世話人挨拶
第51回急性肝不全研究会
当番世話人 玄田拓哉
(順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科)
この度、第51回日本急性肝不全研究会学術集会を当番世話人として開催させていただく事を大変光栄に存じます。当科が本学術集会を担当するのは、市田隆文先生が当番世話人を担当された第37回集会以来であり、名誉あるこの任を拝命するにあたり責任の重さと期待の大きさを深く感じております。
第51回学術集会のテーマは「急性肝不全診療の現在地を知る」としました。急性肝不全は患者数の少ない希少疾患ですが、病態も不明な部分が多く未だに肝移植以外の治療法が未確立で生命予後不良な難治疾患です。2000年代になり国内での肝臓移植が普及したことから救命例は増加、同時期に内科側では劇症肝炎から急性肝不全に疾患概念が見直されるとともに、移植適応スコアリングや血漿交換と血液浄化を組み合わせた人工肝補助療法が整理されてきました。しかし、現場で経験する患者数が少ないゆえに、実臨床では肝移植に向けた円滑なネットワークの構築、適応判断と全身管理などは均てん化されているとは言い難い状況です。さらに、近年臨床現場で広く用いられている免疫チェックポイント阻害薬を代表とした新しい強力な薬物は、一方で肝障害を惹起する可能性もあり、その実態や病態が注目されています。また、肝硬変を基盤に発症するAcute-on-chronic liver failure (ACLF)は本研究会が中心となりわが国の診断基準が定められましたが、発信されているエビデンスの多くは欧米の診断基準を用いたものであり、国内のACLFに関する議論はいまだに不足しています。
本学術集会では、このような急性肝不全診療の現状を整理するため幅広い領域からの演題を募集させていただきます。特に、症例報告は急性肝不全診療の現状と問題点を明らかにする貴重な機会となるため、各施設の御経験を積極的に発表していただき、参加者全員でその臨床経験を共有させていただきたいと考えています。本学術集会が、サブタイトルにある「Echoes of the Past, Visions of Tomorrow」通り、これまでの知見を結集し現在の到達点を明らかとすることから、急性肝不全に対する包括的な理解と解決へ向けた今後のビジョンを提供できる場となることを願っております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
2024年10月吉日