大会長挨拶

大阪公立大学大学院 医学研究科 泌尿器病態学
長沼 俊秀

私は1995年に大阪市立大学医学部を卒業後、同大学の泌尿器科学教室に入局しました。当時の教授は岸本武利先生で、入局後最初に配属された人工腎部の顔ぶれは、故山上征二先生、武本佳昭先生、土田健司先生という豪華メンバーでした。その後、ほとんどの期間を透析医療・腎移植医療といった腎不全医療に携わってきております。私とHDFとの出会いは今から28年ほど前に遡りますが、すでにその当時に当院透析室ではオンラインHDFを施行しておりました。当時は最先端医療技術でありましたHDFが、四半世紀を経て現在の標準治療になったことに関しては誠に感慨深く感じております。さて2020年4月にスタートを切った本学会主導のJAMREDS-Studyは、HDFによる溶質除去を切り口にした新しい視点からの臨床研究であり、膜の種類や治療モードが非常に多様な我が国のHDFには非常にリーズナブルでオリジナリティの高い臨床研究だと考えられます。2023年はこの研究の最終年度となっておりますが、本大会のテーマであります「図南鵬翼」が意図しますように、日本から世界に向けた新たなエビデンスの発信に期待しております。新型コロナ禍により学会開催が新たな形態を求められる厳しい時世ではありますが、臨機応変に対処し、面白い(interesting)学術集会に仕上げて行きたいと考えております。 それでは皆様、大阪で会いましょう。