ご挨拶
佐野 力
(愛知医科大学 消化器外科 教授)
当番世話人挨拶
開催にあたりまして
この度第77回手術手技研究会の当番世話人を拝命し、令和5年5月12、13日にウインクあいちにて開催させて頂くことになりました。
この伝統ある手術手技研究会を開催させて頂くことは、外科手術に専心してきた小生のみならず、教室にとっても大変な名誉であると受け止めています。全国から手術手技に拘りを持たれている外科医の先生方をお招きし、活発な議論を目の当たりにできると思うと、わくわくする気持ちになっております。
開催テーマは“何を紡ぎ、何を継承するか”、とさせて頂きました。現在までに高難度技術を必要とする手術がどこまで到達しているのか、そして更なる手技の発展のためには、次世代に何を引き継いでいくべきなのかとの思いからテーマを決めさせていただきました。それを議論していく題材として、主題を策定致しました。主題1は、外科手術のcutting edgeとして、最先端の外科手技を通してどこまで手術治療が進歩しているかを、臓器横断的に議論していただきたいと考えております。主題2は、自慢の教育プログラムとし、外科医の手術手技に関する教育プログラムをどのように構築しているのかを各施設からご披露頂きたいと思います。
私自身は肝胆膵の開腹手術が専門で、国立がん研究センターで高山会長のもと肝切除を学び、名古屋大学で二村・梛野教授のもと膵・胆道癌の外科治療のご指導を仰ぎ、手術手技に拘りをもって高難度手術に挑んで参りましたが、これからの外科医がどのように導かれていくのか、大変興味のあるところであります。今後ロボット支援下手術が、益々の広がりを見せると予想されますが、安全性を担保しつつ、若手外科医の育成をどのようにしていくのか、各施設のお考えを教授頂けるものと思います。
消化器外科の技術革新は、目覚ましいものがあり、小生が外科医になった1986年当時は、ほぼすべての消化器外科手術が、開腹によって行われておりました。腹腔鏡下胆嚢摘出術の導入に始まり、瞬く間に鏡視下手術が席巻してきました。その大きなうねりは消化器外科領域にとどまることなく、呼吸器外科、小児外科、泌尿器、婦人科領域に拡がりました。この先どこに向かって行くのか少しでも光が見える研究会になれば望外の喜びであります。
COVID19に阻まれることなく対面での積極的な議論をしていただけること、議論の後には皆さんで名古屋めしを堪能していただけることを切に願っております。歴史と伝統ある本研究会の第77回を、皆様とともに有意義で実りあるものにすべく鋭意努力して参ります。スタッフ一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
高山 忠利
(日本大学 専任副学長)