プログラム

1.特別講演

1
2030年の臨床試験はどう変わるか

7月27日(木曜日) 11:10~12:00第 1 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールA )
司会持田 智埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科
演者中村 健一国立がん研究センター中央病院 国際開発部門

2
もたない

7月28日(金曜日)  11:20~12:10第 2 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールE )
司会有井 滋樹神戸市立医療センター西市民病院
演者國頭 英夫日本赤十字社医療センター 化学療法科

2.Japan-Korea Joint Symposium

Locoregional Therapy with or without Systemic therapy.

7月28日(金曜日)8:50~10:20 第 2 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールE )
司会Jong Young Choithe succeeding president of the KLCA Division of Hepatology, Department of Internal Medicine, The Catholic University of Korea
司会工藤 正俊近畿大学医学部 消化器内科
演者Jeong Won Jangthe succeeding secretary general of the KLCA Division of Hepatology, Department of Internal Medicine, The Catholic University of Korea
演者So Yeon Kimthe current and succeeding external cooperation director of the KLCA Department of Radiology, University of Ulsan College of Medicine, Asan Medical Center, Korea
演者椎名 秀一朗順天堂大学 消化器内科
演者黒田 英克岩手医科大学 内科学講座消化器内科

3.教育講演

1
原発性肝癌の診断・治療 -病理医の観点からー

7月27日(木曜日)8:30~9:00 第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会中島 収雪の聖母会 聖マリア病院 中央臨床検査センター 臨床検査部
演者小無田 美菜国際医療福祉大学 医学部 成田病院 病理診断科

2
肝癌全ゲノムシークエンス解析(WGS)の臨床的有用性

7月28日(金曜日)8:50~9:20 第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会佐々木 裕大阪中央病院 消化器内科
演者中川 英刀理化学研究所 がんゲノム研究チーム

3
肝細胞性結節の画像診断:血流画像とGd-EOB-DTPA造影MRIによる鑑別

7月28日(金曜日)13:50~14:20 第 7 会場 (リーガロイヤルホテル大阪 2F 桐の間 )
司会泉 並木武蔵野赤十字病院 消化器科
演者松井 修金沢大学 名誉教授

4.シンポジウム

1
肝癌腫瘍微小環境

7月27日(木曜日)8:30~10:30 第 2 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールE )
司会 竹原 徹郎 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学
坂元 亨宇 慶應義塾大学医学部 病理学
田中 真二 東京医科歯科大学 分子腫瘍医学
総括小玉 尚宏大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科
司会のことば
生体内において「がん」という疾患は癌細胞と宿主因子との相互作用によって成り立っており、免疫反応や血管新生を含む様々な微小環境によって、発癌のみならず、癌進展、転移、再発、治療抵抗性などが制御されることが明らかになってきた。特に肝癌は、肝臓という特異な微小環境と宿主細胞群に加え、多様な慢性肝疾患・病態を背景とするため、腫瘍微小環境との相互作用を包括的に把握することが必須であり、治療標的としての重要性もますます高くなっている。本シンポジウムでは、肝癌の腫瘍微小環境における基礎解析・臨床研究の最新の成果を発表して頂き、その多様性メカニズムの解明によって肝癌治療の層別化、新規治療および予防法開発へ寄与する白熱したセッションとなることを期待する。

2
肝内胆管癌薬物療法の進歩

7月27日(木曜日)13:10~15:10 第 1 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールA )
司会 久保 正二 大阪公立大学 肝胆膵外科
奥坂 拓志 国立がん研究センター中央病院 肝胆膵内科
尾島 英知 慶應義塾大学 病理学教室
特別発言國土 典宏国立国際医療研究センター 肝胆膵外科
司会のことば
肝内胆管がんは複数のdruggable mutationsが発見されており、いくつかの分子標的治療薬の開発および臨床導入が進められているほか、化学療法剤にチェックポイント阻害剤併用することによる延命効果も報告されており、薬物治療がいま最も期待される領域の1つとなっている。さらには最近、術後補助療法が標準治療として臨床導入され、術前補助療法の大規模臨床試験が開始されるなど、切除可能例に対する集学的治療としての薬物療法も注目されている。本セッションではこの領域で急速に変化を遂げつつある薬物療法の最前線からの臨床病理学的な側面も含めた研究報告、ならびに今後の新しい治療開発につながることが期待される基礎的・臨床的な研究についての報告をお願いしたい。

3
肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害剤:現状と課題

7月28日(金曜日)9:20~11:20 第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会 鳥村 拓司 大牟田市立病院 消化器内科
加藤 直也 千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学
総括畑中 健群馬県済生会前橋病院 消化器内科
司会のことば
2020年にアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法が進行肝細胞癌に対して保険収載され、本邦でも免疫チェックポイント阻害剤(IO)が進行肝細胞癌の第一選択薬となる新たな時代が到来した。以来、多数の治療症例の集積が進み、治療成績のみならず、TACEからアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法への切り替えのタイミング、irAEやHyperprogressive diseaseなどに関しても知見を深めることができている。本シンポジウムでは、進行肝細胞癌に対するIO療法に関して明らかになっていることを整理し、近い将来保険収載が予想されている、デュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の治療成績も視野に入れて、今後進行肝細胞癌の予後をさらに改善するために、IOをどのように活用したら良いかに関し、既存の治療法との関連も含めて討論したい。基礎及び臨床の分野からの多数の核心的な演題の応募を期待する。

4
ウイルス肝炎制御時代の肝癌サーベイランス

7月28日(金曜日)15:00~17:00 第 1 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールA )
司会 黒崎 雅之 武蔵野赤十字病院 消化器科
建石 良介 東京大学 消化器内科
総括多田 俊史姫路赤十字病院 内科
司会のことば
DAA治療によりC型肝炎ウイルス(HCV)排除は容易となった。HCV排除後の発がんリスクを層別化するモデルが提唱されているが、肝がんサーベイランスを終了してよい基準は明確ではない。B型肝炎ウイルス(HBV)は核酸アナログ治療により増殖制御が容易となった。HBV増殖制御下の発がんリスクを層別化するモデルが多数提唱されるとともに、核酸アナログ治療中のウイルスマーカーと発がんとの関連性も注目されている。HCV、HBV制御に伴い、非ウイルス性肝疾患からの発がんが増加しており、高リスク群の絞り込みが喫緊の課題である。ウイルス肝炎制御時代における、個々の症例の肝がんリスク評価に基づくサーベイランスについて、多くの演題と充実した議論を期待している。

5
C-TACEとB-TACEとD-TACE適応とdrugの使い分け

7月28日(金曜日)15:00~17:00 第 4 会場 (大阪国際会議場 12F 1202 )
司会 村上 卓道 神戸大学大学院医学研究科 放射線医学分野
山門 亨一郎 兵庫医科大学 放射線科
司会のことば
肝細胞癌の治療として、ジェラチンを用いた塞栓術からリピオドールと抗がん剤を用いたC-TACEが本邦で開発され、世界を席巻した。一方、欧米では球状塞栓物質が開発され、球状塞栓物質のみで塞栓するBland塞栓と共に、抗がん剤を球状塞栓物質に含侵させて塞栓を行うDEB-TACEが台頭した。DEB-TACEとC-TACEの無作為化比較試験が何本か行われたが、そのほとんどで生存率に有意差はなく、今もいずれの優位性も示されていない。さらに本邦からはB-TACEという、腫瘍血管からバルーン遮断下に抗がん剤を注入し、塞栓を行う治療法も開発された。現在、B-TACEの有用性を評価するいくつかの臨床試験も進行中であるが、依然、B-TACEの優越性も不明である。本シンポジウムでは、塞栓術に熟知した演者の先生方を迎えて、C-TACE、B-TACE、DEB-TACEそれぞれに良い適応となる対象患者の検討や、各治療法に適した使用薬剤について検討を加えていきたい。

5.パネルディスカッション

1
混合型肝癌、肝内胆管癌の病理・画像診断と治療戦略

7月27日(木曜日) 9:00~11:00第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会 島田 光生 徳島大学 消化器・移植外科
市川 智章 群馬大学 放射線診断核医学科
淺岡 良成 帝京大学医学部 内科学講座
司会のことば
肝内胆管癌および混合型肝癌は慢性障害肝から発生することも多いため、肝細胞癌として切除され、病理診断により判明することを経験することもある。臨床所見のみでの鑑別は必ずしも容易ではなく、治療前に生検を行うかの判断は重要である。そのため画像所見を中心に、背景肝、腫瘍マーカーなどの臨床情報を病理所見と比較することで精度の高い診断体系を構築することは急務である。また近年、切除不能で進行した肝細胞癌、肝内胆管癌に対してはそれぞれに対する薬物療法の進歩がみられているが、混合型肝癌に対する薬物療法は、各施設の症例数も少なく、エビデンスは乏しい。肝細胞癌に準じた局所療法が行われることもあるが、まとまった報告がないのが現状である。
本パネルディスカッションでは、混合型肝癌、肝内胆管癌の診断、治療に関し、内科、外科、放射線科、病理医それぞれの立場から、幅広く演題を応募いただき、現状と今後の課題について議論したい。

2
Child B Early Stage 肝癌の最適治療

7月27日(木曜日)13:10~15:40 第 2 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールE )
司会 永野 浩昭 山口大学 消化器・腫瘍外科学
能祖 一裕 岡山市立市民病院 消化器内科
総括平岡 淳愛媛県立中央病院 消化器内科
基調講演Josep M LlovetTranslational research in Liver Cancer, Liver Unit, IDIBAPS,
Hospital Clínic Barcelona, University of Barcelona, Spain /
Liver Cancer Program, Division of Liver Diseases,
Tisch Cancer Institute, Icahn School of Medicine at Mount Sinai,
New York, USA
司会のことば
我が国の肝癌治療アルゴリズムでは、Child-Pugh C肝癌では移植もしくは緩和治療が推奨されているが、それ以外のChild-Pugh A/B症例では、切除、焼灼療法、塞栓療法、薬物療法など、積極的治療が推奨されている。early stage 肝癌 においても推奨治療として切除療法と焼灼療法が並列して記載されているが、その根拠となったSURF trialでは9割以上の症例がChild-Pugh Aであるなど、Child-Pugh B症例での最適治療については十分に検討がされていないというのが現状である。Child-Pugh B肝癌は、治療等により容易に積極的治療の対象外であるChild-Pugh Cになるため、より慎重な対応が要求される。本パネルディスカッションでは、治療の選択や工夫を含めたChild-Pugh B early stage 肝癌の最適治療について、様々な側面からの検討結果を討議していただきたい。

3
微小脈管侵襲 : 診断と治療戦略

7月27日(木曜日)13:10~15:10第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会 調 憲 群馬大学 総合外科学講座肝胆膵外科学分野
黒田 英克 岩手医科大学 内科学講座消化器内科分野
特別発言具 英成公益財団法人甲南会 甲南医療センター 消化器外科
司会のことば
肝細胞癌の微小脈管侵襲は病理学的予後因子として知られている一方、治療戦略の策定にも重要である。すなわち、その存在により焼灼療法の適応や焼灼範囲の設定、切除術式の選択、肝移植適応などに関わってくると考えられる。したがって、治療前に画像やバイオマーカーによりその存在が治療前に診断できれば治療戦略の決定に大きな示唆をあたえることになるであろう。さらに今後病理学的な脈管侵襲は近年検討が進んでいる治療後の補助療法の適応にも関わってくる可能性がある。本パネルディスカッションでは微小な脈管侵襲の治療前の診断法やその臨床的な意義について再考し、微小脈管侵襲を伴う肝細胞癌に対する新たな治療戦略について内科、放射線科、外科、病理など幅広い領域の専門家の立場から討論いただきたい。

4
肝細胞癌の薬物療法とコンバージョン治療

7月28日(金曜日)13:50~16:20第 2 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールE )
司会 長谷川 潔 東京大学 肝胆膵外科
池田 公史 国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科
基調講演 Richard S. Finn Professor of Clinical Medicine, Division of Hematology/Oncology, Geffen School of Medicine at UCLA
司会のことば
肝細胞癌の薬物療法の進歩に伴い、切除不能の癌が切除可能な状態になったり、TACEやRFAなどの局所療法での治療可能な状態にコンバージョンできる症例が増えてきた。しかし、まだコンバージョン治療のエビデンスは確立しておらず、これから作り上げていくことが必要である。本セッションでは、薬物療法によってコンバージョンできた症例の割合や患者の特徴、治療レジメン、コンバージョンに移行するタイミング、コンバージョン後の転帰などを各施設やグループからに報告いただき、これからの日常診療に役立つ情報を収集し、今後のコンバージョン治療のエビデンスの確立に向けてDiscussionしたい。

6.ワークショップ

1
肝細胞癌のコンビネーション治療-術前・術後治療-

7月27日(木曜日)8:30~10:30 第 1 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールA )
司会 波多野 悦朗 京都大学 肝胆膵・移植外科
相方 浩 県立広島病院 消化器内科
特別発言金子 周一金沢大学大学院 情報医学開発講座
司会のことば
薬物療法をはじめとする各種治療法の進歩により,肝切除などの局所療法の適応や治療戦略に変化がみられている.ボーダーライン切除可能という概念も提唱され,局所療法の術前,術後補助薬物療法に関する臨床試験も進行中である.一方,その対象や治療プロトコルについて,IVR等も含めて,コンビネーション治療として,さらに検討する必要がある.また,先行治療によりdown stageが得られ局所療法可能となった症例(コンバージョン症例)も経験されるようになってきたが,その適応,治療法選択,至適時期,後治療など,解決すべき課題は多い.本ワークショップでは,肝癌局所療法におけるコンビネーション治療の成績や新たな治療戦略の構築に向けた取り組みについて御発表いただきたいと思います.

2
脂肪肝炎とアルコール肝炎関連(発癌との関係)

7月27日(木曜日)8:30~10:30 第 4 会場 (大阪国際会議場 12F 1202 )
司会 吉治 仁志 奈良県立医科大学 消化器代謝内科
原田 憲一 金沢大学 人体病理
総括川口 巧久留米大学 消化器内科
司会のことば
肝癌やその発生母地である肝硬変の成因は近年大きく様変わりしている。我が国でも肝炎ウイルスに代わり、非ウイルス性肝癌や肝硬変が年を追う毎に増加している。非ウイルス性の原因としては生活習慣病に基づくNASHとアルコールによるASHが大きな割合を占めている。両者は発生機序や病理学的所見に多くの共通点を有する一方で、それぞれ特有の病態などを示すことが報告されている。ASH、NASHともにウイルス性肝硬変に比べて発癌率が低いことなど様々な点でウイルス性肝癌、肝硬変とは異なった点が多い。治療面でも、高い有効性が示されている免疫チェックポイント阻害薬による肝癌治療効果がNASHではウイルスによるものと異なる可能性が報告されている。本ワークショップでは脂肪肝炎とアルコール肝炎について、疫学、発癌機序を含めた病態、診断のためのスクリーニング、囲い込み法、発癌リスクの評価、バイオマーカーの探索など基礎・臨床にわたって幅広く議論したい。

3
肝細胞癌に対する放射線治療の新展開

7月27日(木曜日)8:30~10:30第 5 会場 (大阪国際会議場 11F 1101~2 )
司会 永田 靖 広島大学 放射線腫瘍学
櫻井 英幸 筑波大学 放射線腫瘍科
特別発言藤元 治朗大阪重粒子線センター センター長/ 兵庫医科大学 消化器外科・肝胆膵外科
司会のことば
放射線治療は低侵襲治療であり,超高齢化社会を迎えた日本において多くのがんでその重要性が増してきている.肝癌の領域では,近年の放射線治療技術の進歩により,いわゆる高精度放射線治療を適用することで,原発巣への根治的治療が可能となってきた.ファーストラインの治療となることは少ないが,実臨床では標準治療が困難である症例を中心に実施されている現状がある.
現在,体幹部定位放射線治療は5cm以下の肝腫瘍に,粒子線治療(陽子線治療,重粒子線治療)は,4cm以上の肝細胞癌に加え肝内胆管癌に保険適用が認められている.最近では,これらの高精度放射線治療と他の標準療法との比較試験の結果が出始めており,今後の普及が期待される.
本セッションでは,これらの背景を踏まえ,現在の高精度放射線治療の成績とともに病態別の治療法の選択,放射線治療と他治療との併用の意義や問題点などについて議論を深めていきたい.

4
肝腫瘍診療におけるAI/ITの可能性

7月28日(金曜日)8:50~10:50第 1 会場 (大阪国際会議場 3F イベントホールA )
司会 矢野 博久 久留米大学 医学部病理学講座
吉満 研吾 福岡大学医学部 放射線医学教室
西田 直生志 近畿大学医学部 消化器内科
総括 佐藤 雅哉 東京大学医学部附属病院 検査部
司会のことば
診断や治療の進歩に伴い、膨大かつ多様化な医療情報が日々蓄積されている。これらの情報を互いに紐づけ、付加価値を持たせるプロセスは、次世代医療の基盤となる人工知能(AI)の開発に欠かせない。肝腫瘍診療においても、医療の質の均てん化やヒューマンエラーの防止を目的として、びまん性肝疾患での腫瘍発生リスク評価から腫瘍診断に至るまで、様々な情報を利活用したAI開発が行われている。さらに、学習データと付帯情報の工夫により、腫瘍の診断支援のみならず、治療効果予測や合併症リスクの推定、遺伝子変異の存在推定など、人間の能力を凌駕するAIが報告され始め、革新的技術としての臨床応用が期待されている。これらの新技術は近未来医療の基盤構築においてのエネルギーに相当する部分であり、その社会実装が急がれる。本ワークショップでは、肝腫瘍診療の領域において、診療情報や検査データ、画像診断や病理、遺伝子情報などを用いて開発が進められているAIを取り上げ、その現状と問題点に関して、様々な視点から議論を深めたい。

5
移植5-5-500基準の検証-適応拡大に伴う変化と諸問題-

7月28日(金曜日)8:50~10:50第 7 会場 (リーガロイヤルホテル大阪 2F 桐の間 )
司会 高田 泰次 愛媛大学 肝胆膵・乳腺外科学
吉住 朋晴 九州大学 消化器・総合外科
玄田 拓哉 順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科
総括上田 佳秀神戸大学 消化器内科
司会のことば
肝移植は背景の肝硬変も含めた治療であり、理論上はこれに優る肝細胞癌(HCC)に対する治療法はない。本邦では2019年脳死肝移植、2020年生体肝移植の適応基準が5-5-500基準またはミラノ基準に拡大された。近年、HCCに対するチロシンキナーゼ阻害薬あるいは免疫チェックポイント阻害薬の有効性が相次いで報告されている。薬物療法により肝機能が悪化したことにより治療継続が不可能となった症例でも、残存HCCが新基準内に入っていれば、conversion surgeryとしての肝移植が治療選択肢の一つになってくるかもしれない。本ワークショップでは、適応拡大に伴う症例数の変化、移植後成績などについてご発表いただき、本基準の有用性、問題点などについて議論していただきたい。

6
Transplant Oncologyの可能性と進歩

7月28日(金曜日)13:50~15:50第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会 武冨 紹信 北海道大学 消化器外科Ⅰ
江口 晋 長崎大学 移植・消化器外科学
特別発言日比 泰造熊本大学病院 小児外科・移植外科
司会のことば
腫瘍性疾患に対する肝移植は本邦では肝細胞がんのみが保険適応内に留まるが、肝類上皮血管内皮腫など境界病変にも施行されている。海外では肝門部胆管がん、肝内胆管癌、転移性肝がん(大腸がん、神経内分泌腫瘍)、などが放射線治療、化学療法との組み合わせで幅広く行われている。あるいは肝移植の手技を用いた、体外肝切除、自己肝移植なども究極のがん治療の一手として報告されることもある。本セッションでは肝移植あるいは肝移植の手技を用いたがん治療の最前線について挑戦的な報告・臨床経験も含め、ご発表頂きたい。

7
肝腫瘍画像診断の新たな展開

7月28日(金曜日)14:20~16:20第 7 会場 (リーガロイヤルホテル大阪 2F 桐の間 )
司会 椎名 秀一朗 順天堂大学 消化器内科
祖父江 慶太郎 神戸大学医学部附属病院 放射線診断・IVR科
司会のことば
デジタル技術の飛躍的進歩は各種画像診断の分解能向上や処理速度高速化をもたらした。その結果、腫瘍検出、形態・パターン診断、進展度評価に加え、腫瘍血流の定量解析、組織推定や治療効果予測、さらには人工知能の応用へと発展してきた。複数画像の融合による高精度診断や治療シミュレーション、立体映像の実時間表示等が開発され治療支援に用いられている。さらに、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など薬物療法の発展は、患者や腫瘍の状態を遅滞なく評価し最適な治療法を選択する個別化医療につながるが、画像診断はその一端を担っている。本ワークショップでは肝腫瘍の診断や治療に貢献する画像診断の新たな展開について議論したい。

7.ミニワークショップ

肝細胞癌のコンビネーション治療-術前・術後治療

7月28 日(金曜日)8:50~9:54第 4 会場(大阪国際会議場 12F 1202)
司会 榎本 信幸 山梨大学 医学部消化器内科
森 章 大阪赤十字病院 消化器外科

8.スポンサードセミナー

肝細胞癌のCT・MRI診断(基本的な読影方法と鑑別診断)

7月28日(金曜日)10:10~11:10第 4 会場(大阪国際会議場 12F 1202)
司会 村上 卓道 神戸大学大学院医学研究科 放射線医学分野
演者 小坂 一斗 金沢大学附属病院 放射線科
共催 バイエル薬品株式会社

9.ディベート

1
肝動注は生き残れるか

7月28日(金曜日)8:50~9:50第 5 会場 (大阪国際会議場 11F 1101~2 )
司会 上嶋 一臣 近畿大学医学部 消化器内科
田中 利洋 奈良県立医科大学 放射線診断・IVR学講座
司会のことば
肝動注化学療法は、局所進行肝細胞癌、とくに高度脈管浸潤をきたした進行肝細胞癌に対して行われている高い局所制御効果が期待できる治療法ですが、生存期間延長効果を示したエビデンスが乏しく、近年の全身薬物療法の発達により、次第に行われなくなりつつあります。本セッションは「肝動注は生き残れるか」をテーマにPros & Consディベートを行います。「動注推し」か「薬物療法推し」、いずれかの立場で議論していただき、問題点を浮き彫りにし、今後の方向性について共有できればと考えます。我こそは物申したいという熱い想いを持った先生!ぜひ積極的に応募していただきたいと思います。

2
Intermediateの先行治療-TACEか薬物か

7月28日(金曜日)13:50~14:50第 4 会場 (大阪国際会議場 12F 1202 )
司会 宮山 士朗 福井県済生会病院 放射線科
小笠原 定久 千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学
Pros田中 利洋奈良県立医科大学 放射線診断・IVR学講座
Pros岩本 英希久留米大学 内科学講座消化器内科部門
Cons上嶋 一臣近畿大学医学部 消化器内科
Cons土谷 薫武蔵野赤十字病院 消化器科

3
肝癌治療は RFA かマイクロ波か

7月28日(金曜日)15:35~16:55第 6 会場 (大阪国際会議場 8F 801~2 )
司会 國分 茂博 新百合ヶ丘総合病院 肝疾患低侵襲治療センター
狩山 和也 岡山市立市民病院 消化器内科
Pros玉井 秀幸和歌山労災病院 肝臓内科
Pros畑中 健群馬県済生会前橋病院 消化器内科
Cons寺谷 卓馬NTT東日本関東病院 肝胆膵内科
Cons今城 健人新百合ヶ丘総合病院 消化器内科

4
巨大肝癌に対するanterior approachの是非

7月28日(金曜日)16:00~17:00第 3 会場 (大阪国際会議場 12F 特別会議場 )
司会 別府 透 山鹿市民医療センター 外科
福本 巧 神戸大学医学部附属病院 肝胆膵
Pros今井 克憲済生会熊本病院 外科
Cons野見 武男宇治徳洲会病院 肝胆膵外科

10.デモンストレーション

1
How I do it :肝切離法の実際

7月27日(木曜日)8:30~10:30第 6 会場 (大阪国際会議場 8F 801~2 )

本セッションは事前申込制です。
詳細はこちらよりご確認ください。

司会瀬尾 智高知大学 外科学講座
講師小山 幸法京都大学 肝胆膵移植外科
初めてでも、明日から使えるerbe Jet2®︎(腹腔鏡)
講師藤本 康弘名古屋大学附属病院 移植外科
初めてでも、明日から使えるerbe Jet2®︎(開腹)

概要:
erbe JET2®︎は、脈管に対するダメージを最小限にした肝切除を可能とするデバイスであるが、既存のデバイスとは異なった「使い方のポイント」がある。開腹下手術及び腹腔鏡下手術別に提示の上参加者に体験いただき、明日からの使用に生かしていただく。
開腹下:超音波吸引装置と同様に、デバイスの先端を常に移動させての使用も可能であるが、erbe JET2®︎では組織損傷が極めて少ないため、同一部位での使用も可能である(wiper motion)。また脈管裏の剥離完了が対側からの水流として観察できる(fountain sign)。
腹腔鏡下:erbe JET2®︎は一方向に先端から噴出する水圧で肝組織を剥離するため、ポートの位置で支点が固定される腹腔鏡下手術においては、肝組織の離断面をデバイスの軸方向に合わせることがポイントとなる。

2
How I do it :肝癌局所治療におけるシミュレーション

7月27日(木曜日)14:00~15:30第 6 会場 (大阪国際会議場 8F 801~2 )

※事前申込はありません。当日会場にお越しください。

司会熊田 卓岐阜協立大学
講師小川 力高松赤十字病院 消化器・肝臓内科
初心者でも今日から使えるVINCENT
講師山下 竜也金沢大学附属病院 消化器内科
肝癌穿刺局所治療におけるフュージョンUSの基本と実際
講師南 康範近畿大学 消化器内科
US-US fusionのやり方とコツ教えます!

概要:
穿刺局所療法はイメージガイドで行われるため、画像技術をシミュレーションやナビゲーションとして上手く活用することが手技的成功の重要なポイントです。本セッションでは肝癌局所治療におけるシミュレーション・ナビゲーションのエキスパートをお招きし、上記のミニレクチャーに加え実機によるデモンストレーションを企画しています。
直接指導が受けられる貴重な機会です!奮ってのご参加お待ちしています。

3
How I do it :肝癌手術における シミュレーション

7月28日(金曜日)8:50~10:20第 6 会場 (大阪国際会議場 8F 801~2 )

※事前申込はありません。当日会場にお越しください。

司会吉田 寛日本医科大学 消化器外科
講師田浦 康二朗医学研究所北野病院 消化器外科
教えます! Synapse Vincentのコツとピットフォール
講師阿部 雄太慶應義塾大学 外科
あらゆる肝切除のイメージを術前に! REVORASによる肝切除シミュレーションの実際

概要:
肝癌手術においてシミュレーションソフトの出現は手術の精緻さ、クオリティー、安全性の向上に寄与しました。もはやシミュレーションソフトは肝切除術の必需品と言えるでしょう。本デモンストレーションでは、富士フィルム社Synapse VincentとZiosoft社REVORASの2製品を準備し、同ソフトを使い慣れた講師による実演解説の後、参加者に実機に触れて頂く機会を提供致します。経験の少ないユーザーの方にはまずは実際に一度ご経験いただく、経験豊富なユーザーの方には日頃の疑問点を解消して頂く機会を提供できればと考えています。ぜひ積極的にご参加下さい。

11. 症例検討会

12. 一般演題

特別企画―市民公開講座

7月28日(金曜日)13:50~15:50 第 8 会場 (リーガロイヤルホテル大阪 2F 桂の間 )

特別企画―市民公開講座チラシ

総合司会 田中 愛理 キャスター、肝炎医療コーディネータ―

第1部
講演「肝臓がんにならないために!でもなってしまったら?」

13:55~
司会 沖田 極 社会医療法人同仁会 周南記念病院 名誉院長
講師 加藤 直也 千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学 教授

リフレッシュタイム
「肝臓を守る食生活って何やろか!?
~栄養士によるミニトークと兵庫肝臓体操~」

14:45~
講師 原 なぎさ 佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター 特任助教 管理栄養士

第2部
トークイベント テーマ「専門家に聞こう、みんなが知っておきたいこと!」

15:10~
司会進行 江口 有一郎 医療法人 ロコメディカル 理事長
米澤 敦子 日本肝臓病患者団体協議会 NPO法人東京肝臓友の会
田中 愛理 キャスター、肝炎医療コーディネータ―
パネラー 加藤 直也 千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学 教授
植田 勝明 兵庫県保健医療部感染症等対策室疾病対策課
鈴木 和彦 NPO法人 東京肝臓友の会
上野 聖子 姫路赤十字病院 治験・臨床研究管理センター
薬剤副部長兼治験・臨床研究管理副センター長
原 なぎさ 佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター 特任助教 管理栄養士
田中 愛理 キャスター、肝炎医療コーディネーター