会長挨拶

第66回日本糖尿病学会年次学術集会 会長
西尾善彦
(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 糖尿病・内分泌内科学)

この度、第66回日本糖尿病学会年次学術集会をお世話させて頂くこととなりました鹿児島大学の西尾善彦です。九州で糖尿病学会年次学術集会が開催されるのは、荒木栄一先生が熊本で主催された第56回大会(2013年)以来10年ぶりです。また、鹿児島での開催は今回が初めてということで、教室員一同大変身の引き締まる思いであり、日夜、皆さまを鹿児島にお迎えするための構想を練っております。

この数年は世界中がCOVID19に振りまわされてきました。糖尿病学の分野も例外ではなく、学会や研究会はオンライン上で行われ、会議や討論もコンピューター画面を通じてとなりました。オンライン形式にもずいぶん慣れ、この形式には沢山のメリットがあることもよく理解できましたが、やはり学会場での直接の質問や討議、発表後の情報交換などが懐かしく感じられるのは私だけではないと思います。そんな中でも、糖尿病学は着実に進歩しつつあります。SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬関連薬剤の臨床応用は糖尿病の臨床、特に2型糖尿病とその合併症治療に革命をもたらしつつあると言っても過言ではありません。日常の糖尿病臨床にも極めて強いインパクトを与えていると思います。そしてこの成果は、糖尿病学における基礎的研究とその臨床応用が見事に融合した結果です。

2023年の第66回日本糖尿病学会年次学術集会はwithコロナなのかpostコロナなのか未だ見通せない状況ですが、糖尿病臨床の革新的進歩の時代の学術集会に見合うようプログラム編成を進める所存です。鹿児島での学会ということで本学会でのキーワードを『糖尿病学維新』とさせていただきましたが、ぜひ、本学会に参加いただき明治維新ゆかりの地で糖尿病学の革新的進歩を実感していただきたいと願っています。