第35回日本冠疾患学会学術集会第35回日本冠疾患学会学術集会

会長挨拶

内科系会長挨拶

独立行政法人国立病院機構
大阪医療センター
循環器内科
上田 恭敬

第35回日本冠疾患学会学術集会を、2021 年 12 月 17 日(金)、18 日(土)の二日間で、完全WEBにて開催させていただくことになりました。現時点では、新型コロナウイルス感染症が多少落ち着いてきてはいますが、WEB開催の学会は一つの文化になりつつあるのではないかと思います。

確かに、対面の学会の場合、雑談をしたり会食をしたり、学会外で多くのコミュニケーションが可能であり、日本各地へ旅行できる楽しみもあります。しかし、一方で、WEB開催の学会の場合、日常業務の合間や直後に参加したり、他のことをしながらの視聴も可能であり、より簡便に参加することができます。

本学会では、「徹底的に冠動脈疾患を探求する」をテーマに、循環器関連学会の中での本学会の立ち位置を明確にしたいと考えています。そこで、冠動脈疾患に関わる広い範囲のテーマについてのセッションや「ハートチーム」に関わるセッションを準備しましたが、さらに「働き方改革」や「脳卒中・循環器病対策基本法」に関連するセッションも作りましたので、それぞれのテーマについて存分に議論を展開していただきたいと考えています。

本学会の最大の特徴は、外科系・内科系いずれの先生もが平等に参加して、その協働関係がどうあるべきかを「ハートチームのあり方」として追求し続けてきたことにあります。今回はそれをさらに一歩進めて、全てのセッションを外科系・内科系の区別なく、いずれの先生もが一緒に議論する形式にしました。さらに、本学会では単に演者の発表を聞いて質疑応答するだけでなく、基本的に全てのセッションにおいて外科系および内科系の座長およびコメンテーターを配置し、発表内容を題材として、それぞれのテーマについて内科医および外科医の立場から徹底的に議論することを目的と考えています。それぞれの演者の発表だけでなく、その後の議論に是非注目していただきたいと思います。座長、コメンテーター、演者の先生方には、是非この趣旨をご理解いただき、当たり障りのない議論ではなく、本音で徹底的に議論していただきたいと期待しています。

是非、皆様も日常臨床の中で抱えている疑問点や問題点を持って来ていただき、徹底的に討論する中で、正解が出ないまでも、今後の方向性が明らかになったり、解決すべき課題が明確になることを期待したいと思っています。

皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

外科系会長挨拶

医療法人徳洲会 吹田徳洲会病院
心臓血管外科
高橋 俊樹

来る12月17、18日の二日間、第35回日本冠疾患学会学術集会を上田会長とともに開催させていただきます。我が国の新型コロナ感染症の状況は現在かなり落ち着いてきていますが、世界的にもまだまだ予断を許さない状況にあり、第6波到来を懸念して国をあげて様々な対策が講じられています。そのような中で、皆様から数多くの演題をご応募いただきましたこと、心より厚く御礼を申し上げます。開催方法についてはいろいろ検討してまいりましたが、第5波の真っただ中で最終的な判断をしなければならなかったこともあり、完全WEB開催とさせていただきました。完全WEB開催の利点を最大限利用できるように最終的な準備段階に入っているところです。

日本冠疾患学会の主旨は、“患者本位の精神の下で、内科・外科一体となって冠動脈疾患に関する臨床的研究の進歩・普及をはかり、その診断・治療の向上を目指すこと”、と謳われています。今回の学術集会では、内科系会長である上田本学会副理事長発案の、「徹底的に冠動脈疾患を探求する」をテーマといたしました。冠動脈疾患が招く様々な病態に対するベストな治療法を進歩、確立させて行く為にも、新しいガイドラインや海外多施設研究の検証、冠動脈疾患や合併心血管疾患に対する低侵襲治療を交えた治療戦略、心不全合併冠動脈疾患に対する急性期・慢性期診療(最新の補助循環やCCU/ICU体制、リハビリテーション、病診連携、等)等について、忌憚のない討論ができる場を提供できるものと考えています。内科系、外科系、コメデイカル部門のプログラム委員の皆様の英知を基にいずれのセッションでも興味深いテーマを取り上げました。冠動脈疾患の臨床現場に関わる皆様には、内科・外科、職種を超えた問題提起と徹底した議論を経て、一つでも多くのメッセージを臨床現場に持ち帰っていただければ幸いです。

実り多い学術集会となりますように、多くの皆様にご参加いただけますように宜しくお願い申し上げます。