第93回日本薬理学会年会第93回日本薬理学会年会

ご挨拶

Bidirectional talk between bench and bedside
薬理学を一つの舞台に

第93回日本薬理学会年会
年会長 五嶋 良郎
横浜市立大学大学院医学研究科
分子薬理神経生物学

謹啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。

平素は本学会の活動に格別のご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、第93回日本薬理学会年会を、2020年3月16日(月)~18日(水)に、パシフィコ横浜会議センターにおいて開催することとなりました。本学会の開催に当たり、一言ご挨拶とお願いを申し上げます。

薬理学は、最も多面的な学問領域の一つです。薬理学研究は、古くから効果が知られていた薬を対象にして、なぜ効くのかというメカニズムの研究、様々な生物学的現象の背景にある原理原則を明らかにする基礎研究、そして病態メカニズムの研究が行われる中で展開して来た歴史的背景があります。現在では、臨床研究の重要性が改めて認識され、臨床における様々なデータの蓄積が進行しつつあります。薬理学研究は、従来、短期に起こる急性効果を主な研究対象として来ました。一方、病態の形成や、薬物の実際の臨床における薬効は、長期にわたる複雑な作用メカニズムが背景にあると考えられますが、その多くは明らかではありません。こうした中では、基礎からトランスレーショナル、そして臨床研究へという一方向の流れのみならず、臨床における有効性の検証から、逆に思わぬ基礎生物学・医学の発見へという道筋もさらに加速していくことが予想されます。

本薬理学会年会は、こうした背景を踏まえ、Bidirectional talk between bench and bedside「薬理学を一つの舞台に」を標榜して、様々な立場の方々にご参加いただき、活発な議論と協力関係の構築を目指し、企画するものです。薬理学に限らず、あらゆる学問領域における革新的な出来事の背景にはしばしば、様々な学問領域の研究者同士の交流と、それに触発される発想の転換があります。本学会では、薬理学が本来備えている多面性に留意し、従来の重点的な取り組みに加え、炎症、免疫、がん、医薬品適正使用、AI創薬、レギュラトリーサイエンス等にもスポットを当てた企画を準備中です。また、生理学会、臨床薬理学会、医学会連合との学際領域の連携シンポジウムや、公開講座(市民・薬剤師・医師向け)、看護薬理学カンファランスに加え、懇親会会場での新たな「創薬オープンイノベーション」も開催予定です。基礎研究のみならず、臨床、企業における様々な研究・教育・医療・企業活動に取り組んでおられます皆様方のご参加を心よりお待ちしております。

謹白