第58回日本腹部救急医学会総会第58回日本腹部救急医学会総会

会長挨拶

第58回日本腹部救急医学会総会
会長 吉田 雅博
国際医療福祉大学医学部消化器外科学教室 市川病院外科

この度、2022年3月24日(木)・25日(金)の2日間、京王プラザホテルにおいて第58回日本腹部救急医学会総会を開催させていただくことになりました。本総会を国際医療福祉大学で開催させていただきますのは初めてのことであり、皆様に心から感謝申し上げます。

日本腹部救急医学会は腹部救急疾患の診療向上を目的に1983年に名誉創立者・名誉理事長の高田忠敬先生が創立されました。本学会の基本理念は未来を担う「若手の登竜門」であり、この理念は歴代会長により引き継がれてまいりました。それに加え腹部救急診療には、内科・外科・救命救急・放射線科、関係する多くのメディカルスタッフによる「チームとしての一体化」が不可欠であります。

今回の総会のメインテーマは「診療ガイドラインの活用と検証」といたしました。

診療ガイドラインは「患者の笑顔のため」に作成されています。それに加え、「偏りのない」、「根拠がある」、「益が害に勝る」、「費用対効果に優れる」、「臨床適応性がある」が前提となっています。本学会は急性胆道炎、急性膵炎、急性腹症の診療ガイドラインの作成に関わり、日本における腹部救急疾患の診断治療に大きく貢献しております。一方で腹部救急疾患領域に関連したガイドラインは他にも数多くあり、我々臨床医はこれらを有効に活用しつつ、同時に臨床側からの検証を行う責任があります。有効で安全な推奨を患者のために活用し、臨床評価していくことは医師のみならず、関係する多くのメディカルスタッフの若手の教育としても極めて重要な位置づけと考えています。

現在、世界ではCOVID-19感染のため閉塞感が影を落としていますが、こういう時だからこそ、我々医療者は一体となって、来るべき未来を照らす朝日になりたいと願っています。本総会では、特にこれからの腹部救急診療を担う若手の医師たちの刺激になるような熱い討論を期待しています。多くの皆様のご参加を心からお願い申し上げます。

現在、1月中旬となり、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染者が急増しているところです。感染力は強いが、重症化する例は少ない事が特徴とされています。また、3回目のワクチン接種も積極的に進められており、急増した患者数も3月にはある程度のレベルにまで収束するものと信じております。日本腹部救急医学会会員の皆様におかれましては、これまで通り感染防御を心がけていただき、「こんな時だからこそ」来る3月24日、25日は新宿で対面での情報交換ができますことを祈っております。