌に対する肝移植前に行われる抗腫瘍治療は、待機中の腫瘍進行防止、移植後再発抑制、あるいは適応基準内へのダウンステージを目的に取り組まれてきた。欧米では一定の効果が報告されているが、生体肝移植が中心の本邦では十分なエビデンスがない。また、移植前治療の回数や治療手段が肝移植後の予後に影響を与えるとの報告もある。本セッションでは、ダウンステージを含めた移植前抗腫瘍治療の成績や意義について議論していただきたい。
局所進行肝癌に対する切除限界に挑む: 体外肝切除・体内冷却灌流(公募・一部指定)
局所進行肝癌に対する切除限界を打開するために、さまざまな工夫がなされてきた。肝静脈根部〜下大静脈に浸潤する肝癌や、肝門部の広範な血管浸潤などの局所進行肝癌の切除に際しては、長時間の血流遮断や温阻血時間に対する対応が求められる。本セッションでは、体外肝切除・自家移植や体内冷却灌流をはじめとした、局所進行肝癌に対する手術手技の工夫について提示していただきたい。
ゲノム情報に基づいた肝胆膵外科治療の経験(公募・一部指定)
現在、がん遺伝子パネル検査がさまざまな癌腫の診療において導入されている。胆膵癌においてもBRCA遺伝子変異を有する遺伝性乳癌卵巣癌症候群において膵癌、胆管癌の罹患率が上昇すると報告されている。また、MSI-highの胆道癌に対する免疫チェックポイント阻害薬の有効性も報告されている。しかしながら肝胆膵癌の診療においてゲノム医療は未だ一般化されているとはいいがたく、ゲノム医療が切除術を含む治療過程で有効であった症例を提示していただき、同治療の一般化について議論していただきたい。
浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌に対する診断と治療戦略(公募・一部指定)
膵管内乳頭粘液性腺癌は、浸潤性と非浸潤性に大別される。特に浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌は浸潤性膵管癌と同等の病勢を示すとされる報告もあるが、その有効な診断・治療戦略は確立されていない。本ワークショップでは、浸潤性膵管内乳頭粘液性腺癌に焦点に絞り、各施設のデータから至適治療戦略について議論していただきたい。
肝移植マージナルドナーに対する対応(公募・一部指定)
肝移植におけるマージナルドナーの選定は、移植の成功率や患者の予後に大きな影響を及ぼすため、その評価と対応が重要である。特に、マージナルドナーの明確な定義、レシピエントの選定、肝移植の短期・長期的な成績、リスク評価の基準が十分に確立されていない。今回は、マージナルドナーに対する各施設の対応や評価基準の確立について、最新の研究や臨床事例を基に議論していただきたい。
肝外病変を伴う肝細胞癌に対する外科治療戦略(公募・一部指定)
肝外転移を伴う肝細胞癌はStageIVbの進行癌であり、ガイドラインでは薬物療法が推奨されるが、Oligometastasisのように少数の肝外病変を有する状態では、手術を含む集学的治療の対象となりうる。また術前に診断確定できない疑い病変により切除適応を惑わされることもある。本ワークショップでは、肝外病変の術前・術中診断、薬物療法の選択、切除適応やタイミングなどについて議論していただきたい。
ビデオワークショップ
多発肝嚢胞に対する肝移植手術の手技と工夫(公募・一部指定)
多発肝嚢胞はときに増大し腹部を占拠して肝移植の適応となりうるが、巨大であるがゆえに肝摘出が困難な場面に遭遇する。巨大な多発肝嚢胞の肝移植例をビデオで供覧し、手技と工夫について議論したい。
ロボット支援下肝切除における肝実質切離の工夫(公募・一部指定)
2022年ロボット支援下肝切除が保険収載され、多くの施設で導入に向かっているが、肝実質切離における方法やデバイスは確立されていない。本セッションでは、ロボットを用いた肝実質切離における各施設の工夫や成績について議論して頂きたい。
胆道再建および血管合併切除を要する肝切除のknack and pitfalls(公募・一部指定)
肝門部領域胆管癌及び肝内胆管癌肝門浸潤に対する切除術は高難度であり、特に肝動脈や門脈合併切除を要する局所進行例の手術難易度は高い。動門脈浸潤部と胆管切離予定部が近接しているため至適な部位かつ安全に胆管切離、動門脈合併切除・再建を行うことが難しい。血管合併切除例における胆管切離、血管再建の工夫について手術ビデオを提示し議論して頂きたい。
肝移植手術におけるシャント・バイパスの活用と工夫(公募・一部指定)
肝移植手術では一定時間の無肝期が避けられず、循環維持や腸管鬱血対策として一時的門脈体循環シャントやバイパスが用いられることがある。しかし手技の煩雑化や体外循環に伴う凝固異常や低体温などデメリットも考慮され、その適応と選択には一定の見解がない。本ビデオワークショップでは、肝移植手術におけるシャント・バイパスの活用と工夫について提示していただきたい。
胆嚢摘出術における胆管損傷に対する治療戦略(公募・一部指定)
胆嚢摘出術における術中胆道損傷(bile duct injury,以下BDI)の発生率は1%以下と頻度は低いが、一旦発症すると治療に難渋する症例が散見される。BDIを術中に診断した場合のリカバリーショットや術後BDIと診断した症例に対する治療戦略について症例を提示しながら議論していただきたい。
巨大肝血管腫に対する肝切除の工夫(公募・一部指定)
肝海綿状血管腫はありふれた疾患でありながら、いざ切除適応になった際には、巨大であるために手術に難渋することが稀ではない。巨大肝血管腫に対する切除における工夫や成績について、提示していただきたい。
膵癌に対するロボット支援下手術定型化への取り組み(公募・一部指定)
2020年の本邦での保険適用後、ロボット支援下膵切除術は急速に普及しており、先端施設では膵癌に対しても応用されている。リンパ節郭清など膵癌に対するロボット支援下手術の定型化については、各施設で様々に報告されている。本ビデオワークショップでは、膵癌に対するロボット支援下膵切除術の定型化に向け、手術適応、手術成績、および手術手技をビデオで提示いただき、今後の方向性と課題について議論いただきたい。
動脈接触・浸潤を伴う膵癌に対する手術アプローチ(公募・一部指定)
切除可能境界(BR-A)および局所進行切除不能膵癌(UR-LA)に対する術前治療後の膵切除では、R0切除を達成する目的で動脈合併切除の有用性が報告されている。一方で、動脈切除を伴わない神経叢郭清や、放射線療法を併用して神経叢温存する治療戦略も報告されている。本ビデオワークショップではBR-A/UR-LA膵癌に対する接触・浸潤動脈への至適アプローチについて(術前治療法、手術適応、手術方針を含め)ビデオを供覧し議論していただきたい。
胆道疾患に対する低侵襲手術定型化への取り組み(公募・一部指定)
ロボット手術の普及に伴い、胆道疾患に対する低侵襲手術(Minimally Invasive Surgery,以下MICs)は飛躍的に増加傾向にある。先天性胆道拡張症や胆嚢癌などの胆道疾患に対するMICsの手術ビデオを提示していただき、適応や手術成績、定型化への取り組みについて議論して頂きたい。
Next Generation 企画
Next generation企画:膵切除(公募)
応募資格:演題応募時45才以下
肝胆膵高度技能専門医や内視鏡技術認定医の取得を目指して修練している若手外科医にとって、膵切除は高度な技術を求められる。近年の低侵襲手術の普及に伴い、修練環境は大きく変化している。本セッションでは次世代を担う若手外科医を対象に日頃行っている膵切除の学習方法や手技の工夫、資格取得のための努力などについて発表していただきたい。
Next generation企画:肝切除(公募)
応募資格:演題応募時45才以下
肝胆膵高度技能専門医や内視鏡技術認定医の取得を目指して修練している若手外科医にとって、肝切除は高度な技術を求められる。近年の低侵襲手術の普及に伴い、修練環境は大きく変化している。本セッションでは次世代を担う若手外科医を対象に日頃行っている肝切除の学習方法や手技の工夫、資格取得のための努力などについて発表していただきたい。
女性肝胆膵外科医のエンパワーメント:専門家の視点(公募・一部指定)
応募資格:女性外科医
肝胆膵外科領域は難度の高い手術が多く修練期間は長い。肝胆膵外科医の育成は、本学会において大切なミッションであるが、女性外科医の割合が増加している昨今、これまで絶対数が非常に少なかった女性肝胆膵外科医の今後の躍進も期待される。「Empowering Women in HPB Surgery」のセッションでは、指導的立場となって活躍されている女性肝胆膵外科医にご講演頂き、若手肝胆膵外科医を鼓舞していただきたい。
英語発表トレーニングセッション
若手医師のための英語発表トレーニングセッション(公募)
応募資格:40才以下、研修医も可。国内で英文医学論文の校正をしているネイティブの先生が英語発表の基本を伝授。症例報告やケースシリーズなどの英語発表の後、ネイティブの先生に英語表現や発表全体の構成についてコメントをいただく。アドバイスの時間を十分にとり、若手医師のための英語発表のトレーニングの場とする。
研修医・学生セッション
肝胆膵外科に興味がある研修医・学生のみなさん、奮ってご応募ください
Campfire session
Nightmare case session(公募)
肝胆膵外科領域では、術中および術後に絶望的な状況に遭遇することがあり、そのような経験を共有し次世代に繋げることはとても有意義と思われる。本Campfire Sessionでは、悪夢のような状況から脱出できたリカバリー症例や、残念ながら究明に至らなかった症例も含めてご発表いただき、経験を共有・議論したい。