第65回日本糖尿病学会年次学術集会第65回日本糖尿病学会年次学術集会

会長挨拶

第65回日本糖尿病学会年次学術集会
会長 小川 渉
(神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学 教授)

この度、第65回糖尿病学会年次学術集会をお世話させて頂くこととなりました小川渉でございます。神戸で年次学術集会が開催されるのは、竹田正次先生の第6回大会(1963年)、馬場茂明先生の第21回大会(昭和1978年)、春日雅人先生の第48回大会(2005年)に続いて4回目であり、現在、教室が一丸となって、皆さまを神戸にお迎えするための準備を整えております。

近年の糖尿病学の進歩は目覚ましく、研究の果実である新規な治療法や検査法、またそれらを支える新しい薬剤やデバイスの登場により、糖尿病診療は日々進化を遂げつつあります。新しいツールを適切に診療に生かすための臨床的研究に加え、更なる新しい薬剤や機器の開発に繋がる基礎的研究を推進することは学会に課せられた使命です。また、糖尿病診療において私たちが目指すべき目標は、古典的な血管合併症の予防や進展阻止を超え、癌や認知症、サルコペニアやフレイルへの対策なども含んだ、大きな広がりを持つものとなっています。高齢化に代表される我が国の社会構造の変化も、糖尿病学に携わるものが早急に対応すべき課題を生み出しています。

このような状況を踏まえて、本大会は「知の輝きと技の高みへ―人の集いがつくる明日の糖尿病学―」をテーマとしました。人の集いこそが、知を輝かせ技を高めます。ここ数年、集いが困難な状況が続いていますが、オンラインの効率性や利便性を生かしつつ、集うことによって得られる知的な刺激や楽しみを通じ、糖尿病学が解決すべき様々な問題について理解と学びを深める場となることを目指し、準備を進めて参ります。

2022年の5月に皆さまを神戸の地にお迎えすることを楽しみにしております。