このたび、第35回日本肝胆膵外科学会会長を拝命しました、東京医科歯科大学大学院肝胆膵外科学分野の田邉稔です。歴史と伝統ある日本肝胆膵外科学会の学術集会を担当させていただくことになり、身に余る光栄に存じます。本会は2023年6月30日(金)·7月1日(土)の2日間、京王プラザホテル(新宿)にて開催されます。テーマを「肝胆膵外科医の心意気:The Spirit of HBP Surgeons」といたしました。数々の高難度手術を発展させてきたこの領域は、労を厭わず何事にも挑戦する肝胆膵外科医の心意気によって支えられているとの思いから、このテーマを選ぶに至りました。
1989年に日本肝胆膵外科フォーラムとして発足した日本肝胆膵外科学会は、常に時代の先を考えながら発展し、現在では日本のみならず世界から注目される学会となりました。高度技能専門医制度を初めとする様々な学会の取り組みにより、日本の高難度肝胆膵外科の手術成績は常に世界のトップレベルを維持して参りました。そのような学会としての実績を背景に、最近発展著しい低侵襲治療や、依然として課題が山積する肝胆膵難治癌に対する集学的治療戦略など、さまざまな話題を取り上げる予定です。本学会では既に学会発表の完全英語化を達成しており、近年の学術集会では海外から多くの肝胆膵外科医が参加するようになりました。本学術集会で活発に議論することが、本領域の更なる進歩に寄与するとともに、最新・最良の医療を多くの国民に提供し、幅広く人類の健康、福祉に貢献できるものと考えております。
本会が開催される2023年にはコロナ禍がある程度収束し、国内外からの多くの参加者が一堂に会し熱い議論を交わすとともに、親交を深める場になることを願っております。実り多き学術集会となりますよう、教室をあげて準備を進めて参りますので、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。