第35回日本糖尿病合併症学会・第26回日本糖尿病眼学会総会 第49回日本IVR学会総会サイト

会長挨拶

第35回日本糖尿病合併症学会 会長挨拶

第35回日本糖尿病合併症学会
会長 古家 大祐
(金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学)

この度、第35回日本糖尿病合併症学会をお世話させて頂くことになりました。COVID-19感染症拡大のため、当初予定しておりました会期での現地開催は残念ながら困難と判断し、12月7日(月)~21日(月)のOn Demand配信ならびに共催セミナーLIVE配信に変更致しました。 また本学会は、聖マリアンナ医科大学眼科学高木均教授が主催される第26回日本糖尿病眼学会総会と共同開催させて頂きます。

世界においても我が国においても糖尿病患者数は、増加の一途をたどっております。糖尿病および糖尿病合併症の重症化は、健康寿命の短縮・生活の質の低下を引き起こすのみならず、医療経済上も深刻な問題です。したがって、それらの克服は、我々が解決すべき最重要課題であります。さらに超高齢化社会をむかえ、今後、糖尿病患者の高齢化と高齢糖尿病患者数のますますの増加が予測されます。そのため、糖尿病合併症は、従来、腎臓病、網膜症、末梢神経障害、大血管障害を含む血管合併症が主と考えられてきましたが、加えて、加齢/老化と密接に関与しているサルコペニア/フレイル、認知症、歯周病、癌、骨粗鬆症などもまた糖尿病合併症と認識されるようになってまいりました。これら合併症は、糖尿病患者の健康寿命の短縮に著しく寄与していると考えられますことから、糖尿病および合併症の克服が健康長寿の延伸に繋がることは言うまでもありません。

そこで本会のテーマを「健康長寿を目指した糖尿病合併症の予防・治療の進歩」とし、本会のポスターには、基礎研究と臨床との癒合、各診療科の垣根を超えた連携、かかりつけ医と専門医の連携、多職種によるチーム医療、地域社会-保健と医療の協調を、さわやかな秋の青空に温かい手に包み込まれるようにやさしいハート型の雲の中にイメージしました。本会では、一般演題(ワークショップ)、教育講演に加え、最近の基礎的・臨床的トピックスを特別講演、シンポジウムとして交え構成しております。糖尿病診療・診療支援および研究に関わる皆様方に1人でも多く、また多数の講演・発表をご視聴頂き、今後の診療・研究にお役立て頂ければ幸いでございます。

第26回日本糖尿病眼学会総会 会長挨拶

第26回日本糖尿病眼学会総会
会長 高木 均
(聖マリアンナ医科大学 眼科学)

2020年の第26回日本糖尿病眼学会総会は聖マリアンナ医科大学眼科学教室が担当させていただきます。日本糖尿病眼学会の皆様には開催に際し多大なご支援とご協力を賜り深く感謝申し上げます。また、プログラム委員の諸先生方、日本糖尿病眼学会事務局、学会運営スタッフの皆様のご協力を得、ここまで滞りなく準備を進めてこられましたこと、心より御礼申し上げます。
COVID-19感染症拡大のため、当初予定しておりました会期での現地開催は残念ながら困難と判断し、12月7日(月)~21日(月)のOn Demand配信ならびに共催セミナーLIVE配信に変更致しました。 また本学会は、金沢医科大学糖尿病・内分泌内科学の古家大祐教授主催の第35回日本糖尿病合併症学会との共催となりました。当学会の目的とする内科・眼科を問わない多方面よりの活発な交流が図られ有意義な学会となるものと期待しております。

今回の共同学会のテーマは「健康寿命を目指した糖尿病合併症の予防・治療の進歩」としています。厚生労働省研究班が行う視覚障害者申請の原因調査では、網膜症は現在3位となり、従来の位置よりも低くなってきております。基礎研究により病態解明が進み様々な薬物療法が可能となったこと、検査機器・手術機器の進歩が早期からの有効な治療を可能としたことが要因としてあげられます。また、健康診断などのスクリーニングの普及や内科眼科の連携による網膜症患者の早期発見と早期介入が貢献してきたことも明らかです。しかしながら、超高齢化社会を迎え、糖尿病患者数は今後も増加の一途であることが予想されております。高齢糖尿病患者のQOLには、失明予防に留まらずさらなるQOV(Quality of Vision)の向上も不可欠であり、今後長寿社会においてunmet needsは未だ多く残されています。

今回の学会ではこうしたunmet needsに答えるべく三つの観点から企画させていただきました。第一に早期からの網膜症患者の管理に重点を置き、内科眼科の連携や新しいイメージング検査の重要性について論じます。堀賞やコメディカルプログラムも充実し、是非多くのコメディカルスタッフの方々の活発なディスカッションの場となることを期待しております。第二にハーバード大学Aiello先生による招待講演を企画しました。最新の眼底検査機器やVEGF阻害治療の現況を理解するばかりでなく、今後臨床応用間近となってきた新たなる抗血管分子治療の実態について論ずることとなるでしょう。第3に網膜症診療に多大な影響を与えるAIやビッグデータなど従来なかった手法にも着目しています。AIによる網膜症病期分類機能を搭載した眼底カメラが認可されたことも今後の網膜症診療への大きな変化を予感させます。

特別講演は眼科から信州大学の村田敏規先生、内科からは岩手医科大学の石垣泰先生にお話いただきます。また、網膜症診療の今後への期待を込めまして会長企画として国内のエキスパートに会していただき血管生物学や外科技術の進歩による今後の新たなる治療法への発展をクロスオーバー的に論じていただく予定です。日本糖尿病合併症学会との共同企画としては、上記に述べた内科眼科の連携に加えて、遠隔医療にも着目しています。僻地医療ばかりでなくコロナウイルス時代の診療においても意義あるタイムリーな企画となっています。糖尿病合併症の管理・治療に関わる眼科医、内科医、メディカルスタッフ、また、病態生理の解明、新薬や検査機器の開発など研究に携わる方々に多くご参加いただき、今後の診療・研究にお役立て頂ければ幸いです。Web開催となりましたが、本学会において合併症診療のアップデートがはかられ有意義な情報が発信できることを確信しております。