第47回日本急性肝不全研究会第47回日本急性肝不全研究会

世話人挨拶

第47回日本急性肝不全研究会の開催にあたり

当番世話人 武冨 紹信
(北海道大学大学院消化器外科学教室I)

 この度、歴史ある第47回日本急性肝不全研究会をこの札幌の地で開催させて頂きますことを大変光栄に存じます。この日本急性肝不全研究会が北海道で開催されるのは、我々の同門で敬愛する水戸廸郎先生が旭川で開催(第20回)されてから実に27年ぶりとなります。

 この貴重な機会に「救命率向上のための急性肝不全に対するチーム医療」としてシンポジウムを企画しました。急性肝不全の救命率向上には、経験豊富で、血液浄化療法を含む集中治療可能な施設が欠かせませんが、全ての地域を網羅することは困難であり、初療から専門施設への迅速で密な連絡が重要です。こうしたネットワークの構築が医療圏での急性肝不全の救命率向上に必要と考えられます。またタイムリーな治療が求められる急性肝不全の治療において、集中治療・消化器内科・移植外科・臨床工学技士など多職種にわたる連携、チーム医療が速やかに、円滑に行われることも極めて重要です。是非、それぞれの施設で工夫されていること、明日の診療に生かせるアイディアを共有する機会とさせて頂ければと考えております。

 またパネルディスカッションとして「急性肝不全に対する肝移植適応スコアリングシステム」を企画しました。救命率改善のために適切な移植時期、適応のタイミングは重要なテーマです。2009年に厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班から示された「劇症肝炎の肝移植適応ガイドライン・スコアリングシステム」、また1998-2003年発症のデータに基づく「決定木法による劇症肝炎、LOHF症例の予後予測モデル」の検証を含め、新たな予後を予見し得るマーカーの可能性について討議したいと考えております。

 ポスターにも採用させて頂きましたが、6月の北海道はポプラの新緑が鮮やかな1年のうちで最も過ごしやすい爽やかな季節です。オリンピックの前哨戦として、北海道の地で熱い討論が繰り広げられることを期待しております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。