ご挨拶

第59回日本リハビリテーション医学会学術集会
会長 芳賀信彦

(東京大学大学院医学系研究科 リハビリテーション医学分野 前教授
国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局長)

新型コロナウイルス感染症が全世界に拡⼤し、終息を見通せない状況が続いています。本症に罹患し闘病中の⽅の⼀⽇も早い回復をお祈りするとともに、お亡くなりになられた⽅に対し⼼から哀悼の意を表します。また本症へ対応しながら、日々リハビリテーション医学・医療に取り組まれている皆様に敬意を表します。

この様な状況ではありますが、第59回日本リハビリテーション医学会学術集会を2022年6月23~25日の日程で開催させて頂くことになりました。東京大学大学院医学系研究科リハビリテーション医学分野・医学部附属病院リハビリテーション部が一丸となって準備を進めています。開催形式は新型コロナウイルス感染症の状況により今後判断していきますが、2020年4月にオープンしたパシフィコ横浜ノースでの対面開催を中心に考えています。

今回の学術集会のテーマは「知と実践のプロフェッショナル」としています。これは東京大学の前総長である五神真先生が2015年に公表した「東京大学ビジョン2020」の中にある、基礎力の涵養と「知のプロフェッショナル」の育成、にヒントを得たものです。医学の中で比較的新しい分野であるリハビリテーション医学・医療を今後更に発展させるためには、「知」すなわち知識と考える力を持つ人材の育成が重要です。一方リハビリテーション医学・医療は、「知」のみならず「実践」を伴ってこそ患者さんや障害をもつ人々に貢献し、更なる発展につながると考え、「知と実践のプロフェッショナル」というテーマを設けました。

私は医学系の学術集会には、研究成果を発表する晴れ舞台としての場、講演やワークショップ等を通じて知識や技能を身につける場、他分野の医師・研究者を含む多くの人との交流の場、という3つの「場」があると考えており、自分自身今までに多くの場を通じて知識と経験を積み重ねてくることができました。今回の学術集会も、全ての参加者にとって「知と実践のプロフェッショナル」を育てる「場」になることを期待しています。

今後の新型コロナウイルス感染症について不確定要素が多い中で、皆様は日々の診療、研究を進められていると思います。その成果を第59回日本リハビリテーション医学会学術集会という「場」で是非発表し、参加者と共有して下さい。ご協力の程宜しくお願い申し上げます。

2021年6月