会長挨拶

第56回日本糖尿病学会近畿地方会会長 佐々木秀行
第56回日本糖尿病学会近畿地方会
会長 佐々木秀行
(和歌山県立医科大学 みらい医療推進センターサテライト診療所本町)

この度、第56回日本糖尿病学会近畿地方会を、「青洲に学ぶ糖尿病医療の将来 ~基礎、臨床、教育・啓発の融合~」というテーマで開催させていただきます。全国有数の規模と長い伝統を誇る本学会をお世話させていただけることを光栄に存じます。本来は和歌山で開催すべきところ、会場の収容力の観点から、大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)において、2019年11月9日(土)に開催いたします。また、和歌山県糖尿病協会の近藤溪会長が世話人を務められます第55回日本糖尿病協会近畿地方会と同時開催となります。

青洲(華岡青洲)は紀州で生まれ、1804年に世界で初めて全身麻酔を用いた乳がん手術を成功させたことで有名ですが、約20年間にわたる動物実験や臨床試験を繰り返したことが知られています。また、手術成功後は多くの優秀な医学者を教育し、全国に輩出することで日本中の患者さんを救済しました。200年以上前に、糖尿病医療のあるべき姿であろう、基礎・臨床研究から診療、教育・啓発に及ぶ広範な医療を実践していたことは驚くべきことで、範とすべきと考えテーマに掲げました。

近年の糖尿病診療の進歩は目覚ましく、患者の平均HbA1c値は着実に低下し、死因に占める血管合併症の割合は、悪性新生物、感染症に次ぐ第3位に後退しました。しかし、死亡年齢は日本人一般より明らかに若く、合併症で著しいQOL低下に苦しむ多くの患者がおり、更なる努力が必要です。糖尿病の予防・治療の成果を得るには患者自身の行動変容が必須であります。したがって、基礎および臨床医学者、メディカルスタッフが互いに緊密に連携するチーム医療、言い換えれば、”基礎、臨床、教育・啓発の融合“が大変重要と考えられます。

2019年の学会では、実臨床の場で提起された問題を発表していただき、活発な議論を通じて、参加者がレベルアップできる場となることを目指します。特別講演では、和歌山ろうさい病院 病院長の南條輝志男先生に、華岡青洲など先人たちの偉業と糖尿病医療の将来についてご講演いただきます。また、「合併症を含む病態に応じた治療法(仮題)」に関するシンポジウム、教育講演、日本糖尿病療養指導士認定機構との共催による療養指導セミナーなどを企画しております。

ご参加される皆様にとって実り多き会になりますよう、全力で準備しております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。