近年の糖尿病学の進歩は目覚ましく、研究の果実である新規な治療法や検査法、またそれらを支える新しい薬剤やデバイスの登場により、糖尿病診療は日々進化を遂げつつあります。新しいツールを適切に診療に生かすための臨床的研究に加え、更なる新しい薬剤や機器の開発に繋がる基礎的研究を推進することは学会に課せられた使命です。また、糖尿病診療において私たちが目指すべき目標は、古典的な血管合併症の予防や進展阻止を超え、癌や認知症、サルコペニアやフレイルへの対策なども含んだ、大きな広がりを持つものとなっています。高齢化に代表される我が国の社会構造の変化も、糖尿病学に携わるものが早急に対応すべき課題を生み出しています。