第55回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会第55回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会

ご挨拶

第55回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会
会長 川井 章
(国立がん研究センター中央病院)

 この度、2022年7月14日(木)~15日(金)に、第55回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会を、タワーホール船堀(東京)およびwebにおいて開催する運びとなりました。伝統ある本学術集会の第55回をお世話させていただくことになり、大変光栄に存じております。

 日本整形外科学会は1926年に発足し、今や会員数が25,000名を超え、専門分野も関節、脊椎、外傷など多岐にわたる大きな学会に発展いたしました。骨・軟部腫瘍はその中でも生命に係わる重要な分野として重視され、骨・軟部腫瘍学術集会は日本整形外科学会が主催する3つの学術集会の一つとして、来年55回の開催を迎えます。

 原発性悪性骨・軟部腫瘍(肉腫)は発生頻度のまれな希少がんであるため、多くの整形外科医にとっては馴染みの薄い疾患であることは否めませんが、その適切な早期診断と専門医との連携は、この困難な疾患の治療成績向上のための鍵を握っています。また、整形外科が担うもう一つの重要な腫瘍性疾患である骨転移は、高齢化に伴う「がん」罹患者数の増加に加えて、「がん」治療の進歩による生命予後改善も相まって、近年ますますその数は増加傾向にあります。整形外科はこれら全ての骨・軟部腫瘍に対して、骨・軟部組織(運動器)の専門家としてのresponsibilityを国民から期待されていると考えられます。

 運動器疾患の専門家である整形外科医が腫瘍を診療するということは、その過程で、人間にとって最も大切な“命”に向き合うとともに、患者さんがいかに“より良く”生きるかということを意識しながら診療にあたるという点で大きな意義を有すると考えています。そこで本学術集会のテーマは「整形外科と腫瘍-整形外科医が腫瘍をみるということ-」とさせていただきました。本学術集会が、わが国の骨・軟部腫瘍診療、がん診療をより良いものにしてゆくための一歩になることを願っています。多くの皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げております。